S原:今回はこちら!古典SFですよ。
Y木:あー昔、観たなー。最後しか覚えてないけど。
(あらすじ)
放浪惑星ベラスとザイラの影響から世界各地で天変地異が続発。億万長者のシドニー・スタントンは、観測したブロンソン博士とヘンドロン博士を信じて”人類救済計画”に投資する。それは、選ばれた人類のみを地球外に移住させる”ノアの方舟計画”だったのだ。果たして、人類は無事に地球から脱出できるのか。
S原:ぼくも、大昔に観たんやけどな。久しぶりに再見したけど、印象はあんまり変わらんかった。
Y木:へえ、古臭さとか感じんかったの?
S原:最初に観た時から、古臭かったから(笑) でも、これをレトロと言うか「味」で楽しめるかどうかやと思う。
Y木:こういう映画はそうやろうな。最新作だけ観る人には無用の長物やろうな。
S原:うん。内容はもう単純明快で説明の必要もないかな。誰かが「初期の手塚治虫みたいなSF」と書いてて、上手いこと言うなあと感心した。本当にその通りやねん。
Y木:言われれば、ロケットのデザインも手塚っぽいな。
S原:当時の科学技術というか考証をした上でのデザインらしい。
Y木:これ、ノアの箱舟がベースになってなかった?
S原:そのまんまです。キリスト教信者がみると、また違う感想になるんかもな。
Y木:特撮はどうやった?
S原:良かったで。もちろん、「昔の特撮好き補正」が入ってるけどな。でも、なかなか力が入ってると思う。特撮部分は結構イケるねんけど、ドラマがちょっとな……。人間関係の描写は普通やねんけど、地球が破滅しようとしているのに各国の首脳がのんびりと構えている(笑)
Y木:それもふくめて時代やろうな。
S原:うん、映画自体(とくに前半)がスローやねん。ちょっと面白いのは、新星「ベラス」とその衛星「ザイラ」の2つが地球に接近してくる設定やな。9ヵ月後に「ザイラ」は地球をかすめ、地震、津波を起こした上、その19日後に「ベラス」が地球と衝突することが判明する。9か月後とさらに19日後というのが妙にリアルやろ?
Y木:リアルって、長さのこと?
S原:そうそう。今さら、じたばたしても仕方ないし、かといってすぐに地球が終わるわけでもないし……実際にこんなことになったら、人間の心理はどうなるんやろか?
Y木:さあ、ちょっと想像つかんけど。
S原:中古のDVDとか買いに行くんかな?
Y木:好きにしろよ、どうせ地球が終わるんやし。最後は、ノアの箱舟=ロケットで脱出やろ。そこは覚えてるねん。山の斜面にジェットコースターみたいな滑走路(発射台)があったやろ。
S原:あれが妙にリアルでええんよな。
S原:最後は覚えてる?
Y木:違う惑星(最初に地球に近づいた惑星)に到着したところで、おしまいやろ。
S原:うん。昔、観たときは、「こんな星で生きてけるんかいな?」と思ったけど、今回も同じ感想やったわ。
Y木:まー独特の風景やからな。
S原:でも、これから新しい生活が始まるやろ。
Y木:そうやな。
S原:もめるで、絶対。
Y木:まあ、もめるやろうな。
S原:女性の取り合いになったりな。
Y木:そういうこともあるかもな。
S原:やっぱり地球に戻りたい、とワガママいう奴もおるで。
Y木:そうかもな。
S原:新しい惑星に、変な生物がおったりしてな。四つん這いで人間を支配したりしてな。
Y木:まあな。
S原:で、一部の人間もそれに従ったりしてな。
Y木:そうかな。
S原:で、ユウちゃんという子供だけでも助けようと、みんなで輪になって念じたりしてな。なんとか、現代の日本に戻ってくるねん
Y木:そりゃ、「漂流教室」やがな。何の話をしてるねん!
S原:というわけで、みなさん。これはクラシックなSFですが、なかなか楽しめました。いまの映画とはかなり違うムードを楽しんでくださいませ~!