あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

便乗映画特集!セブンじゃなくて「セブン+(プラス)」(2008)の巻

セブン+(プラス) [DVD]

S原:今回は、あの「セブン」(1995)にそっくりの映画です。

Y木:うわー、いつにも増して面白くなさそう…

(あらすじ)

「セブン」の衝撃から12年・・・あの戦慄が再び甦る・・・。2人の刑事が猟奇殺人事件に挑むサイコサスペンス!
残忍な事件が発生した。家の中で男がショットガンで撃たれ死亡。犯人は被害者の脊椎を折り身動きがとれない状態にした上で椅子に座らせ手足を縛った。誰かがドアを開けると銃が発砲される巧妙な罠が仕掛けてあったのだ。自ら手を下さず標的をその愛する者の手によって殺させ、死亡する瞬間を目撃させるというおぞましい手口。血気盛んな新米刑事のマロイは引退間近のベテラン刑事マッケイシーとコンビを組み、この難事件に挑む。そして、ついに犯人へつながる糸口をつかみ、マロイは刑事としてではなく、一人の人間をして犯人と対峙することになるのだった。想像を絶する衝撃の事実が明らかになった時、犯人の真の目的が達成されることを誰も知らなかった・・・。

 

S原:これは……面白くなかった。

Y木:そんなん観る前から想像つくやろ。上のあらすじを読むと、ストーリーも「セブン」のパクリやん。

S原:そうやな。主人公は「セブン」と同じく刑事2人。猟奇的な連続殺人事件を追いかける話やから、ほぼ一緒。タイトルにも内容にも便乗してる「正統派便乗映画」と言えばいいんかな。

Y木:なんやねん、正統派って。

S原:まあパクリでもええねんけど、この映画は見ていると暗い気持ちになるねん。

Y木:猟奇的な場面がエグイの?

S原:あー首チョンパとかエグイ場面もあるで。それもあるけど…なんというか、主役の刑事2人が陰鬱やねん。

Y木:陰鬱?

S原:まず性格が暗い。表情も乏しい。いつも同じ汚らしい服を着てて容姿もパッとしない。存在感もない。それぞれにトラウマを抱えているうえに、1人は病気に冒されてる(脳腫瘍)。刑事としても優秀じゃないから、連続殺人事件への洞察力もない。犯罪を憎む正義漢でもない。

Y木:ええとこなしやん(苦笑)

S原:こんな設定じゃ、面白くなるわけがない…「セブン」も暗い話やったけど、猟奇的なミステリー展開が面白いし、モーガン・フリーマンブラッド・ピットがすごく良いやろ。なんといっても、あの雰囲気と言うか映像美が、印象に残るやん。

Y木:あー確かに。宗教観も絡むしな。

S原:この映画にそこまで求めるのは酷やけど、観ていると「おいおい、もうちょっと撮り方があったやろ…」と突っ込みたくなる。おまけに曇りの日が多くて、中途半端に画面まで暗い(笑)あーそうそう、主役の刑事以外の登場人物もみんなトラウマを抱えてるねん。あー、ヤダヤダ!

Y木:わかった、わかった。そういう映画もあるがな。

S原:一番、あかんのは最初から最後まで2人の仲が悪いこと。ベテラン刑事は若造を認めない。そのくせ、ベテランらしい捜査もしないから、ただの性格の悪いおじさん(笑)若者はずっとなにかにいら立っているけど、観ている方には伝わらない。もちろん捜査は進展しない。観ている方は、またイライラする。

Y木:これ、メインストーリーは連続殺人なんやろ?

S原:犯人は直接手を下さずにいろんな仕掛けで、殺人をする。たとえば、ドアを開けた瞬間にヒモが引っ張られて、拳銃が発射される。ドアを開けた人(家族とか)が殺人の瞬間を目撃する…それを犯人は楽しむ。一種の快楽殺人かな。この場面がかなりグロやから、そういうのが好きな人は楽しめると思うけど、どうにもイマイチやねんな。

Y木:犯人は?

S原:もうネタバレになるけど、主人公の若い方の刑事が真犯人。最後は、自分で恋人がドアを開けた瞬間に、自分を拳銃で撃つ装置で自死する。

Y木:迷惑な奴やな。ベテランのほうの刑事は?

S原:なにもかもが嫌になって自殺します。

Y木:なにそれ…

S原:ほんまに気分が悪くなるで。日曜の朝に観るような映画とちゃうわ(苦笑)「セブン」みたいに、なにか考えさせられるわけじゃなくて、ただただ暗くて薄汚い登場人物がトラウマに苦しむ姿を見せられるだけ。暗くて陰気で湿っぽくて…なんでこんな気持ちにならなあかんねん!

Y木:好きで観たんやろ!

S原:はー(ため息)…とにかく、最初から最後までスカッとしない映画やった。

Y木:でも、なんか「暗めの映画」ってあるやん。そういうの映画とも違うんやな?

S原:そうそう。ただ陰鬱で出来が悪いだけ(笑)さあ、みなさま。「セブン」が好きな人もそうでない人もとくに見る必要はないと思います。でも、毎日ハッピーな気分で生活してて人生に何の憂いもなく、「どれどれ、たまには他人の不幸でも観てみるか」という気分の時は、これを選んでくださーい!カタルシスゼロの珍映画でーす。