S原:さあ、今回から(たぶん)ほとんど誰も知らない狼映画をとりあげますよ~!
Y木:うわー、なんやんねん、これ。
(あらすじ)
カイルは学校の研究課題と偽り、気になっている同級生のジェスを誘いかつて"天国"と呼ばれた廃墟の町へと向かった。ジェスの他にロブとベンが加わり4人になったメンバーは、難なく目的の町に到着する。しかしそこは無人でありながら、異様な気配に包まれていた。やがて町の調査を進めていると、ベンが狼に襲われ重傷を負ってしまう。急いで引き返すカイル達だったが、乗って来た車も狼によって壊されてしまい、4人はその町に閉じ込められてしまうのだった・・・
Y木:これ、ヒッチコックの「鳥」と同じやろ。しょーもなさそうやなあ……
S原:うん。しょーもなかったで。テヘッ♡
Y木:ハッキリ言うなよ。
S原:これは失敗作やなあ。この映画では、狼が街を支配しているのが怖いわけやろ?
Y木:まあな。
S原:この映画にでてくる狼たちはな……
Y木:なんやねん。
S原:……かわいいねん。
Y木:あかんやん。コメディか。
S原:いやいや、作った本人たちはマジやで?「どや?狼が怖いやろ?」「ビビった?なあ、ビビったやろ?」というドヤ顔が目に浮かぶけど、こっちは苦笑するしかないという。
Y木:ストーリーは……って、上のあらすじ、そのまんまか(苦笑)
S原:その通り。若者4人が、狼たちが支配(?)する地域(昔に金鉱があった場所、いまは廃墟)に、ドライブで立ち寄ります。そこで狼に囲まれます。
Y木:車で逃げればええやん。
S原:いや、狼たちが車のエンジンの配線を切ります。
Y木:えらい賢いな。携帯電話で救援を呼べば?
S原:狼たちが携帯電話を隠します。
Y木:えらい賢いな……って、その設定は無理があるやろ。
S原:で、可愛らしくて愛くるしい狼(犬に近い狼)がウロウロします。たまに立ち上がりますが、チンチンしてるようにしか見えない姿に「ガルルルル~!」って音声をかぶせる演出はなかなかシュールです。
Y木:はあ(ため息)まあ、狼が怖くないのは分かったけど。
S原:もっとダメなのが人間側の描写です。主人公、その友達、女性、女性の恋人の4人組が出てくるんやけどな。主人公は、女性のことを気に入ってドライブに誘うけど、なぜか女性の彼氏も一緒に来るわけよ。
Y木:ほう。
S原:そういう設定なら、女性の彼氏が性格が悪いとか、主人公を目の敵にするとか、女性に対してDVをしているとか、そういうのがいるやん。
Y木:主人公に感情移入させるような要素ってことやな。
S原:そうそう。でも、この映画は一味違う。女性の恋人はわりと普通やねん。狼に囲まれてからも、結構まともなことを言うのよ。
Y木:じゃあ主人公は?
S原:超ヘタレやった(笑)なんかもう、ウジウジしててな。お金持ちでないスネ夫みたいな感じやねん。狼たちに囲まれてもオドオドしてるだけ。それをみて友達はイライラするし、女性は恋人とイチャイチャするし、その間に優しい雰囲気の狼犬がのんびりと歩くし……
Y木:最後は?いや別に言わんでもええけど。
S原:ダイナマイトで狼を犬をドカーン!
Y木:……可哀そうに。
S原:と見せかけて、ソロ~っと逃げます。しかも狼犬に説教するしな。「これ(ダイナマイト)がなんだかわかるだろ?」「皆殺しにしたくないんだ」「町を取り戻したいだけだ」
Y木:それで狼犬はどうするの?
S原:「しゃーないなあ」って感じで、どこかに言っておしまい。おいおい、観ているこっちが「しゃーないなあ」って言いたいわ!
Y木:わけがわからんけど。
S原:まあ、狼犬好きにはええと思うけど、動物サスペンス(パニック)映画としてはダメやったわ。というわけで、今回の映画はおススメできません。あーそうそう。この監督(ジョン・レベル)は他の映画も撮ってるねんけどな。
Y木:どんな映画?
S原:「グリズリー2010」(2009)。
S原:観た方がええやろか?
Y木:………(無言)
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(おまけ)
犬好きの方はこちら!ほとんど同じ話です。
talksessionyands.hatenablog.com