あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

S・キング原作だけど(たぶん)有名でない映画たち「ライディング・ザ・ブレット」の巻

ライディング・ザ・ブレット [DVD]

S原:スティーブン・キング原作の映画といえば、「スタンドバイミー」とか「ショーシャンクの空に」とか、いまだファンの多い作品が多いですが、たぶんあまり知られていないDVDを3本ゲットしたので紹介します。今回はこれ。

Y木:なんかB級っぽいな。

 (あらすじ)

危篤の母親を見舞うため、真夜中にヒッチハイクで病院へ向かう大学生・アラン。しかし、それが地獄の一夜の始まりだった・・・

 

Y木:これ、ホラーやろ

S原:ちゃうねん。これは、なんというか主人公の内面、心情を描いてるねん。病気になった母親に会うために、主人公は車で病院にむかうんやけど、途中でガス欠になってしまう。仕方ないのでヒッチハイクをするんやけど、そこでちょっと奇妙で怖い体験をする、というストーリー。ほんまに、これだけの話やねん。丁寧と言うかスローと言うかすっごく凡庸な雰囲気で、途中で眠くなります。

Y木:ヒッチハイクで乗った車で、怖い体験をするところが映画の見所なんやろ。キングらしいところはないの?

S原:あんまりないなー。主人公はいろいろと妄想(悪夢的な想像)をするんやけど、それが映像化されるという演出やねん。急に自分が殺されそうになるとか、相手が急に悪魔のような顔に変化するとか。そのあとに、ハッと正気に戻る(実際には何も起きていない)という場面が何回もでてくる。あんまり繰り返すから、トリップしそうになる(笑)

Y木:単調なんやな。

S原:ほんまにストーリーとしては大したことがないしなあ…あーそうそう。前半で恋人と別れるとか、友達たちと大麻を吸うとか、ヤングなキャンパスライフを描いてるんやけど、これが結構長い。後半の伏線になるんやろうなと思ってたけど、まったく関係なかった。なんやったんや、あの無駄に長い場面たちは…(笑)

Y木:良いところはないの?

S原:そうやなー、ヒッチハイクをするために夜の道をトボトボ歩くとか、墓地に迷いこむとか、無人の遊園地で悪魔に追いかけられるとか、ところどころ良いシーンもあるんやけどな。

Y木:無人の遊園地?悪魔?

S原:何度かヒッチハイクするんやけど、変な奴ばっかりやねん。で、最後にヒッチハイクするのが一番ヤバい奴で、主人公に「おまえの命か、母親の命かどちらかを選べ」って迫るねん。こいつは主人公のことは(内面まで)全て知り尽くしている死神らしい。遊園地では、ジェットコースター(ブレット)があって、主人公は幼い頃にそのジェットコースターから落ちる予感があり、トラウマの象徴になってる。主人公が死を選ぶ = そのジェットコースターに乗せられるという恐怖が迫ってくる。さあ主人公はどうする?

Y木:ふーん、それで?

S原:思わず、母親を選ぶねん。

Y木:死神は母親の命を奪うの?

S原:いーえ。いろいろあるけど、結局は病院に行けて母親に会える。退院してから母親は死ぬ。主人公は年をとり、いまだにノスタルジーとともに苦い記憶を思い出す……で、おしまい。

Y木:なんか、話を聞いてもあんまり面白くないな。

S原:面白くないよ、これ。一本調子すぎるねん。たまにでるVFXや主人公の内面が実在化して、主人公同士が会話をする場面とか、監督がやりたいことはわかるねんけどな。工夫がなくて淡々とすすむから、全然ワクワクしない。

Y木:なるほどな。 

S原:さ-みなさま。小説はどんな感じかわかりませんが、映画としては大したこととありません。わざわざ観ることもないです。よほど、キング好き以外にはおススメしません。観終わって3時間後には印象が薄くなっているような映画ですが、こういう映画が一番困るんですよねえ…(ため息)というわけで、今回はワゴンコーナーで見つけても(結構みかけます)、スルー、プリーズ!