S原:今回は「制服マシンガール」ですよ、あなた!
Y木:3本続けて不毛な世界やなあ……(ため息)
(あらすじ)
女子高生のさくらは、友達の叔父が経営するテーマパーク「サバイバルランド」へ遊びにいくことに。そこではリアルなシューティングゲームができ、敵役の男たちは攻撃してこないので初心者でも安心して楽しめるという。しかし人間をゾンビ化させる謎の植物が人間に寄生してしまい、敵役の男が暴走を始め……。
Y木:これはゾンビものやな。
S原:そうです。で、ゾンビ相手に制服の女子高生が暴れるというわけです。
Y木:なんかもう、こういうのってマニアの世界やなあ。
S原:まあ、予想されるよりもエッチな感じはないいよ。
Y木:あーパンチラとか?
S原:ありません。そこは良かった。やたらとスカートは短いけどな。
Y木:あれやろ。スケバン刑事とかああいう感じやろ。若い娘たちがアクションするみたいな。映画の出来はどうやったの?
S原:まあまあです。ストーリーが破綻しているとかは無いです。架空のテーマパーク「サバイバルランド」が舞台なんやけど、開業三か月前で誰もいないという設定は上手いと思う。無人でも不自然じゃないし、山奥だから誰も助けに来ないというわけよ。
Y木:どんな場所?
S原:鎌倉シネマワールドみたいな感じかな。
Y木:だれも行かなくて潰れたテーマパークを引き合いにだすなよ。
S原:要するに、時代劇風の屋敷が並んでいる場所で女子高生たちが大暴れする、こういうコンセプトは分かりやすくて良いです。
Y木:じゃあ、女子たちが大暴れするんや?
S原:いや、あんまり暴れなかった(笑)「片腕マシンガール」と「爆裂魔神少女バーストマシンガール」より、アクションはかなり落ちます。ただなあ、これはあんまり責める気持ちにならへんのよ。
Y木:なんで?
S原:だって、もう製作費がないのがヒシヒシと伝わるから……
Y木:そんなん言ったら「片腕マシンガール」だってお金かかってないやろ。
S原:そうなんやけど、さらに自主映画っぽいというか。ぼくらが学生の時に、散々観てきたあのノリなんやけどな。例えばゾンビが溶けていくとか、刀で体を斬るとか、腕からゾンビに感染していくとか、「あーこれがやりたかたんやろうなあ」という場面があるやん?
Y木:あるなー。でも、それでええんとちゃうの?監督が撮りたい場面があるのは普通やん。
S原:そうなんやけど、それを実現するお金がなさすぎて……
Y木:要するにチープなんやな。
S原:ズバリ言うとそうです。だから「低予算映画」というのに抵抗がない人は楽しめると思う。
Y木:映画全体は分かったけど、キャラとか女優たちはどうなん? グラビアアイドルかどうか知らんけど、可愛く撮れてないの?
S原:実は、ここが残念ポイントやねん。あんまり可愛く撮れていないです。個人的に一番残念なのは、登場人物たちの性格と立ち位置が分かりにくいことかな。仲良しグループでも敵対する集団でもええねんけど、それぞれもっと分かりやすくして欲しかった。そのへんがハッキリしないから、ぼんやりしたままゾンビと戦うことになる。女子高生たちがキャーキャー良いながら、ゾンビと戦うだけに見える。
Y木:そういう映画やん。
S原:やけど、やっぱり気分が上がる展開とか場面は要るやん。決めセリフでもええし、仲の良い友達を殺さないといけない、とかやっぱり欲しいで。
Y木:それもどうかな。ド定番やけど。
S原:こういう映画は定番でええねんって。でも、でてくる女子たちは魅力的に撮るのが前提条件やと思う。このへんは、シナリオ作りの段階で工夫して欲しかった。
Y木:でもなー。若い奴ならともかく、おまえみたなオッサンがこういう映画を真剣に語っているのを聞くと、寒気がするけどな。
S原:あーん、もう。意地悪なんだから!ツンツン!
Y木:キモイからやめてくれ、
S原:さあ、みなさん。「片腕マシンガール」よりもぶっ飛び具合は足りませんが、主演しているアイドル達(?)のファンなら楽しめます。手作り感満載なので、映画製作に興味がある人にもおススメです(これはイヤミではない)。セーラー服の女子たちが血まみれでアクションするのは日本独特の文化ですよ。こういう文化は守らねばなりませんよ。みんなで、こういう映画を応援しましょう~!
Y木:えー、嫌やなあ……