あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

ドキュメンタリー映画4番勝負!「最後の1本 ~ペニス博物館の珍コレクション~」(2015)の巻

最後の1本 ~ペニス博物館の珍コレクション~ [DVD]

S原:さあ今回は、ペニスに始まりペニスに終わるこのDVD!

Y木:ペニス……

 

(解説)

アイスランドの小さな港町フーサヴィークにある世界で唯一の“ペニス博物館"。
男性器の魅力に取りつかれた館主の“シッギ"が、40年間にわたり収集した哺乳類のペニスの標本が200点以上展示されている。巨大なマッコウクジラのものから、ハムスターの2mm以下のペニスの骨までー。そんなシッギ館主の死ぬ前に叶えたい夢、それは“ヒトのペニス"を展示すること!
候補は2本、アイスランドを代表する冒険家、90歳をこえたパゥットル・アラソン氏と、アメリカ、カリフォルニアに住むビジネスマン、トム・ミッチェル氏!
果たして、博物館の珍コレクションを完成させるのはどちらのペニスなのか?

 

Y木:題材がすごいな。エロとか性がテーマ?

S原:全く違います。ただただペニスを収集するだけ(笑)ジャズファンが、レアなレコードを蒐集したりするやん。あれに近いかな。

Y木:ペニス博物館かー。これ、ほんまに実在する博物館?

S原:はい。アイスランドにあります。壁一面にペニスが展示されています。これを観て感動するか失笑するかは、あなた次第!

Y木:どっちもせえへんと思う、だって興味ないもん。

S原:そりゃそうか(笑)でも、これは作品としてはなかなか面白い。とにかく、本人たちは大真面目やねん。ふざけたりせずに、ペニスについて語ったり、行動したりする。NHKで放送しても違和感ないと思う。

Y木:へえ。それにしても人のペニスを展示するのが夢か。世界にはいろんな人がおるんやなあ。

S原:うん。最後の一本というのは、「博物館に飾る最後の一本」=「人間のペニス」という意味やねん。それにふさわしいペニスを展示したいというわけです。じつは、自分のペニスを提供したいと申し出る男性が2名現れます。

Y木:どんな人?

S原:1人同郷のアイスランド人。色欲というのかドンファンというのか、約300人と関係を持った(ノートにメモしている)と豪語するパゥットル・アラソンさん。もう90歳過ぎたおじいさんです。もう1人は、アメリカ人。自身のペニスを「エルモ」と名付けているトム・ミッチェルさん。50歳くらいかな。

Y木:なんで、ペニスを寄贈したいの?

S原:2人ともいろんな理由をもっともらしく語ってるけど、よくわからん(笑)自己顕示なんやろうな。

Y木:でも、切り取るわけにいかんやろ?

S原:アラソンさんは、「もう年だからそのうち死ぬ。死後に遺体から切り取ってくれ」と同意書を書く。それはまあ理解できるんやけど、ミッチェルさんがすごい。なんと「生きているうちに、切り取っても良い」と申し出ます!

Y木:えー!

S原:ミッチェルさんは本気です。「博物館にふさわしいのは、エルモ(ペニス)なんだ」「ずっとぼくのエルモが飾られると思うと最高の気分さ」という旨を語り、ついにはペニス(先端部分)に、アメリカ国旗のタトゥーをいれます!

Y木:ぎょえー!

S原:理由がすごい。ペニス博物館に展示される人間のペニスは、アメリカ人のものだっていう誇りのため、です。

Y木:誇りって……それでどうするの?切り取るの?

S原:ミッチェルさんは本気です。手術の段取りもします。すごくテンションがあがっていて毎日2~3通のメール(文字がぎっしり)を館主に送ります。曰く「エルモのケースはこんな風にしてほしい」「エルモについては、こういう保管をしてほしい」「展示方法はこうしてほしい」

Y木:なるほど。自分のペニスを差しだすから納得した形で飾ってほしいんやな。

S原:その通り。でもペニス博物館の館長は困惑します。「展示方法はこっちが決めることだ」「むこうはペニスを提供してくれればよい」「こっちはこっちでペニスに対するポリシーがある」

Y木:なんというかコメントが出来ないけど…

S原:館長は次第に冷淡になっていきます。ついには「申し訳ないが多忙なんだよ」「きみの相手をしている時間はないんだ」とメール返信します。

Y木:セールスお断りみたいやな。

S原:やんわりと断られたミッチェルさんは寂しそうです。「せっかくタトゥーまでいれたのに」「ぼくのエルモのほうがふさわしいのに」と愚痴った後、「仕方がないよ。今度は、エルモをヒーローにした漫画を作るつもりなんだ。ペニスが活躍する漫画は、いままでになかっただろ?」と別の夢を(うれしそうに)語ります。

Y木:ヒーローがペニスの漫画……誰が読みたいんや。それはええとして、アメリカ人のペニス候補がダメなら、じゃあ、おじいさんの方のペニスを選ぶわけやな。

S原:こっちも問題が発生します。老齢でペニスが縮んでいくのです。

Y木:それはしゃあないやん。

S原:よくわからんけど、アイスランドでは「小さいペニス(12.5センチ未満?)は、ペニスじゃない」というルール(慣習?法律?)があるらしい。

Y木:なにそれ?そんなルールありー?

S原:アイスランドの有名な昔話が元になってるらしい。

Y木:ほんまかいな。で、結局はどうなるの?

S原:おじいさんは亡くなります。急いでペニスを切り離し、無事に展示されます。ついにやったな、と館主や友人たちは感無量に抱き合います。そして「最後の1本」を無事に展示したことで、博物館は完成。多くの人が正装して、お披露目パーティに出席します。厳粛なムードで、ついに人間のペニスが公開されます。「お~」という感嘆とも溜息ともとれるような声がします。

Y木:そこにいた人は、どんな気持ちやったんやろう…

S原:ここはモザイクはありませんが、別に観てもなんの感慨もなかったわ。

Y木:それが真っ当な反応ちゃう?

S原:なんとも不思議な作品やったわ。全体的にはちょっと薄味な感じもするけど、十分に楽しいで。

Y木:真面目に作ってるんかもしれんけど、観る気がしないなー。

S原:でもミックジャガーやったら、こう歌うと思うで。♪I know it’s only PENIS , but I like it, like it,yes, I do!(たかがペニスって分かってるさ、けど、好きなんだ!)

Y木:いや別に好きちゃうから(苦笑)