S原:今回は楳図かずお!
Y木:うひょー、楳図かずおか。
(あらすじ)
孤児院で暮らしていた小百合が南条家に引き取られた。だがその家には、姿を隠しているもう一人の少女が居た。やがて小百合は、不気味な白髪の女に命を狙われる……。楳図かずお原作の怪奇マンガを映像化。
S原:結論から言うと、これは楽しい映画やった。
Y木:ホラー?
S原:というか、恐怖映画、お化け屋敷映画やな。
Y木:どうなん?怖いの?
S原:全然怖くないです。DVD特典で楳図かずおのイラストも収録されてるけど、そっちのほうが怖いで。
Y木:あーあの絵は怖いよな(笑)で、蛇娘に襲われる映画なんやな。
S原:ほんまにそれだけやねん。主人公は小百合という少女。孤児院にいるけど、生き別れの両親の家に戻ることになります。父親が迎えに来てくれるんやけど、その車の中で「きみの母親の心の調子が良くない。それを分かってほしい」と言われます。お手伝いさんががいるような立派な屋敷やねん。母親は歓迎してくれるけど「あーあなたはタマミね」と言ったりして、やっぱり様子がおかしいのよ。
Y木:ほう。それで?
S原:暮らし始めてすぐ父親が仕事で半月ほど不在になる。この父親だけは普通やったんやけどな。いなくなって、屋敷には母親はじめ変な奴らばかりがいることになる。そこで少女は、屋根裏部屋にタマミという少女がいることを発見する。それは姉である、と母親に説明されて、仲良くしようとするけど…
Y木:ああ、その姉が「蛇娘」なんやな。
S原:そうそう。タマミは、カエルの図鑑をみて舌なめずりしたり、背中にウロコがあったり、そういうのを主人公が発見して気味が悪いと思う。で、ついにタマミが主人公を襲う…こういう感じです。
Y木:ほんまにお化け屋敷やな。
S原:1968年という時代もあるけど、どうやろ。公開当時でも、レトロ調のホラー映画と感じたんとちゃうかな。
Y木:「楳図かずお風味」はどうなん?
S原:やっぱり楳図かずおの恐怖漫画の実写化って難しいで。あの独特の歪んだ絵が怖いやろ。普通の場面でのほうが、むしろ怖いやん。そういうのが映像になると、やっぱりお化け屋敷になるんやろうな。
Y木:観てないからよく分かんけど、作ってる方も割り切ってるんとちゃうの?
S原:たぶんそうやと思う。ちゃんと起承転結もあるし、のんびりムードで楽しむにはピッタリやと思う。あーそうそう、特典映像でみうらじゅんが解説してるねんけど、面白いで。「タランティーノが発掘する前に、みんなでこれを再評価しよう」って。あとは「運転手役で楳図かずおがでてくるけど、それが気味悪い」って(笑)。たしかに普通の格好なんやけど、すごい奇妙やねんなー。
Y木:相変わらず、みらじゅんって感じやな。まあ、いまの映画とは違う感じやな。
S原:全然違います。それを楽しめるかどうかやけど、映画好きのヤングたちも新鮮に感じるはず。というわけで、今回はおススメです。こういうのは配信しないでしょうから、機会があればぜひ観てくださいませ。みんなでワイワイいいながら観るのもアリですよ~。