
S原:今回は久々にこんな感じのホラー!
Y木:血液を抜くって。悪趣味やなー……
(あらすじ)
スミス一家にひと晩の宿を求めたニックは、突然彼らに襲い掛かり、拘束して針を刺し、少しずつ血を抜き始める。「この家に罰を下す」と言う彼は、スミス一家の過去を暴いていく…。
S原:映画本編を話す前に、まずアメリカでのDVDパッケージをみてください。
Y木:はあ。
![映画|1800cc|The Bleeding House :: ホラーSHOX [呪]](https://th.bing.com/th/id/R.07b623229ea7e6fd55eb5158446bd49a?rik=FOnL4LaWRxHgww&riu=http%3a%2f%2fcurse.jp%2fimages%2fgallery%2f1059%2fbleeding-house-02.jpg&ehk=NpMh1PvZOQyyzIO9FPVnhh4WQxxNBj9zwwgf5wZJFnA%3d&risl=&pid=ImgRaw&r=0)
Y木:雰囲気がちょっと違うな。
S原:結論から言うと、日本版DVDのパッケージは全然映画の内容を表していません。
Y木:また詐欺か。
S原:というか、この女子はでてきません。
Y木:えー……
S原:というか、1800ccの話も出てきません。
Y木:えー……
S原:一応、血液を抜く場面はある。だけど、こういうタイトルでこういうパッケージなら、1800cc云々の場面を観たいわけやろ。
Y木:そりゃな。
S原:例えば、主人公の女子が括りつけられて、悪役に「知ってるか?」「なにをよ!」「ふふふ、人間の血液を1800cc抜くと、その人間は死ぬのさ」「なにを言ってるの!」「いまから、おまえの血液を抜いてやる。1800ccきっかりにな。ふふふ」「イヤー!」こういうやり取りを期待するやん?
Y木:ダサいやり取りやけど、まあ言わんとすることはわかる。
S原:でも、そういう場面もセリフもありません。
Y木:あーそう。面白くないってこと?
S原:ああ。やっぱ、血液を抜くホラーを期待すると肩すかしなんだわ。
Y木:なんで名古屋弁やねん。
S原:これ、かなり暗い映画やねん。
Y木:ああ、登場人物たちが陰湿?
S原:いや画面が暗いねん。
Y木:なんやねん、照明くらいケチるなよ。
S原:まあ登場人物たちも陰湿というか、変やったけど。
Y木:どういう話?
S原:まず、町はずれにかなり立派な屋敷があります。そこに一家4人(父、母、息子、娘)が住んでいます。どうも、町の人達からは嫌われているようです。
Y木:なんで?
S原:昔、母親が放火したから。母は不倫していて、不倫相手から別れを切り出されて、その家に火をつけた、と。
Y木:最悪やん。刑務所に入ってたの?
S原:夫が弁護士やから、実刑は免れたみたい。ただし、それが原因でいまは仕事がありません。母はデザイナー(造形作家?)らしいけどやっぱり仕事がない。息子は、そんな家族に悶々としていて、恋人に「違う場所でやり直しましょ」と言われるけど踏ん切りがつかない。
Y木:なんか陰気臭いな。
S原:もう映画全体がどんよりとした暗いムードに包まれています。気分が落ち込んだ時に、これを観てはいけません。
Y木:娘は?
S原:じつは娘が主人公やねん。これがプッツン娘でな。名前で呼ばれても返事しないけど、「なあ、ブラックバード」と呼ばれると返事をする。暗い顔で両親も何を考えているかわからない。
Y木:それで?
S原:そんな一家にひとりの男が訪ねてきます。全身真っ白スーツの男です。「車が故障して、一晩泊めてほしい」と。
Y木:そいつが殺人鬼やな。
S原:イエース。そこからは、その殺人鬼が陰湿に家族を虐めて殺していきます。
Y木:血液を抜く場面はあるのね?
S原:あります。両親の腕に注射器みたいなのを刺して血液をぬいていきます。

Y木:その両親を助けるために、息子と娘が必死で戦うんやな。
S原:いーえ、戦いません。そのまま、あっさりと両親は死にます。
Y木:あー……そう。
S原:息子は首チョンパで殺されます。娘は、兄の恋人と一緒に逃げますが、実はこの娘自身がサイコパスやねん。人気のないところで助けを求めたら、止まってくれた車の運転手を意味なく殺します。
Y木:……なにそれ。
S原:とにかく、娘の頭がおかしいから「なぜそうなるのか」「どういう目的か」という説明がないまま話はすすみます。娘はおそらく心の病気なので、観ている方はどう反応したらいいかわかりません。いろいろあって、警官が駆け付けたり(もちろん殺される)、じつは放火したのは娘じゃないか?という謎が展開されつつ、最後は娘が殺人鬼を殺して、どこかに消えておしまい。
Y木:なんか、いまいちやな。
S原:いまいちです。でも、これちゃんと暗い心理を扱ったホラーとして宣伝してれば印象も変わったはず……いやー一緒かなー。単純に面白くないし(苦笑)
Y木:今回はハズレね。
S原:さあみなさん、これはよほどのマニアのみおススメします。スプラッターは少しだけです。とにかく殺人鬼がひたすらネチネチと話す(不自然な説明セリフも含む)ことしか印象に残らない映画でした。見つけても、スルー、プリーズです~