S原:今回はこちら! ジャケットデザインが、ダサかっこいいです!
Y木:魔女の呪いから生れし復讐のゾンビって、ストーリーを説明してるやん。
(あらすじ)
三人組の男に飼っていた猫を殺された魔女のアビゲイルは激しい怒りに駆り立てられていた。魔術で自らを絶世の美女に変身すると、男たちに近づいて肉体関係を持ち、彼らの精子を手に入れていた。アビゲイルはその精子を使い、ゾンビを錬成して男たちに復讐を始めるのだった。
S原:これ、ほんまにストーリーはタイトルのまんまやねん。
Y木:ふーん。なんか、あんまり面白くなさそう。
S原:いや、普通やったよ。
Y木:へえ、でも観る気せえへんなあ。
S原:もちろん普段映画を観ていない人にはおススメできません。でも、こういうB級/Z級映画の中ではちゃんと観れるほうやと思うで。主人公は男性3人です。近くに魔女がいるという噂を聞いて、その家の近くに行く肝試しをするところからスタート。
Y木:肝試しって。高校生くらいの男子か?
S原:いや、小汚い大人の男やった。まあ、頭の悪い感じがムンムンでな。アメリカ人って頭が良くない奴らが、国民の97%を占めてるやん?
Y木:どんな偏見やねん。
S原:いや、マジやで。だって、アメリカ旅行で、普通に道を歩いてたら、「ワオ!ナイスなTシャツだな、ミスター!」って話しかけてくるねんで。
Y木:さすがに明るい国やな。どんなTシャツやったの?
S原:長州力のTシャツやねんけどな。
Y木:おまえ、アメリカで長州力のTシャツを着る意味ないやろ。
S原:で、話しかけた奴に「いいだろ? いまの総理大臣の息子なんだ」ってアメリカンジョークで返したら爆笑してた。そのあと、「タクシーを使うんなら、おれの車で送るよ。〇〇ドルでどう?」って。
Y木:営業されてるだけやないか。
S原:まあ、そういう国やった(笑) で、この映画では、そういうノリのアメリカンな男たちが主人公でな。ある日、バーでダラダラ飲んでると、汚い猫背の男がやってきます。ミルクを頼んで、皿をぺろぺろなめるのを見て、からかった上にバーから追い出してしまう。そしたら、老婆が登場して、いきなり3人に対して粉をふりかけます。「私の可愛いあの子を痛めつけた仕返しだよ!」
Y木:粉?
S原:実はこの老婆は、はじめに肝試しに行った屋敷に住む魔女やねん。さっきミルクを飲んでた男は、この魔女の飼い猫やねん。猫が人間に化けてバーに飲みに来てた、と。
Y木:ほう。
S原:その後、謎の粉末を浴びた3人は、めまいや高熱に苦しみます。皮膚もボロボロになります。あーこの3人がゾンビになるんかな、と思ってると、病気は治ります。で、「くそ~あの魔女にやり返さないと気が済まねえ!」となります。
Y木:それで?
S原:なぜか自分たちでは屋敷に行かず、街のチンピラに窓ガラスを割ってきてくれ!と頼みます。
Y木:窓ガラス……なんかしょぼくない?
S原:まあ、頭が悪いからしゃーないよな。アメリカ人やし(笑) で、そのチンピラが勢い余って、魔女の飼い猫を殺します。しかも、鍋に入れて煮るねんで? 当然、魔女は怒ります。「この恨み、晴らさでおくべきか~!」
Y木:それは、藤子・A・不二雄先生やがな。
S原:魔女は魔法水のはいったお風呂に入ってボインの美女に変身します。早速、バーに行って、3人を誘ってチョメチョメします。
Y木:え? なんでチョメチョメするの?
S原:ゾンビを作るのに、精液がいるらしい。
Y木:あ、そう。
S原:そのあと、なぜか精液をカボチャにいれて、ゾンビを作ります。魔女は、ゾンビたちを使って3人に復讐していく……という話です。
Y木:まあ……知性を感じる映画ではないよな……
S原:まあ、のんびり観る分には良いよ。できれば心に余裕がないときには観ないでほしいです。
Y木:ゾンビはどうやったの? そこが見どころやろ?
S原:特には……小汚いゾンビやった。
Y木:ゾンビはたいてい小汚いんちゃうの?
S原:イエース、ザッツライ! 正解だぜ、ブラザー、今日のプロムはおまえが主役さ!
Y木:プロムなんか行くか。何歳やと思ってるねん。
S原:あと、みなさんに注意しておくと、パッケージには90分と書いてますが、72分しかありません。
Y木:また誤表記か。
S原:いーえ、違うのです。特典映像で、18分間のスライドショーがあるのですよ。れを足した時間です。親切ですね。
Y木:スライドショー?
S原:スタッフがゾンビを作ってる写真や、キャストが記念撮影している写真などがたっぷりです。解説もなく、無言で次々と意味のない写真を見せられる18分間を、ユーは経験したことがありますか?
Y木:そんな経験したこともないし、これからもしたくない。
S原:オネスティなアンサーをありがとう。というわけで、なかなか楽しい映画でした。あー言い忘れた!
Y木:なんやねん。
S原:呪いにかけられたら、なぜか頭に植木が生えるねんけどな。
Y木:植木?
S原:植木になった人間たちが、詩を話すねん。
Y木:詩?
S原:「死んで体が腐っていく感覚を知っているか」「腐敗臭がして 服はボロボロ」「皮膚が黒くなって柔らかくなる」「クリームみたいな液体が毛穴から出てくる」「体が腐っていくのは耐えられない」「こんな気分を味わうのは もうたくさんだ」って、延々と繰り返す(笑)
Y木:……なんやよくわからんけど。
S原:この場面はマジで最高やった。個人的には、スピルバーグの「ウエスト・サイド・ストーリー」の歌の場面よりも上やと思うで。
Y木:……(無言)
(海外版もダサ格好いいです)