S原:さあ、ドキュメンタリー映画を3本見つけましたので紹介します、最初はこちら!
Y木:なんか変なジャケットやな。
(解説)
各国でベストセラーとなったノンフィクション「暴走する文明『進歩の罠』に落ちた人類のゆくえ」をベースに、めまぐるしく進歩する文明の歴史をひも解きながら、人類のこれからの行方について問いを投げかるドキュメンタリー。目先の利益を解決するための進歩によって、これまでの文明が繰り返し破壊されてきたと指摘する同著の著者ロナルド・ライトがナビゲーターとなり、人類学、経済学、物理学などさまざまな分野の著名な学者をや作家、活動家らとともに、人類の未来について考察していく。
S原:これは、大真面目なドキュメントやった。本はもっとハードな内容らしい。
Y木:NHKとかで特集している環境問題の番組があるやん。あんな感じ?
S原:基本は一緒。でも、もっとシリアスやねん。観ていて陰鬱になってしまうくらいに……(苦笑)
Y木:確かに人類にとって大事なテーマやからな。
S原:ぼくみたいに、DVDを漁ってることも環境破壊につながるかも、とちょっと落ち込んだわ。
Y木:いやそれとこれとは別ちゃう?お金をまわすことも大事やん。おまえの払う金額は足したことないけど(笑)
S原:そうやねん。経済活動も大事やねん。でもこのDVDでは、経済活動を重視するあまりに、自然環境とのバランスが崩れてしまっている、と警告しています。いろんな専門家がかなりわかりやすく説明をしてるねんけど、聞いてると納得することばかりやねん。もう、人類みんなで農耕の世界に一旦戻ったほうがええんとちゃうやろか?
Y木:極端やな。
S原:とくに都市部に住んでいる文化人たちは、全員農作業に従事させて、改心させたほうがええって。サブカルも全部捨てさせてな。いっそ頭を丸刈りにしたらどうやろか?毛沢東語録とか読ませたらどうやろ?
Y木:そりゃ文化大革命やがな!
S原:やっぱすごいよなー、中国って。
Y木:すごないわ。中国が、一番環境破壊してるっちゅーねん。ところでDVDの中で具体的にはどんなことが語られるの?
S原:適当に抜粋すると、
『先進国もしくは、大手金融機関が、アフリカの発展途上国へ貸した金、利子の取り立てのために天然資源を売却させている。それは、国民には止められない。たとえ、以前の政府の指導者がやったことであっても、債務が放棄されることは認められない』
『南米の国民、もしくは富裕層は、森林地帯をいまだ大掛かりに伐採している。環境破壊につながることは理解しているが、自身の収入を削ってまで、伐採の速度を緩めることはしない』
『(伐採をするという行為を止めるということは)現地では失業にもつながることでもある。実際に、伐採中止により一部、暴動が発生している』
『大手石油会社は、エコな次世代エネルギー源として、藻を活用する。しかし結局は、その育成
スペース確保のためには、自然環境を破壊している。差し引きすると環境収支にはプラスとならない』
こんな感じかな。
Y木:なるほどなあ。
S原:ここで終わったら普通やけど、このDVDはちょっと一味違う。さらに高度に発達した文明が、様々な行き詰まりを迎えることを話していく。
Y木:へえ。
S原:作品としてはストレートすぎて、さっきも言ったけど観ていて息苦しくなる。「わかった、わかった。みなまで言うな。そう肩肘張るなって。なんとなかるさ、気楽にいこうぜ!」って言いたくなるわ。
Y木:気楽にいったらあかんやろ。このDVDの製作意図に反してるがな。
S原:いやー誰かほんまに何とかしてほしいわ。このままやったら、ワゴンコーナーにあるB級映画がどうとかと言っている場合ちゃうで。ぼくの趣味が、ほんまに意味のない行為になってしまうやん?
Y木:それは、環境問題に関係なく意味のない行為やけどな。
S原:意外と早くに人類は滅ぶんかもな。火星に移住する計画もあるけど、人類の滅亡とどっちが速いやろ?
Y木:さあな。たぶん火星に移住すれば、それはそれでまた同じようなことが起きるんやろうな。
S原:あーそうかもしれん。それにしても『環境破壊で、人類がいなくなった荒廃した大地』と聞くと、チープなSFみたいやけど、現実に起こり得るという気になります。それくらい、考えさせられる力をもったDVDやったわ。
Y木:なんか今回はマジメやな。
S原:今回ばかりは茶化したりできません。あー荒廃した大地か……そこに現れるモヒカンの悪党たち……大地をぶっとばす改造車……スーパーチャージャーボタンをON!そしてかっちょよく登場するメルギブソン!
Y木:そりゃ、「マッドマックス2」(1981)やろ!茶化してるがな!