あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

ちょっと疲れてきた頃の続編映画を観る! 「オーメンⅢ 最後の闘争」(1981)の巻

オーメン/最後の闘争 [DVD]

(あらすじ)

32歳になったダミアンはソーン産業の社長になり、今や駐英大使の座を狙っていた。前任者を自殺に追いこんで後釜に座り、次なる目標「英国のどこかで誕生する救世主の抹殺」を目論む。だが、その救世主を守り、ダミアンを葬り去るため、イタリアから7人の使徒が聖なるメギドの短剣を携えて渡英。悪魔と神の最後の闘争が始まる──!

 

今回は、S原の1人語りです。

なぜ1人かと言うと、理由は簡単で、相棒のY木から「バカな映画の話ばっかり聞かされて疲れた。しばらく一人にしてくれ」と泣き言を言われたからです。(実話)

 

さて、いまのヤングたちが「オーメン」と聞いて何を思うのかは分かりませんが、最初の「オーメン」(1976)は、それはそれは怖かったですよ、あなた。

有名な首チョンパの場面といい、サントラ(ジェリー・ゴールドスミス作曲)にも収録されている「アヴェ・サタニ」(悪魔を讃える聖歌)といい、最後に(殺されたと思って安心している観客に向かって)振り向く子供(ダミアン)のショット終わるクールさといい、今観ても面白いです。子供時代に友達が「なあ、もしもダミアンが転校してきたらどうしよ?」と真剣に心配していましたが、そのくらいのブームだったんですよ。

その第1作を水で薄めたような「オーメン2 ダミアン」(1979)のあと、いよいよ人類と悪魔との最終対決を描いたのがこの「オーメンⅢ 最後の闘争」です。(一説によると、最初から3部作で企画されてたとか)

で、20年以上前に観た当時は「これが最終対決?なんかイマイチやなあ」と期待外れだったのですが、今回見直してみると……うーん、やっぱりイマイチでしたね。

多くの日本人にとっては、一般的にキリスト教というか宗教が生活に根付いていないので、悪魔的な怖さがリアルに伝わらないのは仕方ないのですが、なんというか「観たいのはこれじゃないねんって…」という思いが頭の中をグルグルまわりる108分でしたね。悪くない場面はあるのですよ。例えば、キリスト像の背後からダミアンが呪いの言葉をかけるカットとか、大勢の信者(悪魔の崇拝者)に対峙するダミアンの表情とか、ちょっとだけ「おお!」と思うのですが、こういうのは続きません。

観たいのは「ダミアンがいかに恐ろしいか」「修道士たちはそれにどうやって立ち向かうのか」「最終決戦で神が勝つのか?悪魔が勝つのか?」そして、「ダミアンが最終的に本当にアメリカの大統領になってしまうのか(実権力にどこまで近づくのか)?」というところだと思うのですが、どれも残念ながら中途半端です。とにかく、スケールの大きさや荘厳さが足りません。

ハッキリ言うと悪魔と神との対決がしょぼい、ぬるい、ゆるいの3拍子。映画レビューとしては「ダミアンが(人類よりも)知的に優れている描写が少ない」とか「修道士が命をなげうってダミアンを殺そうとする覚悟がちゃんと描けてない」ということになるんでしょうが、それよりもなによりも修道士が、どうもイケてないんですよ。やる気のない頃のエディ・マーフィーだってもうちょっとイケてますからね。あれではちょっとね。

7人の修道士が登場しますが、週末に趣味もなくブラブラして家族にも疎ましく思われているオッサンみないな奴ばかりで、あれではたぶん普通の人も襲えないのではないでしょうか。もうちょっと鍛えてから、ダミアンにチャレンジしてほしかったところです。あのボブ・サップに挑んだ曙もちゃんとトレーニングしてましたからね。ま、結果は1ラウンドKOで、カエルみたいにのびて失神してましたけど。あれをみんな大晦日に観て(失笑して)たんですからね。良い時代でしたねえ(笑)

ところで、ダミアン役のサム・ニールを高評価している人が多いのですが、ぼくは個人的にこの俳優が好きでないので、これも減点要素でしたね。あの「ジュラシック・パーク」(1993)なんかも、彼はミスキャストだと思ってるくらいですから。

なぜ、サム・ニールを好きになれないか?それは、昔、友人が「サム・ニールって、にせウルトラマンみたいな顔やと思わん?」と言っていて、それ以降はいつどこでサム・ニールをみても「にせウルトラマンのくせに!」「ザラブ星人のくせに!」と思ってしまうようになったのですよ。いやあ、困りましたねえ。

というわけで、よく出来たホラー映画を観たい人にはおススメできませんが、眼つきの悪い男がウロウロするのが好きな人にはたまらないと思います。

以上、S原がお送りしました!