S原:今回はホステスの話!
Y木:興味ないなあ……
(あらすじ)
人気グラビアアイドルとして活躍する星野亜希(ほしのあき)が、初主演を果たしたドラマ。結婚間近だった恋人に、破談を言い渡されたOLの愛子。彼女は恋人を見返すため、自ら“リュウ”という源氏名を名乗り、銀座のホステスとして生きていくことを決意する。
S原:これは2006年にWOWOWで放映された作品をDVD化したものらしい。
Y木:いわゆる「テレビ映画」やな。
S原:結論からいうと、うーん……やっぱりもっと面白く出来るんじゃないかなあ、というのが本音です。
Y木:いや、なんか毎回こういうやりとりになるけどやな。こういうテレビ映画にどこまで求めるのって話やろ?完成度とか期待してないやん。
S原:そうなんやけどなあ。やっぱり「惜しい」のよ。
Y木:それは、おまえの「後出しじゃんけん」やろ。作品をみてあーでもないこーでもないって誰でもいえるやん。
S原:そうなんかもしれんけどな。
Y木:役者がダメって言いたいんか?
S原:いや俳優陣は良いよ。当時のグラビアアイドルの星野亜希(ほしのあき)は、ちょっと幼い感じですが、まあまあ頑張っています。金子昇、横山めぐみ、白鳥百合子, 国分佐智子、みんな違和感なく観れます。とくに、横山めぐみと国分佐智子は本物のホステスにみえるし性悪な表情はピッタリはまっている。この2人は、ほんまに性悪なんやろうな。
Y木:ファンに怒られるぞ。結局、なにがあかんの?
S原:内容が薄い!これにつきます。
Y木:あー…
S原:ストーリーは単純やねん。恋人が別の「男」とつきあうことになって別れた女性・主人公がホステスの世界に飛び込む。男を見返したいと思うわけやな。でも全然ホステスのしきたりが分からないから右往左往する。少しずつ慣れてきたところに、ママとNO1ホステスとの確執とか、金持ちの客の奪い合いとか、男性従業員の過去とかが絡む。でもなー、どれも薄味で全然心に響かないのよ。
Y木:あー……そう……(無表情)
S原:いや、あなたの言いたいことはわかる。内容に期待するなってことやろ?
Y木:まあな。
S原:観るほうはそれでええねんけど、製作側は違うやん?このレベルの作品をつくっておいて「しょせんドラマだから…」というのは言い訳やで。「テレビ作品」でも、もっとハードなもの(直接的な描写でなくても)があるやん?。真剣に作ってるはずなんやけどなあ。なんでこうなるんやろ?
Y木:そもそも内容が濃くしようと思ってないんとちゃう?
S原:そうなんかなー。たぶん企画段階が安易すぎるんやと思う。ぼくの想像やけど、WOWOWの企画会議ではこういう会話やったはずやねん。「あのさ、こんどのドラマの企画考えたんだけどさ」「なにっすか、先輩」「あの胸のおっきい娘いるじゃん。ほしのあき、だっけ?」「あーヤンマガのグラビアで載ってたすね」「ちょっと考えたんだけどな。その娘が、ホステス役をしたら色っぽいんじゃね?」「あーイケますよ、それ!」「だろ?ほら、あのキワドイ服から太ももが見え隠れしちゃって。な?」「いやあ、たまりませんよ」「ほかにもきれいな女優をホステス役にしたら、太もも見放題だぜ」「あーもー最高っす!」「よし、製作部長に連絡しようぜ」こんな感じやと思うねん。
Y木:キモイ妄想はやめろって、おまえの嫁さんにも注意されてるやろ。何があかんかもう少し具体的に言ってくれ。あ、いや別に聞きたくないから言わんでもええで(笑)
S原:上手く言えんけど、コクみたいなものがない。たしかに表面的な味はある。でも出汁がない。視聴者がみたいのは、女優のホステス姿だけじゃなく、ホステスたちの人間関係、もっと言うと女同士のドロドロや修羅場やん。
Y木:まあな。
S原:そこが弱すぎる。以前に付き合っていた男性を見返すという点でも、ホステスとして成り上がり物語としても、1人の女性の成長ものとしても、すべて中途半端やねん。もっと激しく鬱屈した感情があるはずなんやけどなあ。それに、もっと主人公に悲劇を味わわせないとダメ!苦しんで苦しんで、のし上がっていかないといけないのよ!
Y木:のよ!って言われても…
S原:あなたにはその気持ちはわからないでしょ!
Y木:わからんわ。
S原:ホステスをねえ、あなた!なめんじゃないわよ~!(怒)
Y木:誰やねん、おまえ。
S原:まあ、そんな感じの映画でしたよ、さてみなさん。ほしのあきのファンは買いでしょう。横山めぐみ、国分佐智子のファンも観て損はないと思います。ほかの人、とくにホステスの萌えない人はとくにスルーで良いかと思いまーす。
Y木:いや、ホステスに萌えない人は、はじめから観ないって……