あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

「戦慄迷宮」(2009)「戦慄迷宮 MAX」(2015)

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映画 『お化け屋敷列伝/戦慄迷宮MAX』 [DVD]

S原:さあ、今回は二本立て!

Y木:あーいかにも、Jホラーって感じやな。 

 

「戦慄迷宮」のあらすじ

“飛び出すスリル!見破れないトリック!遊園地に隠された衝撃の真相”  

ある遊園地の巨大なお化け屋敷で行方不明になった少女が、10年後突然帰ってきた。かつての友達だった4人は、おびえながらも迎え入れるが、彼女は突然発作を起こす。5人は病院へと向かうが、辿りついた普通の病院は、次第に姿を変えはじめ、まるで迷宮のような不気味な空間に変貌! 閉じ込められた5人は10年前の事件の【真実】を身を持って体感する。深夜2時29分、驚愕の一夜に目撃する“少女”の隠された【正体】は?

 

「戦慄迷宮 MAX」のあらすじ

「怖いお化け屋敷ランキング」で1位を独占している富士急ハイランドの「戦慄迷宮」を体感できる新感覚ホラー。お蔵入りとなった演出を復活させた恐怖度MAX版に、アイドルグループ・LinQの3人とKIKKUN-MK-2が挑戦。

 

S原:「戦慄迷宮」から話すわ。結論から言うと、大したことなかった。劇場公開時は3Dやったらしい。

Y木:へえ、立体映画か。

S原:これは出来れば3Dで劇場で観たかったわ。たぶん、3Dを意識した演出をしているし、印象がかなり変わったと思う。

Y木:お化け屋敷系の映画やろ?

S原:そのまんま、舞台がお化け屋敷です。あらすじは簡単やねん。子供の頃に、無人のお化け屋敷に入ってまま出てこなかった友人(女子)がいる。その友人たちがまたお化け屋敷に行って、過去の『事件』の真相を知るという話。

Y木:要するにお化け屋敷の雰囲気を、そのまま映画としての怖さに利用しようとするわけやな。

S原:うん。これ、実際に富士急ハイランドにあるアトラクション「戦慄迷宮」が舞台。世界最大のお化け屋敷としてギネスブックに登録されたらしい。

Y木:あー広いお化け屋敷か。それは映画に使いたくなるやろうな。

S原:主人公(柳楽優弥)たちは、子供時代、お化け屋敷に友人を置いていったしまったというトラウマがある。大人になって再訪したお化け屋敷のなかで、自分たちの子供時代の姿をみる。幻覚なのか自分たちの記憶の再生なのかわからない。やがて、お化け屋敷の中で過去に何があったのか真相を知る…という流れやな。

Y木:ふーん。雰囲気重視の映画とちゃうの?

S原:そうそう。でも、意外とゴタゴタしてるねん。

Y木:ゴタゴタ?

S原:まっすぐに盛り上がらないねん。だからもっと怖くなるはずの場面が、意外と怖くない。さっきも言ったけど、あらすじは単純なはずやねん。なのに、どうもわかりにくいねんなあ。キャラクターの性格もはっきりしないから、ただ大人が戸惑ったり怖がったりしているだけにみえてしまう。

Y木:お化け屋敷の内部と言うか、そこはたっぷりと観れるんとちゃうの?

S原:まあな。でも、興味のない人には別にどこのお化け屋敷でも一緒やろ?(苦笑)

Y木:それを言ったらおしまいやろ。

S原:まあ、せっかくのお化け屋敷の雰囲気もあまり生かせてなかったかな。最後の方でアトラクション(客を怖がらせる人形が動くとか)を利用しているけど、全体的には薄味やった。というか、お化け屋敷って暗いやろ?

Y木:そりゃな。

S原:画面がよく見えないねん(笑)

Y木:なんやねん、それ。いかにも、ジャパニーズ・ホラーならではの演出はないの?

S原:あるある。若い女性が、白目をむいたり、黒めになったり、首がカクってなって主人公に近づいたり…

Y木:いかにもやな。

S原:でも、小学生くらいなら気味悪く、怖く感じるんとちゃうかな。あ!面白い場面もあるよ。かわいいウサギのぬいぐるみがスーッと飛んできます。ぬいぐるみのジッパーが開いて、女性の顔がぬーっとでてくる。ここは面白かった。人によって失笑してしまうか、ウワッと思うかどっちかやろうな。こういうハッタリ演出が、もっと欲しかった。

Y木:ラストは?

S原:結局、主人公が「自分が死なせてしまった」という自責の念から、(復讐のため?)お化け屋敷で友人たちを殺してたのよ。それも本人に自覚はない。でも実際は、行方不明になった女児は意識不明なまま今でも生きていた…というオチやな。

Y木:なるほどな。

S原:ところどころは面白いけど、やっぱり不自然な展開が多くて映画としては楽しめない。全体としてはイマイチやったかな。それよりも、あなた!

Y木:なんやねん、大きな声をだして。

S原: 問題は「戦慄迷宮 MAX」のほうやねんって!

Y木:は?

S原:だって、これ……映画でもなんでもないもん…

Y木:なんやそれ。

S原:ほんまに、遊園地のお化け屋敷にはいるだけやねんで!

Y木:ドキュメント風のホラーか。

S原:ちゃうねん、ちゃうねん。ほんまにお化け屋敷でキャーキャーいうのを写してるだけやねん。途中から、疑似ホラーとかの展開があると思ったら、ほんまに入場者がビビったり怖がったりしてるだけやった……

Y木:うわーそんなDVDがあるんや。というか、これは、アトラクションの紹介DVDちゃうの?

S原:そうなんやろか。どういう目的で作ったのか知らんけど、80分あるねんで。ほんまに苦痛やで(苦笑)いままでのトップクラスかもしれん。あなた、夜の繁華街で、イエーイとか盛り上がっている男女を80分間観ておもろいと思う?

Y木:思わん。

S原:夜中にジョギングしている外国人を80分間みて、楽しいと思う?

Y木:思わん。

S原:誰も観たがらない、しかも暗くてよく見えないお化け屋敷内部の映像が延々と続く。暗くてザラザラの画面に「キャー!」とか「うわっ!」とか「マジ!?」とか「ヤバいって!」とか声が聞こえるだけ……「時計仕掛けのオレンジ」(1972)のアレックスの気分やったわ。

Y木:そんなに苦痛やったら観るのをやめろよ。

S原:いやー、途中からもう麻痺してしまってな…(苦笑)もう、面白いのかどうか自分でも判断が出来ないようになってしまった。これは一種のドラッグやろな。それぐらいのDVDやった。感心するのは、そんなDVDでもちゃんとレビューしている人が世の中におるってことやな。もちろん、全員ボロクソやけど(笑)

Y木:お前みたいな人が、ほかにもおるんやな。よかったやん、友達がいて(笑)

S原:サンキューね。さーみなさん、2本ともイマイチですが、まあ10年後には誰も語らない消えていく映画ですよ。この世から消えていくだろう作品を、救い上げるのはあなた、あなたですよ!お小遣いに余裕があるときに、ゲット、プリーズ!いや、そのお金があるなら菓子パンを買ったほうがええかな。

Y木:……なんで菓子パン?