あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

観た後に、誰かに話したくなる映画 10選!「バード・インフェルノ 死鳥菌」(2006)の巻

バード・インフェルノ 死鳥菌

S原:今回はなんともいえない気持ちになるこの映画!

Y木:感染パンデミック映画か。

(あらすじ)

鳥を媒介した突然変異のウィルスが中国で大発生した。伝染病の権威バーナック博士に報告が入るが、時既に遅く感染した男性が米国に入国していた…。感染は驚異的なスピードで全世界へと拡大する。成すすべもない米国政府を前に、人類滅亡へのカウントダウンが始まる。

 

S原:これはコロナがある前なら、普通のパニックB級映画に感じたと思う。でも、コロナ禍で世界中がメチャクチャになった後に観ると、なかなか辛いもんがある。

Y木:そうなんや。一応、鳥インフルエンザが題材やろ?

S原:うん。でも感染でパニックになるところは他人事とは思えない。というかコロナの状況にそっくり。それだけリアルに作ったんかもしれんけど。

Y木:あー専門家とかに聞いて脚本を作ったんかもな。

S原:いやほんまに気味悪いって。感染源は中国という設定やし……B級映画のくせに、こっちの心にグイグイ突き刺さります。くそーB級映画のくせに!

Y木:馬鹿にしてあげるな。で、映画としてはどうなん?

S原:真面目に作っています。

Y木:ほう。

S原:真面目過ぎて面白くないです。

Y木:あかんやん。

S原:というか何度も言うけど、これを「楽しむ」余裕はありません。本当に観ている間は、鳥インフルエンザがコロナに脳内変換されてしまうという…(苦笑)

Y木:ストーリー的にはサスペンスやろ?

S原:はい。王道です。中国広東省鳥インフルエンザが発生します。近くで働いていた男が感染します。そのとことから次々に感染が広がります。中国はWHOに応援を頼みますが、封じ込めは失敗します。結局、感染したアメリカ人男が、やたらとハークション!とかゴホゴホ!とかするので、どんどん感染が拡大します。おまけに少年野球の試合に行って「イエーイ!」ってはしゃぎます。調子が悪いんやから、家で大人しくしてろっちゅーの!

Y木:まあな。

S原:そうこうしているうちに、全世界に感染が広がって…という展開になります。

Y木:それで?

S原:主人公たち(医師や科学者たち)が調査をしたら、かつてのスペイン風邪よりもひどく最終的に全世界で1億5千万~3億5千万の人が犠牲になるだとろうと分かる。ワクチンの開発・供給にも時間がかかる。ちょっとでも良い情報を言いたい政治家たちが、不確定なことを言って世界はますますパニックになっていきます。

Y木:コロナとそっくりやん。

S原:ここからも結構リアルなんやけど、ここから先に細かく言いません。興味のある人はぜひ観てくださいませ。

Y木:ラストはウイルスをやっつけておしまい?

S原:やっつけることが出来ません。新しいウイルスがでた可能性があるので、アンゴラの村に調査に行きます。到着するとすでに全滅です。呆然とする主人公たち。そのあいだにも、どんどん感染が広がることを示唆しておしまいです。

Y木:うわー……救いのないラストやな。

S原:ハリウッドなら、良い感じで終わりそうなんやけどな。「アウトブレイク」(1995)でも救いのあるラストやったやろ。でも、この映画は一味違う。ほかにも印象に残る場面があるで。軍がワクチンの輸送をするとか、その輸送車をゲリラが襲う場面とか、死者はゴミ処理のような場所で「処分」される場面とか。

Y木:なんか生々しいなあ…

S原:ほんまに気分は滅入るで。

Y木:今回は、B級なれど一味違うみたいやな。

S原:イエース!さあ、みなさん。映画好きの我々にとってもコロナの影響は大きく、気分が暗くなりますが、いつか落ち着く日が来ることを信じて、いまは耐えましょう!映画自体は大したことなしですが、感染パンデミックストーリーに興味がある人にはおススメです。コロナのことは少しでも忘れて気分転換したい、という人はスルーしてくださーい!いつか、この映画を観ても笑い飛ばせるように日が来ますように‼