あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

80年代のスマッシュヒット映画 10番勝負!「君がいた夏」(1988)の巻

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Y木:あったなあ、この映画。

S原:一部では熱狂的に支持されているこの映画を紹介しますよ。

(あらすじ)

1960年代半ば。フィラデルフィアで高校生活を送るビリーは、優しい母と、熱狂的な野球ファンの父の愛に育まれていた。早熟の女友達にセックスを学び、悪友との友情も築いてきた。だが、彼の心に一生忘れられない思い出を刻んだのは、従姉のケイティーだった。…時は経ち、プロ野球選手としても落ちぶれたビリーの元に、ケイティーが自殺したという訃報が入る。彼は、失意の中、彼女とともに過ごした故郷へと向かう。ビリーにとっては一番輝いていた青春の日々への旅立ちでもあった。
ジョディ・フォスターのみずみずしい笑顔が印象的な、ノスタルジックな青春ドラマ。

 

S原:これは観てなかったのよ。でも当時、友達数人が絶賛していたのを覚えてるわ。とにかく「ジョディ・フォスターが最高やねん!」「むっちゃ、ええ女やで!」って。

Y木:なんか語彙力がないなー(笑)

S原:映画としては、いかにも80年代。甘酸っぱい作りの青春映画やった。

Y木:そうか。よかったやん。

S原:でも、観終わってももう特別な感慨は湧かない。映画を観ても「それで…?」とつぶやいてしまうという……青春時代の気持ちはネバーカムバック……

Y木:そりゃそうやろ。もう人生の後半になったおじさんやもんな(笑)で、感想は?

S原:一部で絶賛されてるけど、そんなに良い映画かなあ。自分の好きな感じの映画じゃないというか。たぶん思春期に観ても感動しなかったと思う。

Y木:映画の完成度はどうなん?

S原:まあまあかな。正直に言ってそんなに上手く出来ていないと思う。だけど、やっぱりジョディ・フォスターは素晴らしい。

Y木:この映画の製作陣も、ジョディ・フォスターの魅力を売りにしたかったんでしょ。

S原:そう思います。映画としては、シンプルなあらすじやねん。主人公は、プロ野球選手。落ちぶれてて、パッとしないねん。ちなみに吹き替え版では、主人公の声は池田秀一氏ね。あのシャアの声の人。どうしても、シャアを想像してしまうのがちょっと…(笑)そんな主人公へ母親から電話が入ります。「ケイティ(ジョディ・フォスター)がピストル自殺した」「遺灰を、あなたに受け取ってほしいというメッセージがあった」と聞かされます。突然の訃報に戸惑いながらも、主人公は久しぶりに故郷に戻ります。

Y木:ケイティってのは恋人?

S原:6歳年上の従姉です。主人公にとっては、初めて「女性」を意識した存在です。でも、子どものころから、主人公が大人になる過程の中で、いつも叱咤激励をしたりする存在やったのよ。破天荒な女性でな。無免許で車を運転して主人公をドライブに連れて行ったりして主人公を振り回すのよ。そんな青春時代のエピソードを思い出しながら、主人公は故郷に着く。母親からは「ケイティは、『遺灰をどうするかは、(主人公なら)理解しているはず』というメッセージがあった」と聞かされる。でも主人公は全然ピンと来ない。ケイティの両親は、出来れば遺灰は墓地に埋めてくれと頼むけど、主人公はそれもどこか違うような気がする…

Y木:なるほどな。なんで自殺したの?

S原:映画では、ハッキリと説明してなかったと思う。遺灰をどうするか?という現代の場面と、ケイティを含む主人公の恋愛を中心とした思春期時代の過去の場面が交互にでてくる演出やねん。だから、サプライズのような展開はないし、テンポもゆったり気味。やや古めの音楽がなって、キレイな海岸を男女が歩く場面があったり…

Y木:あーなんとなく分かってきた。

S原:実は、ぼくは回想形式の映画はあまり好きじゃない。なんか結末が分かっている感じがして、閉塞感を感じるねん。

Y木:そうかー?別にええやん。

S原:面白ければ、気にならへんけどな。で、この映画で言うと、やっぱりジュデイ・フォスターの魅力につきると思う。自由奔放なのに、どこか可憐さというか清楚みたいな雰囲気があって、これは彼女しか考えられないくらいにハマっている。逆に、相手役の男(マーク・ハーモン)は全然ダメ。落ちぶれた役とはいえ、ほんまにショボすぎる。髪型もださいし(笑)

Y木:映画としては、「(女性に)翻弄されながらも心惹かれていく」と言う部分が、見どころなんやろ。それで、ラストは?

S原:結局、ケイティが「空を飛びたい」と言っていたことを思い出して、遺灰を空にまきます。半年後、主人公は野球選手を続けています。大事な試合でホームスチールを決めます。おしまい。

Y木:野球選手として復活したってこと?

S原:たぶんそうかな。少なくともケイティの死をきっかけに、もう一度奮起をしたんやと思う。

Y木:なるほど。まあ終わり方としては無難かな。

S原:そうねえ。さあ、みなさん。ジュデイ・フォスターの上手さや存在感は認めますが、それ以外は僕にはピンと来なかったです。思い入れたっぷりにレビュー/感想を書いている人も多いので、こういう映画は一期一会なんかもしれませんね。というわけで、いまだ甘酸っぱい思春期の人、もしくはジュデイ・フォスターに思い入れがある人におススメします!