あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

「ドローン」(2019)の巻

ドローン [DVD]

S原:さあ、今回はなんと!ドローンが襲ってきますよ~!

Y木:またこんなのか。しかしB級映画のネタはつきへんなあ。

(あらすじ)

新居で満ち足りた日々を送る新婚夫婦・レイチェルとクリス。ある日、夫のクリスが放置されたドローンを拾って来るが、それ以来、家ではおかしなことが起こるようになる。

 

Y木:ドローンが襲ってくる………別に怖くないやん。

S原:え?

Y木:別に怖くないやん。襲ってきたら、壊せばええやん。

S原:ええええ、なんだって?

Y木:だから!ドローンが襲ってきたら、壊せば済む話やろって。

S原:アタ!

Y木:は?

S原:アタアタアタアタアタ!当たり前のことを言うんじゃねえーー!

Y木:やかましいわ!ダジャレやないか。

S原:はあ(ため息)あなたは、わかっていない。

Y木:なにが?

S原:こういう映画を観るときは、そういう突っ込みはタブーなの、タブー!

Y木:なんでタブーやねん、おかしいやろ。

S原:あなた、「スター・ウォーズ」(1977)、知ってるよね?

Y木:知ってるわ。

S原:あんなん、ウソやん。デス・スターとかXウイングとかもウソやん。

Y木:いや、それは世界観の話やがな。

S原:「バック・トゥ・ザ・フューチャー」(1985)も「トロン」(1982)もウソやん。でも、だれも突っ込まへんやん。それと一緒なの!

Y木:そういう問題じゃないやろ。まあええわ。そこまで言うなら、この映画は意外に面白いんやな?

S原:いいえ。面白くないです。

Y木:……おまえなー。

S原:いや正確に言うと「面白くないけど楽しい映画」やねん。話は単純でな。要するに「チャイルド・プレイ」(1989)と同じやねん。

Y木:もしかして、殺人鬼が人形、じゃなくてドローンにのりうつるんか?

S原:イエース、さすがだぜ、ブラザー。今夜は最高。パーティーはおまえのもんさ。

Y木:パーティなんか行かへんわ。

S原:いやー久々に正統派なバカ映画を観たわ。主人公は新婚夫婦。ひょんなことから、夫がドローンを拾ってくる。そのドローンが実は…って、話はほんまにそれだけやねん。

Y木:一応、ドローンの頭が良いというか、人間の裏をかくようなそんな感じなんやろ?

S原:いやドローンは頭悪かったで。ただ、でてくる登場人物たちがもっと頭が悪いから、ちょうどいい勝負になるという。

Y木:低レベルな戦いやなあ。

S原:でてくるキャラもイマイチやけど、やっぱり設定がなー(苦笑)……あなたも言った通り、映画の初めから終わりまで「はよ、ドローンを壊せばええやん」って、突っ込み続けるという。あーそうそう、思い出した。ドローンがなぜかスケベで水着姿のお尻を盗撮するとか、近くで銃を撃ってもドローンがよけるとか、なんというんかな。映画がどうこうじゃなくて、すっごくシュールやねん(笑)

Y木:要するに頭の悪い映画やな。

S原:そのくせ、小汚いオッサンがトイレにはいる場面を丁寧に撮ってるねん。

Y木:それ、要る?

S原:立ち上がった時に、オッサンの肛門をドローンが攻撃してた。

Y木:あーそれがしたかったんや(笑)そこまでいけば、面白いかも…という気がしてきたわ。要するに、コメディなんやな。

S原:いや監督は大マジちゃうかな。だって、この監督(ジョーダン・ルービン)の前作は、「ゾンビーバー」(2014)やもん。これ、可愛いビーバーがゾンビ化して人を襲うというナイスな映画。でも、観てないねん。これ、中古DVDが高値でな。「ゾンビーバー」なんか、高い金をだしてみる映画ちゃうやろ?

Y木:いや高くても安くても、「ゾンビーバー」も「ドローン」も観ないけどな。

S原:あー思い出した!他にも面白い場面があるで。主人公が、太ったオッサンがドリルでお腹をグリグリされるねんけどな。オッサンが「痛すぎるー!」って(笑)

Y木:なんやよくわからん。そこから、映画はどうなるの?

S原:あー実は主人公夫妻の妻のほうの元カレが犯人やねん。要するに元カレの怨念(?)が、ドローンが動かしてたのよ。最後はええで~。ドローンが変形するねん!いやーこの場面はかっちょええで。「スペースサタン」(1980)みたいで。

Y木:あーあのロボットに変形するやつな。古いな、例えが。

S原:あと、途中からドローンがしゃべりだすねん。ドローンと人間が大真面目に話し合う場面もええで~。高橋よしひろの「銀牙 -流れ星 銀-」みたいで。

Y木:あー犬同士が会話するやつな。って、そのネタはいったい何人が分かるねん。もう面倒やから最後まで話して。結局、どうなるの?

S原:最後?あーこれも笑うで。主人公夫妻が、ドローンをやっつけるねん。ライターを放り投げたら、あっという間にドローンが燃えてたわ。「熱い~!」って(笑)で、ドローンが、何故か夫の眼に数字を映すと、なぜか夫は悪い男に乗り移られてしまいます。そして、夫が妻を襲います!

Y木:どうなるの?

S原:夫が悪い奴に乗っ取られたと、気付いた妻は、容赦なく夫を殺します!夫を2階から突き落とし、お腹に鉄の棒がグサリ~!ざまあみろって感じの妻。

Y木:うわ。

S原:最後に、正気に戻った夫が、妻を恨めしそうにみて「なんで、おれを殺したん?」って表情をして、おしまい。

Y木:……後味悪いわ。

S原:いやー久しぶりにZ級映画を堪能したわ。そういえば、BGMがええ感じやねん。

Y木:へえ。どんな感じ?

S原:ジョン・カーペンターみたいな感じ。

Y木:あかんがな。

S原:さあ、みなさま。これはもう頭を空っぽにして観てください。友達と観ると盛り上がること必至です。コメディなのか大マジメなのか意味不明な映画ですが、ちゃんと完成させた根性(だけ)は褒めましょう。B級映画ファン必見。ドローンファン必見。おじさんの尻フェチも必見。中古で安ければ買っても損はないと思います。あ、犬好きは観ないでね~!