あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

アイデアで勝負!な映画たち「13の選択」(2014)の巻

13の選択 [DVD]

S原:さあ今回はこれ!

Y木:B級サスペンス・ホラーやな。

(あらすじ)

人間性を捨てるほど巨額の報酬が得られるゲームをショッキングなビジュアルで描いたスリラー。ある日、エリオットの下に人生の大逆転を可能にするゲームの誘いが舞い込む。人生に行き詰まり絶望していた彼は、ゲームへの参加を承諾するが…。

 

S原:これ、オリジナルはタイ映画「レベル・サーティーン」という映画らしい。ハリウッドがリメイクという最近の得意技やな。

Y木:「ネタ切れ説」もあるけどな。それで、この映画はどうやったの?

S原:全く期待せずに観たから、面白かった!

Y木:ほんまかいな。

S原:ほんまやって。まずアイデアが良い。主人公には、偏屈で呆けてきた親父や、障害を持っている弟もいて、おまけに恋人が妊娠中。そんな中、仕事をクビになってしまう。残ったのは多額の借金だけ。そんな切羽詰まった状況で、ある夜に車の中で悩んでいる主人公に電話がある。

Y木:ほう。

S原:「車の中にいるハエを殺せば、1000ドルあげよう」と言われる。半信半疑で主人公がハエを殺すと、本当に銀行に1000ドル入金される。

Y木:へえ、いかにもやけど面白そうやん。その次は?

S原:「そのハエを飲み込めば、お金をやる」

Y木:うげっ。

S原:それで思い切って飲み込んだら、またお金が入金されるねん。そこで13回の要求をするゲームに参加しないかと誘われる。「クリアできれば大金持ちになるぞ」と言われるねん。

Y木:どのくらいの金額?

S原:6億円くらいやったかな。

Y木:そりゃ、すごい。

S原:要求のレベルがあがるほど獲得金額は多くなっていく。だけど、そのぶんクリアが難しくなっていく。途中でゲームを降りたら、今までに獲得したお金は没収。口外したり主催者に接触するのもダメ。

Y木:なるほどな。それで主人公はどうするの?

S原:主人公は迷うけど、人生を逆転できるチャンスと考えて続けます。すぐに主人公の携帯が鳴って次の指示がきます。「5分以内に子供を泣かせろ」「今回は、5000ドルだぞ、がんばれ」。主人公は、近くにいた少女に「ほんとは君のママは、君のことが大嫌いなんだ」とか言って、少女を泣かします。

Y木:ゲームとはいえ最低やな。おれやったら、この時点でやめるわ。

S原:また電話がかかってきます。主人公は教会の近くにいますが、「教会の中にあるキリストのオブジェがある。それは子供たち一所懸命にが作ったものだ。それを燃やせ」

Y木:なんか聞いてて気分が悪くなるぞ。要するにモラルに反することや法に背くことをさせようとするわけやな。主人公は、どうするの?燃やすの?

S原:さすがに躊躇しますが燃やします。炎の勢いが思った以上で、教会にも火がついてしまいます。また携帯が鳴ります。「ホームレスの男を追いかけろ」「所持品を交換しろ」

Y木:次から次への指示がきて、主人公は追いつめられるわけやな。警察はどうしてるの?

S原:警察は、主人公を教会の放火犯ってことで捜します。周りの証言から主人公の身元が割れます。一方、主人公には次に指示がきます。「ある男とカフェに行き、コーヒーを注文しろ」。ところが、その男を訪ねるとすでに死んでるねん。仕方ないので、死体とともにカフェに行きます。そこで警察官と遭遇したりするけど、なんとか切り抜ける。

Y木:それはええねんけど、すでに放火とか犯罪を犯してるやん。大金を獲得してもあかんやろ。

S原:レベル13までいけば、犯罪歴(容疑)もチャラになると言われる。

Y木:ほんまかいな。

S原:主人公は信じるしかないので、そのままゲームに参加しつづける。少し省略するけど、どんどん要求が過激になっていくねん。「(ある男の)右腕を切断しろ」とか「(主人公たちの婚約を祝うパーティーの席上で)室内を破壊しろ。花瓶に排尿しろ」とか「警察に捕まれ」とか。

Y木:えー、「警察に捕まれ」はあかんやろ。最後のレベルやん。

S原:一応、警察署から逃げ出したりするんやけどな。この前後から、ほかにもゲームに参加している奴らがいて、どうもそれぞれの行動が関連しているらしいと分かってくる。また電話がかかってきて「ほかの参加者がさきにレベル13になると、賞金が没収だぞ」と言われる。

Y木:なにそれ。そのルールは最初に言わなあかんやろ。

S原:ぼくもそう思った。ここは、ちょっとズルいけど、まあテンポが良いからどんどん観れる。さて、またいろいろとあって、ワイヤーを張ってバイクの集団を首チョンパにしたりします。

Y木:ちょっとひどすぎるやろ…まだ主人公はゲームを止めへんの?

S原:さすがに主人公もここでゲームを降りると宣言します。家に帰ると、父親と弟がいます。そこで最後の指示が来ます「家族のうち誰かひとりを殺せ」と。

Y木:うわー…それで、どうするの?

S原:いや、これ以上のネタバレはやめておく。それこそ、ここで喋るのは「ルール違反」のような気がするしな。

Y木:ネットで調べたら、全部わかるやん。

S原:まあな。でも、この映画はなかなか面白いので、ネットでネタバレを検索せずにぜひDVDでみてくださいませ。

Y木:ちゃんと終わってるの?

S原:最後は、軽いどんでん返しがある。人によって評価は分かれるやろうな。ラストシーンも、ぼくはこれで良いと思う。

Y木:結局、ゲームの主催者はどんな奴らやったの?金持ちの道楽?

S原:ハッキリとしないまま映画は終わる。はじめに言ったけど、この映画はあまり期待するとあかんけど、マイナーな佳作というレベルなら十分アリやと思う。

Y木:珍しくちゃんと面白い映画なんや…でもなー、このブログにそれは求められてないんとちゃうの?みんな、ガッカリしてるんとちゃう?(笑)

S原:たぶんな(笑)さあみなさん。ちょっとグロなシーンもあったり、よく考えればメチャクチャ無理のある設定・展開ですが、観ているうちは楽しめます。1人でも多人数でも楽しめる映画です。ま、今回は、ちょっとまともな映画紹介になってしまいましたが、レアな回ってことでよろしく!

 

(おまけ)

この記事を書いた後に、この映画のオリジナルとなったタイ映画「レベル・サーティーン」(2006)を観ましたが、レビューはしません、というか僕には出来ません。それは……観た人にはわかると思います(苦笑)映画としてはそれなりだとは思いますが、おススメしないということだけは言っておきます。