S原:今回は、もちろんスピルバーグの「激突!」(1971)とは無関係のこちら!
Y木:ええ年して、よくこんなDVDを買うわ…
(あらすじ)
究極のパワーとスピードが手に入る首飾り“スピード・デーモン”を巡る死のカーチェイスを描いたアクションホラー。父の交通事故死の報せを聞き故郷に戻ったジェシーは、遺品の中にジェームス・ディーンも持っていたとされる悪魔の首飾りを見つけるが・・・
S原:これ、やたらと男の上半身の裸がでるねん。
Y木:なんやねん、いきなり。
S原:ほんまやねんって。とにかく、男の半裸体をみせる。開巻いきなり、上半身裸でサスペンダーで乳首を隠したジーンズの男(主人公)が、道路の真ん中を歩く場面やもん。昔の洋物エロ本のようなセンスやろ(笑)それに、いちゃもんをつける2人の男もまた裸&乳首。主人公が街のチンピラともめる場面では、チンピラ全員が上半身裸&乳首。裸、乳首たっぷり!裸、乳首祭りだよ!
Y木:いやな祭りやな。
S原:しかも、主人公が女性とチョメチョメするシーンでは、女性は上半身裸にならずにブラジャーをつけたまま。このアンバランスに、監督のフェチズムを感じるよな。
Y木:感じへんわ。それはええねんけど、あの「激突」とは全く違うストーリーやな。
S原:その通り。主人公は、地元を離れてほかの街の大学に通っている。久しぶりに故郷に帰る(上半身裸で)。弟が、街のチンピラたちと車で公道レースをするが、ブレーキに細工をされてて壁にぶつかり死亡。父親も車の事故で亡くしてる主人公は、実家の遺品整理をしていて、悪魔の首飾りを見つける。それが、じつは「スピードの悪魔」(speed demon)と呼ばれる魔力をもった首飾りで…というストーリーやな。
Y木:いやー、ほんまに食指が動かんストーリーやな。
S原:それにしても、車と悪魔の組み合わせって、あの「湾岸ミッドナイト」を思い出すよなー。悪魔のZやで!
Y木:なんやねん、悪魔のZって。
S原:最近のヤングたちは楠みちはるもあだち充も読まないみたいね…(しょぼん)
Y木:漫画の話はええから、この映画の話をしてくれ。結局は、いかにもB級って感じなんやな。
S原:うん。こういう話は単純でええと思うねん。でも、やっぱり演出がなー、イマイチやった。
Y木:そりゃそうやろ。というか、カークラッシュがメインというよりもホラー?
S原:ホラー風サスペンスかな。昔から、カーアクションとホラーの組み合わせは、一部の好事家には根強い人気があるねんで。「ザ・カー」(1977)「地獄のデビルトラック」(1986)「殺人ブルドーザー」(1974)「クリスティーン」(1983)とか、DVDが意外に高値で驚くわ(笑)
Y木:あった、あった!「クリスティーン」なー!あの赤い車が襲ってくるショボい映画。確かにあれも一応ホラーやな。急にいま思い出した。おまえ、先輩(Yさん)が乗っていた赤い車を陰口で「クリスティーン」って名付けて、後でバレて怒られてたなあ(笑)
S原:うん。Yさんに「おれの車は、ちゃんとおれの言うことを聞く!」って怒られた(笑)
Y木:なんちゅう不毛な会話や。それはええとして、この映画ではカークラッシュが見所やろ?車が走るシーンはどうなん?
S原:大したことないなあ。なんか疾走感もないし、広めの道路を普通に車が走るだけやった。80年代風のダサいロックが流れて、「すげえ!」「いやっほー!」「負けないぜ!」とか言われてもな(笑)
Y木:「負けないぜ!」って(笑)悪魔の首代わりっていうのは、なに?呪い?
S原:よくわからんかった…なんか、チンピラリーダーはもみあげが長いしな。
Y木:ほっといたれ。
S原:チンピラたちは秘密の悪魔密教みたいなものに傾倒してるねん。理由がすごいで。悪魔(?)に忠誠心を誓うと、車ですごく速く走れるらしい(笑)
Y木:すごい知能指数の低い設定やな…
S原:もみあげのリーダーは、悪魔の首飾りが欲しくて主人公と戦うねん。でも、もみあげ君も悪魔の首飾りを持ってるのよ(買ったらしい)。なんかよくわからんけど、もみあげ君が、主人公の首飾りもやたらと欲しがる。主人公も弟の復讐のために戦うというわけやな。ベタな展開はともかく、後半がちょっとなあ。
Y木:ちゃんと終わってないの?
S原:いや、一応ちゃんと終わる。はじめに上半身裸の男性ばかり出てくると言ったけど、後半はみんな服を着てるねんなー。なんか、ちょっとガッカリでな…不思議なんやけど、半裸の男を観てるうちにこっちの脳内も麻痺するんやろうな。「せっかくの裸体&乳首をもっとみせてや~」という気分になるねん。バトルランナーはやっぱり全身タイツじゃないとガッカリ、みたいなもんやろな。
Y木:なんで、ガッカリしてるねん。きもいわ。
S原:ま、最後はどんでん返し的に、ブラジャー女子が黒幕(?)みたいな説明があるけど、みんなの人生には関係がないから、どうでもええんとちゃうやろか。
Y木:…もうこのブログ、やめたら?
S原:さー、みなさま。どの角度からみても中途半端な出来ですが、細マッチョな男性の裸身は堪能できます。どこにも激突せずに安全運転する映画ですが、これはこれでアリのような気がします。さあアクセルを踏んで、あなたたの未来へゴー!