S原:さあ、今回はこれ。「ストレンジャーコール」(2006)とほぼ同じの映画です!
Y木:区別がつかんぞ。
(あらすじ)
ベビーシッターのトリシアは仕事の依頼で豪邸に赴く。立派な家具、広く沢山ある部屋。それらにすっかり寛いだ彼女だったが突然、携帯に非通知の着信音が鳴る。無言のまま切られたそれを悪戯電話と意に介さないトリシア。だがその後、執拗にかかってくる電話に徐々に恐怖をおぼえてゆく。そして警察に連絡した彼女に告げられた言葉に、緊張が戦慄に変わった。「発信者は貴方の家にいる!」全米初登場NO.1の大ヒットとなった「夕暮にベルが鳴る」のリメイクと同じ都市伝説を元に描く、サイコスリラー最恐作!
S原:これを観ると、「ストレンジャーコール」がいかにちゃんと作っているか分かるで。
Y木:あれも、あんまり褒めてなかったやん。
S原:いやー見る順番を間違えたわ。こっちを先に観ればよかった。これはなあ……
Y木:なに?
S原:下着。
Y木:え?
S原:主人公の服が下着みたいやねん。コートを脱いだらもう下着(みたいな服)という(笑)おいおい、場末のスナックかよ。
Y木:まーB級あるあるでしょ。サービスやろ。
S原:こういうのは別に嬉しくないねんなー。それよりも本編の演出をちゃんとしてほしかった……(遠い山脈をみる目)
Y木:やっぱり面白くないんやな。
S原:うん。本当に面白くないです。
Y木:ふーん。
S原:……
Y木:……
S原:……
Y木:……なんか話せよ。
S原:いやーほんまに話すことないねんって。まず画像がザラザラやねん。賞味期限切れのフィルムで撮ったんやろうな。あとは、こういう映画あるあるなんやけど、不自然な演出の連続なのよなー。
Y木:つじつまが合っていない?
S原:話は超単純で、ベビーシッターのンバイトをした主人公に執拗に電話がかかってきます。はじめは無視していたけど、「子供の様子を見たか」といわれたため、怖くなって警察に連絡をします。逆探知が出来て、なんとその電話は家の中からかかっていることが判明する。つまり電話の犯人(?)は、家の中にいると……
Y木:それで?
S原:それだけです。
Y木:いや、そのあとの展開があるやろって!
S原:そのあとか。2階から男が襲ってきます。ちょうどパトロール中の警官がドアを開け、男は捕えられます。主人公は助かります。でも子供たちは血まみれの死体となって発見されます。
Y木:え、子供が死ぬの?最悪やん。
S原:不要な展開なのになあ……あと、ついでのようにその子供の両親も殺されます。こういうスラッシャー場面が見どころなんやろうけど、怖さはなくて嫌悪感が増すだけやった。で、犯人は精神異常ということで死刑にはならず、精神病院に収容されます。それから7年後。犯人は脱走し、また主人公(結婚して自分の子供がいる)に電話をかけてきて……という感じです。
Y木:「サイコ2」(1983)みたいやな。
S原:全然怖くない。下手なだけかもしれんけど、もう観ていてイライラするねん。犯人にイライラじゃなくて、この映画のすべてにイライラする(笑)
Y木:あかんがな。
S原:とにかく演出のピントがずれてる。じわじわと怖がらせないといけない場面があっさりと終わったり、どうでもええ場面がやたらと焦らす。すべてが場面にあっていない演出方法で、これはこれで新しい手法かも、と勘違いしそうになるで。
Y木:ならへんわ。ラストは?
S原:犯人をあっさりと殺して、主人公が去っていくところでおしまい。「やりきったわ……」って感じなんやけど、おいおいどこに行くねん!山ほど人が死んでるんやど!
Y木:一人突っ込みは空しいなあ。ま、要するにこれは失敗作なんやな。
S原:そうとしか言いようがないです。というわけでみなさん、これはイマイチですのでスルーしてくださいませ。いやーなかなか電話関係の映画に当たりは少ないですなあ……