S原:さあ、今回からおそらく完全にファンをターゲットにした映画をとりあげます。まずは、こちら。
Y木:こういうDVDって廃れへんよな。
(あらすじ)
「西遊記」をモチーフに、舞台を現代の東京に置き換えて描くアクションロードムービー。ごく普通の日常の裏側で、静かに人類の危機が迫っていた。佐倉三輪子は3人の暴れん坊少女たちを連れ、京都を目指す。
S原:これは、日テレジェニック2007&ヤングジャンプ制コレ準グランプリの小田あさ美が映画初主演です。ほかにも、森安真弓、長谷川桃、梅本聖子、森本さやか、芳野友美がでています!
Y木:あのな、本題に入る前にちょっと聞きたいんやけどな。
S原:はい、どうぞ。
Y木:こういうDVDって、出演しているアイドルのファンがターゲットなのはわかるけど、そんなに多くないやん。べつにエロ系でもないし、ビジネスとしては成り立たへんと思うんやけどな。
S原:あなた、それは実際に観てから言ってほしいです。観てないのにそういうことを言ってはいけませぬ。
Y木:いや、そうやけどやな。
S原:これ、実際に観たら分かります。誰のために、このようなDVDがあるのか?その理由は………
Y木:その理由は?
S原:誰のためでもありませぬ!
Y木:やっぱりな。
S原:ま、あれよ。一応、製作側には、一攫千金という山っ気はあると思うよ。まずは特定のファン向けにつくって、あわよくばそれ以外の人にもバズったらええよな、みたいな。低予算で大ヒットを狙うわけですよ。
Y木:いや実際に観てないからわからへんねんけどな。このDVDが、そうなる可能性はあるんか?
S原:ありません。
Y木:やっぱりな。まあええわ。これは内容は西遊記なんか?
S原:いや、どうかな。主人公は小田あさ美。人間そっくりの生命体、ゼノドライブが人類を侵略しようとするのを止める、という話です。いろいろあって、主人公たちと仲間が協力して悪い奴を戦います。アニメみたいな剣を持って、仲間とともに、頑張っちゃう❤みたいな。
Y木:はあー(ため息)で、女の子たちが大暴れ!ってことか。
S原:いや、とくに暴れてなかったよ。
Y木:なんやねん、もう。
S原:そういうアクション部分が物足りないのは、まだ許容範囲やねん。一番良くないのは、俳優、とくに女優たちが魅力的に撮れていないこと。もっと、ちゃんと撮ってあげろよ。
Y木:なんか、そういう問題じゃないような気がするけどな。
S原:ぼくも観ている間はそう思ってた。でも、これメイキング映像が収録されてるんやけどな。そのメイキングを観て、印象が変わった。
Y木:どういうこと?
S原:だって、メイキングでの女子たちは魅力的なんやもん。なんで、このハツラツさとかスマイルを作品に生かされないのか……
Y木:要するに、ストーリーがこの娘たち(の魅力)を生かすようになってないってことやろ。
S原:そうやな。でも、場面によっては十代っぽいやりとりもあるからな。これは製作側が悪いわ。お金も時間がなかったんやと思うけど、脚本とか演出とかもっとちゃんと出来たはず。メイキングでは、女優たちは殺陣とか一所懸命に覚えようとしてるからな。アクションにも新味がないし、もったいないとしかいいようがない。
Y木:おまえ、よくそういう言い方するけど、ちゃうねんて。作り手側も、べつに(作品を)面白くしようとする気とかないねんって。
S原:じゃあ、なんで作るのさ?
Y木:知らんがな。仕事やからやろ。
S原:そうなんかなー。ぼくには理解不能やなあ。これ、実はほとんどレビューがないねん。
Y木:というか、誰も観てないんやろ。
S原:たぶんな。実際に観てもすごく感想が言いにくい。というか印象に残らない……
Y木:いつものことやん。
S原:いや「片腕マシンガール」とかは、やっぱり観た人は印象に残ってると思うで。同じような企画やけど、どうにも覚悟がないというか。
Y木:覚悟って。こんな作品に覚悟もないねんって。
S原:はあ……
Y木:なんやねん。
S原:……なんで僕は、こんなDVDを買ったんやろ?
Y木:知るか!
S原:さあ、みなさん。ストーリーは理解できますし、つじつまも一応合ってます。俳優たちも普通です。演出も無難です。でもなんなんでしょう、この印象の薄さは……というわけで、よほどマイナーなアイドル作品が好きな人以外にはおススメできませーん!