あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

「寄生体XXX」(2018)の巻

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S原:今回は、久しぶりにこんな感じの映画!

Y木:「宇宙で最も凶悪で孤独な侵略者」か。大仰なキャッチコピーやな。

 

(あらすじ)

宇宙で最も凶悪かつ、《美しき侵略者(パラサイト)》
街中で次々と姿を消す人間たち。彼らは消える直前、人の形をしたある“生き物"に接触していた。その正体は、人間ではなく自ら生きるために、命も記憶も全てを乗っ取る謎の“地球外生命体"だった。
“生き物"は一定時間を過ぎると体が腐り始めてしまうので、次々と人間を乗っ取り、使い捨てる。慈悲のかけらもない冷酷なモンスターだったが、ある男を乗っ取ったことで、その妻を愛し始める。
男の妻を愛する気持ちは“生き物"の中に残り続けているのだ。“生き物"は、彼女の周りの人間を乗っ取りながら、彼女に近づいていくが・・・。

 

S原:これ、上のあらすじは、実際に内容とちょっと違うねん。

Y木:また、あらすじ詐欺?

S原:詐欺とまでは言わんけど、かなり印象が違う。詐欺で言えば、ジャケットデザインのほうが詐欺かもしれん。

Y木:背中からビヨーンって、なんかが出てくるんやろ?

S原:いや、出てきません。というか、こういう場面自体ありませぬ。

Y木:えー、またそんな映画?

S原:「スピーシーズ」シリーズみたいなデザインにして、宣伝したかったんやろうけど、逆効果やと思うなあ。だって、この映画は地味と言うか、変わり種のSFサスペンスやもん。スピーシーズみたいに、美女系エイリアンが襲ってくるという話でないねん。そもそも、「宇宙で最も凶悪で孤独な侵略者」じゃないから(笑)なので、そういう映画を期待した人はガッカリするし、もともと変化球SFが好きな人は(ジャケットをみて)スルーしてしまうという。

Y木:どんな話?

S原:この映画にでてくるエイリアンは人間に擬態してるねん。そいつが、人間に触れるだけでその人間の命を奪って、姿形をコピーしてしまう。記憶もそのまま引き継ぐらしい。らしい、というのはこのへんは演出が上手くなくて、よくわからんかったから。で、ときにはオジサンになったり、女性になったりします。映画が始ってしばらくは、この繰り返しだけ。なのでちょっと退屈します。

 

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Y木:さっき「変わり種SF」って言ってたのは、どういうところ?

S原:普通、エイリアンものって「襲われる側」が主役やろ?

Y木:そうやな。

S原:この映画では「襲う側」つまりエイリアンが主役やねん。なので、エイリアンがナレーションで、自分の心情を語ります。

Y木:「ああ、人間が食べたい」とか?(笑)

S原:もっとシリアスやねん。「体が腐敗してきた」「早く次の体を探さねば」とか。

Y木:あーそういうことか。

S原:だからといって、面白いかと言われれば返答に困るねんけどな。一応、監督の意図としては「異端者の哀しみ」とか「異生物として生きていく寂しさ」とかを意識してるみたい。

Y木:えー大真面目やん。

S原:マジやで。ダンプ松本は昔CMで「マジだぜ!」って言ってたけど、あれと一緒です。

Y木:なんやよくわからん。ダンプ松本なんかどうでもええから、映画の続きの話をしてくれ。

S原:このエイリアンは、ある女性(ジュリア)を好きになるねん。その女性は、よくバーのカウンターでお酒を飲んでいます。エイリアンは、時間が来たら体が腐敗していくから、別の人間を殺して擬態しないといけない。でも、ジュリアのことは好きやから、別の容姿になっても毎回ジュリアに口説きに行きます。

Y木:なんかコメディみたいやな。

S原:さっきも言ったけど、本当にシリアスな雰囲気です。見どころは、エイリアンが殺したあとに、体の成分(?)を抜き取ったみたいに皺だらけになった死体やな。このへんは、ちょっと80年代っぽくて良かった。

Y木:あー「スペースバンパイア」(1985)みたいな?

S原:そうそう。「バタリアン」(1985)とか。懐かしい感じやな。

Y木:最後はどうなるの?

S原:結局、ジュリアと相思相愛になることに成功する。でも、やっぱり体の腐敗は止められないから、ジュリアに正直に話します。で、このあとに軽くどんでん返しがあって、おしまい。

Y木:どんでん返しって?

S原:一応、伏せておきます。これは、好きは人はハマるはずやねん。なので内緒。

Y木:じゃあ、今回はおススメ?

S原:B級ホラーを観たい人はパスしてください。ちょっと暗めのSFスリラーが好きな人には、おススメです。

Y木:ただ、このジャケットではなあ。観る人が限定されてしまうと言うか。

S原:そこが残念。さあ、みなさん。「意外にイケる映画」に、あとちょっと届かない感じの出来ですが、雰囲気はなかなかのものです。こういう映画なら、日本でも作れそうなんですけど、どうでしょうか。というわけで、変化球SFが好きな人は、レンタルしてくださいませ~!