あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

「セブンD」(2000)の巻

 

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S原:今回はこれ。ドイツ産ですが、舞台はたぶんアメリカのホラーです。

Y木:「セブン」(1995)のバッタもん?

(あらすじ)

売れない小説家マーティンは、最愛の息子を事故で亡くした悲しみを少しでも癒そうと、気分転換に妻エレンとともに寂村クロートンの古びた洋館に移り住む。ところが突如エレンに対し死を宣告するメッセージが届く。“おまえの命は、あと7日”。息子の死のショックが原因だと、まったく取り合わないマーティン。だがその日から、死ヘの時を刻むカウントダウンが始まった……。人里離れた沼地のほとりの屋敷に移り住んだ小説家とその妻が体験する戦慄の恐怖を描いたホラー。

 

S原:これ、なぜか画面が一回り小さいねん。なんでやろ?

Y木:知らんわ。おまえのテレビ画面の設定がおかしんやろ。

S原:そうなんかなー。他の人の意見を聞きたいわー。それはともかく、この映画は「セブン」のパクリ映画ではありません。それどころか、意外に良くできた映画やった。雰囲気がすごく良い。最後まで、心折れずにちゃんと観れます。

Y木:普通の映画は、最後まで観れるんやって。

S原:いやーZ級映画を観るのは大変ですからねえ、忍耐力との勝負というか。しかも、誰に頼まれたわけでもないのに、このブログ(ファン)のために延々と観てるねんで!

Y木:ファンなんかおらんわ。

S原:あーそうそう、このまえ娘(中学生)に、初めてこのブログをみせたのよ。

Y木:へー!どんな感想やった?

S原:「字が多すぎて、最後まで読む気になれない」って。

Y木:……結構、ハッキリ言うのね。

S原:ほかに「関西弁が痛い。そもそも読みにくい」「内容がない」って。あと「単純に、キモイ」って。ほっとけや!

Y木:(苦笑)そんなことはええとして、映画の話をしてくれ。

S原:さっきも言ったけど、なかなか面白い。ただ新鮮味はないねん。いろんな映画の寄せ集めというか。

Y木:上のあらすじを読むと、「悪魔の棲む家」(1979)とかあるやん。あんな感じやろ?

S原:そうそう。田舎の一軒家に引っ越した夫婦が主人公。この夫婦は息子を事故で失くしてるねん。夫はベストラーを生んだ作家やけど、ここ2冊は駄作で売れ行きも悪く落ち込んでいる。都会ではなく静かなところで、心の平穏を取り戻したいわけやな。

Y木:なるほど。

S原:この屋敷の外観とかロケが、かなり良いのよ。引っ越した後、妻はことあるごとに「おまえの命は、あと〇日」っていうメッセージを受け取ります。

Y木:メッセージ?

S原:最初は風呂場の鏡に「7」ってでてる。次は道路標識に「おまえの命はあと6日」って書かれているのを見つけます。え?と思って後で見返すと「6t」という道路標識になっている。次は、ラジオのDJが突然「おまえの命は、あと5日だぞ、わかってるのか?」と一瞬だけ語る。妻はだんだんと気味悪くなっていく。

Y木:それで?

S原:一方、夫の様子がどんどんおかしくなっていきます。妻はこの屋敷に原因があるのではないかと考えて、近くに住む人に話を聞いたり、前に住んでいた住人を探します。そうこうしているうちに、ついに夫が霊に取りつかれます。おかしくなって妻を襲います。ここは「シャイニング」(1980)によく似ています。近くに住む優しいオジサンが心配して駆けつけて助けてくれます。ラストは屋敷が地下に沈み込んでいきます。ここは見応えがあったけど、「ポルターガイスト」(1982)とそっくりです。

Y木:夫婦がおかしくなる原因は、結局は悪霊ってこと?

S原:みたいなもんやな。ネタバレやけど、20年以上前に起きた事件と、この屋敷が建っていた場所(湿地)が墓地だったことが原因です。

Y木:種を明かせば地味やな。

S原:うん。これは怖ーい雰囲気を楽しむ映画やと思う。観ていて「夫がすべて仕組んでいた」「じつは夫が犯人」というB級映画ならではのどんでん返しになるかとヒヤヒヤしたけど、それもなくてよかったわ。

Y木:でも、やっぱりB級でしょ。普通の人はスルーするんとちゃう?

S原:かもな。でも、この映画なら普段映画を観ていない人も大丈夫やと思う。ただなー、「子供が亡くなった夫婦」という設定は、作りものやとわかっていても気分は重いです。

Y木:なるほど。今回は突っ込みポイントも少ない映画やったのね。

S原:さあー、みなさま。この映画は久しぶりに普通の映画です。面白いか?と言われれば、「そうですねえ、まあまあですねえ」としか言えませんが、ホラー初心者にはちょうどいい怖さかも、です。みなさんも田舎の一軒家を買うときは、その土地が墓地だったかどうかを確認してくださいね~!