あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

まだまだ知らない日本映画を10本発掘!「ダイアモンド」(2013)の巻

ダイヤモンド [DVD]

S原:さあいよいよ、知られざる日本映画特集の最後はこれ。今回は、元プロ野球選手たちがヤクザを演じます!

Y木:………(絶句)

 

(あらすじ)

力の掟に生きた侠(おとこ)たちの最後の戦いが始まる…。この9人、9通りの侠(おとこ)の生き様。強大な新興ヤクザ組織を相手に、弱小ヤクザ集団の反撃が始まる。下町に根付いた任侠組織「北野組」。元プロ野球選手の若頭・西田(高橋慶彦)を中心に野球経験者が多い組の草野球チームは、地元の人気者でもあった。そんな中、町は金満企業SFFカンパニーの再開発計画の波に飲みこまれていく…。

 

Y木:(裏のパッケージをみて)高橋慶彦元木大介パンチ佐藤愛甲猛ギャオス内藤……しかもヤクザ映画って。なんやこれ…??

S原:あなたは野球ファンやろ。どうですか?

Y木:どうって言われても…こんなもん……だれが観たいんや?

S原:そりゃ野球を愛する人すべて!ですよ、すべて!

Y木:野球を愛する人は、野球が好きなわけであって、元野球選手がなんでヤクザ役をするのをみて楽しいねん。

S原:でも、良いところもあるねんで。

Y木:どこ?

S原:ちゃんとセリフ言ってるねん。

Y木:当たり前やろ!

S原:カメラのピントも合ってたし、口の動きと音声もずれてなかったで。

Y木:それはスタッフが普通に仕事しただけやろ!

S原:まあ、どういう意図で企画されたんか分からんけどな。とにかく変な映画やったわ。

Y木:こんな映画……いやー、待てよ。もしかしたらVシネマとか好きな人は、こんな映画もアリなんかもしれん。いつもの定番のカレー屋に行くけど、今回はトッピングを変えてみました、みたいな。いつも選ぶトッピングはからあげやけど、今回は鼻くそをトッピングしてみましたみたいな。

S原:確かに味は変わる…っておい、鼻くそって、あなた。

Y木:どうせ、出来もひどいんやろ?

S原:いや、出来は普通やったで。

Y木:………(小声で)もしかして意外と面白いとか?

S原:いいえ。まったく面白くないです。

Y木:……(ため息)

S原:話も単純やねん。ヤクザの北野組は野球好き(元プロもいる)が多くて、草野球チームを組んで地元の商店街チームと野球をしています。地元に愛されています。あるとき、街に再開発の話が出て、何者かによる強制立ち退きや嫌がらせが起きます。裏には悪い奴らがいる。北野組がやっつけちゃうぞ!という話。

Y木:しょーもなー…

S原:「どついたるねん」(1989)の赤井英和は、演技とか超越していたやろ。元プロ野球選手に演技なんか求めてないやん。だから下手でもええから、せめて「勢い」をみせてほしかったわ。ヤクザなんやし。

Y木:いやー本人たちもやる気ないんとちゃう?

S原:そうやろうな。 撮影のあとにスナックにいくことだけを考えてるんやろうな。でも、高橋慶彦は違うで。

Y木:え?

S原:高橋慶彦だけは、なんかもう自分が哀川翔みたいにキメキメです(笑)

Y木:高橋慶彦なあ。ええ選手やったのになあ。

S原:パンチ佐藤とか意外とええ味あるんやけどな。さっきも言ったけど、とてもみんなヤクザにみえない。学芸会というか新春スターかくし芸大会というか。がんばれがんばれ西軍!ワ~!みたいな(笑)

Y木:古い例えやな。あーそれにしても、野球が好きなだけに空しい……

S原:あ!愛甲だけ例外やで。愛甲だけはヤクザにみえる。

Y木:あー愛甲は演技はいらんやろ。

S原:不思議なんやけど、なんで野球映画にせんかったんやろか?野球選手がヤクザを演じる設定が欲しいのなら、例えばヤクザ同士が、草野球でケリをつけるって話にしたらええのに。あ!それはダイナマイトどんどん」(1978)やった(笑)今考えると、あれもメチャクチャやったなー。

Y木:あったなー、「ダイナマイトどんどん」。菅原文太のやつやろ。内容は全然覚えてないけど、たしかに、あれをリメイクしたほうが面白かったかも。そういえば、この映画でも野球の場面はあるんやろ?

S原:少しあるで。でも、のんびりと遊んでるだけ。あの「陽だまりのイレブン」(1998)のジーコを思い出すよな。

Y木:あーこのブログで紹介してたなあ、変な映画。

S原:ジーコのロボットがでてくる珍作サッカー映画です。この映画もあれを見習ってほしかった。愛甲のロボットがでて大暴れとか。

Y木:それなら、野球ファンも納得……せえへんやろ。

S原:さあ、みなさま。とくに観なくていい映画ですが、野球ファンなら場末のスナックでの話題にする持ちネタのひとつになるでしょう。本当にこれを劇場公開したのか?本当に観に行った人がいるのか?このDVDを新品で買った人がいるのか?清原にも声をかけたのか?世の中は不思議なことだらけですよ、モナミ。そういうわけで、スルー、プリーズ!