あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

便乗映画特集!ジェイソンのでてこない「ジェイソンZ」(2003)の巻

ジェイソンZ [DVD]

 

S原:さー、お待ちかね。好きな人にはたまらないジェイソンのバッタもん映画!

Y木:そんなもの好きなヤツ、ほんまにおるんか?

(あらすじ)

楽しいはずの学生たちのウィンターバケーションが、殺人劇の舞台と化すホラーパニック。バケーションを利用し、スノーボードをしに雪山へ向かう4人の学生たち。そんな旅の途中2人のヒチハイカーと出会い、合流。しかしそれが全ての悲劇の始まりだった…

 

S原:さあ今回の映画は、すごいですよ。この映画ではホッケーマスクの男はでてきませぬ。そもそも名前もジェイソンではありませぬ。

Y木:B級映画あるあるやな。

S原:いやはや、ここまで堂々と本編と違う主人公をパッケージにするのは、あの「コアラ課長」(2006)以来やろうな。

Y木:どうでもええわ。それで、この映画はどうやった?

S原:結構、おもしろかった。

Y木:ほんまかいな。おまえの評価はあてにならん。

S原:誉め言葉やと受け取っておくわ(笑)これは一応、スキー場を舞台にしたホラーなんやけどな。当然、スキーシーンがたっぷりとあってなかなかの腕前やねん。「ザ・ソルジャー」(1982)みたいな感じ、と言えばわかってくれる?

Y木:せめて「私をスキーに連れてって」(1987)と言ってやれよ。

S原:この映画での殺人鬼は、とにかくスノーボーダーを恨んでるねん。

Y木:なんで?

S原:理由はない…みたい。しいて言うなら、マナーが悪いのが腹が立つ!かな(笑)

Y木:ごっつい適当やな。

S原:要するに、監督は、とにかく殺人シーンを撮りたい・見せたいだけなんやろうやな。そういう意味では、いかにもB級映画ならではの正統派なんかもしれん。

Y木:でもせめて、殺人の動機は要るやろ。

S原:もう、考えるのもめんどくさいんやろ(笑)もしくは「どうせ、ちゃんと動機を描いても、評価してくれへんねやろ?」というひねくれた気持ちなんやろうな。

Y木:なんで、いじけてるねん。ストーリーは?

S原:閉鎖されたスキー場に4人のヤングたちが向かう。人手のないゲレンデで思いっきりスキーやスノーボードで楽しむのが目的やな。途中で、全身黒ずくめの男が周辺をうろつき始める。この男が実は…って話やな。まあストーリーとしては全然大したことないよ。

Y木:こういうのは、ホラーな場面が良ければOKな映画なんやろうな。

S原:そうやろうな。ショックシーンはちょっとおもろいよ。映画がはじまってすぐにスラッシャーシーンがあるねんけどな。木と木の間にピアノ線が張ってて、滑ってくる人の首が飛ぶという。

Y木:あー…(苦笑)

S原:しかも、そのあとは女性のシャワーシーンが当然のように挿入される(笑)そうそう、この映画ではやたらと女性のセクシーショットがあるねん。

Y木:それも、いかにもB級映画やん。

S原:そうなんやけどな、この映画ではやたらと女性の下着を強調する。いろんな色や形の下着のオンパレード。赤、黒、ヒョウ柄…とくに必要もないのに、やたらと脱いだり着けたり脱いだり着けたり。あげく服を着たまま下着を取るゲームで盛り上がる(笑)

Y木:監督のフェチズムが爆発してる感じやな。

S原:あと、変な言葉のオンパレードやねん。「おい、美人のトイレ訪問は見逃せないぞ」「もうムズムズしてやばいよ!」「美の女神さえ君の前ではかすむだろう」…いまどきこんなセリフある?

Y木:頭が悪いんやろうな。

S原:そのくせ「悪いカルマにつかまったぜ」とか意味不明なセリフで人が死んでいく。この監督は、なかなかのセンスやで。

Y木:下手なだけやろ。ほかに面白い場面はないの?

S原:そうやな、リフトで殺人鬼と会ってしまった女性が殺される。リフトにぶらーんとぶら下がったまま…とくに普通のホラーシーンなんやけど、この女性はだれも見つけないから、延々と吊り下げられたまま。しかも、ほかの場面をはさんで何回も吊り下げられたショットが映る。なんか気の毒でな。だれか見つけてやれよ、友達がいなくなってるのに(笑)

Y木:最後は?

S原:殺人鬼が、除雪車で襲ってくる。しかも、全身黒ずくめの男の正体は、なんと一緒にスキー場に行った女友達でした。一応、これどんでん返しね。

Y木:全然驚かへん。

S原:さあ生き残ったヤングたちが行きどまりに追いつめられる。除雪車が迫ってくる!危ない!というのがクライマックスやな。もちろん当然、殺人鬼が除雪車に巻き込まれて、赤い雪が一面にブシャー!

Y木:悪趣味やなあ。

S原:ラストシーンは、すごいたくさんの人が死んでるのに、生き残ったら男女が「さあ、帰りましょ♡」って感じで、にこやかに帰宅しておしまい。すごく清々しいで(笑)

Y木:なんかひどいな。

S原:まあそういう映画やったよ。さーみなさま。いかにもB級ですが、パッケージ詐欺を除けばまあまあです。首が飛ぶ場面や、スキーやスノボが好きで、女性の下着が大好きなあなた!あなたのための映画ですよ!中古店で見かけたら、ゲット、プリーズ!