あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

電話にまつわるエトセトラ 「夕闇にベルが鳴る」(2006)の巻

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S原:さあ、今回はこれ。「ストレンジャーコール」(2006)とほぼ同じの映画です!

Y木:区別がつかんぞ。

(あらすじ)

ベビーシッターのトリシアは仕事の依頼で豪邸に赴く。立派な家具、広く沢山ある部屋。それらにすっかり寛いだ彼女だったが突然、携帯に非通知の着信音が鳴る。無言のまま切られたそれを悪戯電話と意に介さないトリシア。だがその後、執拗にかかってくる電話に徐々に恐怖をおぼえてゆく。そして警察に連絡した彼女に告げられた言葉に、緊張が戦慄に変わった。「発信者は貴方の家にいる!」全米初登場NO.1の大ヒットとなった「夕暮にベルが鳴る」のリメイクと同じ都市伝説を元に描く、サイコスリラー最恐作!

 

S原:これを観ると、「ストレンジャーコール」がいかにちゃんと作っているか分かるで。

Y木:あれも、あんまり褒めてなかったやん。

S原:いやー見る順番を間違えたわ。こっちを先に観ればよかった。これはなあ……

Y木:なに?

S原:下着。

Y木:え?

S原:主人公の服が下着みたいやねん。コートを脱いだらもう下着(みたいな服)という(笑)おいおい、場末のスナックかよ。

Y木:まーB級あるあるでしょ。サービスやろ。

S原:こういうのは別に嬉しくないねんなー。それよりも本編の演出をちゃんとしてほしかった……(遠い山脈をみる目)

Y木:やっぱり面白くないんやな。

S原:うん。本当に面白くないです。

Y木:ふーん。

S原:……

Y木:……

S原:……

Y木:……なんか話せよ。

S原:いやーほんまに話すことないねんって。まず画像がザラザラやねん。賞味期限切れのフィルムで撮ったんやろうな。あとは、こういう映画あるあるなんやけど、不自然な演出の連続なのよなー。

Y木:つじつまが合っていない?

S原:話は超単純で、ベビーシッターのンバイトをした主人公に執拗に電話がかかってきます。はじめは無視していたけど、「子供の様子を見たか」といわれたため、怖くなって警察に連絡をします。逆探知が出来て、なんとその電話は家の中からかかっていることが判明する。つまり電話の犯人(?)は、家の中にいると……

Y木:それで?

S原:それだけです。

Y木:いや、そのあとの展開があるやろって!

S原:そのあとか。2階から男が襲ってきます。ちょうどパトロール中の警官がドアを開け、男は捕えられます。主人公は助かります。でも子供たちは血まみれの死体となって発見されます。

Y木:え、子供が死ぬの?最悪やん。

S原:不要な展開なのになあ……あと、ついでのようにその子供の両親も殺されます。こういうスラッシャー場面が見どころなんやろうけど、怖さはなくて嫌悪感が増すだけやった。で、犯人は精神異常ということで死刑にはならず、精神病院に収容されます。それから7年後。犯人は脱走し、また主人公(結婚して自分の子供がいる)に電話をかけてきて……という感じです。

Y木:「サイコ2」(1983)みたいやな。

S原:全然怖くない。下手なだけかもしれんけど、もう観ていてイライラするねん。犯人にイライラじゃなくて、この映画のすべてにイライラする(笑)

Y木:あかんがな。

S原:とにかく演出のピントがずれてる。じわじわと怖がらせないといけない場面があっさりと終わったり、どうでもええ場面がやたらと焦らす。すべてが場面にあっていない演出方法で、これはこれで新しい手法かも、と勘違いしそうになるで。

Y木:ならへんわ。ラストは?

S原:犯人をあっさりと殺して、主人公が去っていくところでおしまい。「やりきったわ……」って感じなんやけど、おいおいどこに行くねん!山ほど人が死んでるんやど!

Y木:一人突っ込みは空しいなあ。ま、要するにこれは失敗作なんやな。

S原:そうとしか言いようがないです。というわけでみなさん、これはイマイチですのでスルーしてくださいませ。いやーなかなか電話関係の映画に当たりは少ないですなあ……