あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

1960年代の邦画を観てみる!「蛇娘と白髪魔」(1968)の巻

蛇娘と白髪魔 [レンタル落ち]

S原:今回は楳図かずお

Y木:うひょー、楳図かずおか。

(あらすじ)

孤児院で暮らしていた小百合が南条家に引き取られた。だがその家には、姿を隠しているもう一人の少女が居た。やがて小百合は、不気味な白髪の女に命を狙われる……。楳図かずお原作の怪奇マンガを映像化。

 

S原:結論から言うと、これは楽しい映画やった。

Y木:ホラー?

S原:というか、恐怖映画、お化け屋敷映画やな。

Y木:どうなん?怖いの?

S原:全然怖くないです。DVD特典で楳図かずおのイラストも収録されてるけど、そっちのほうが怖いで。

Y木:あーあの絵は怖いよな(笑)で、蛇娘に襲われる映画なんやな。

S原:ほんまにそれだけやねん。主人公は小百合という少女。孤児院にいるけど、生き別れの両親の家に戻ることになります。父親が迎えに来てくれるんやけど、その車の中で「きみの母親の心の調子が良くない。それを分かってほしい」と言われます。お手伝いさんががいるような立派な屋敷やねん。母親は歓迎してくれるけど「あーあなたはタマミね」と言ったりして、やっぱり様子がおかしいのよ。

Y木:ほう。それで?

S原:暮らし始めてすぐ父親が仕事で半月ほど不在になる。この父親だけは普通やったんやけどな。いなくなって、屋敷には母親はじめ変な奴らばかりがいることになる。そこで少女は、屋根裏部屋にタマミという少女がいることを発見する。それは姉である、と母親に説明されて、仲良くしようとするけど…

Y木:ああ、その姉が「蛇娘」なんやな。

S原:そうそう。タマミは、カエルの図鑑をみて舌なめずりしたり、背中にウロコがあったり、そういうのを主人公が発見して気味が悪いと思う。で、ついにタマミが主人公を襲う…こういう感じです。

Y木:ほんまにお化け屋敷やな。

S原:1968年という時代もあるけど、どうやろ。公開当時でも、レトロ調のホラー映画と感じたんとちゃうかな。

Y木:「楳図かずお風味」はどうなん?

S原:やっぱり楳図かずおの恐怖漫画の実写化って難しいで。あの独特の歪んだ絵が怖いやろ。普通の場面でのほうが、むしろ怖いやん。そういうのが映像になると、やっぱりお化け屋敷になるんやろうな。

Y木:観てないからよく分かんけど、作ってる方も割り切ってるんとちゃうの?

S原:たぶんそうやと思う。ちゃんと起承転結もあるし、のんびりムードで楽しむにはピッタリやと思う。あーそうそう、特典映像でみうらじゅんが解説してるねんけど、面白いで。「タランティーノが発掘する前に、みんなでこれを再評価しよう」って。あとは「運転手役で楳図かずおがでてくるけど、それが気味悪い」って(笑)。たしかに普通の格好なんやけど、すごい奇妙やねんなー。

Y木:相変わらず、みらじゅんって感じやな。まあ、いまの映画とは違う感じやな。

S原:全然違います。それを楽しめるかどうかやけど、映画好きのヤングたちも新鮮に感じるはず。というわけで、今回はおススメです。こういうのは配信しないでしょうから、機会があればぜひ観てくださいませ。みんなでワイワイいいながら観るのもアリですよ~。