Y木:……なにこれ?
S原:まだまだ知られざる日本映画を紹介するシリーズですよ!
(あらすじ)
強烈なキャラクターで人気のガッツ石松が主演を務める人情ドラマ。東京近郊のとある町の商店街。ひとりでペットショップを営む元ボクサーの森田石松は、ある日10年前に亡くした妻と娘を思わせる母娘・かな子と美雨に出会い交流を深めていくが・・・
S原:前に「知られていない日本映画20本」という特集をしたのを覚えてるやろ?
Y木:あー、みんな興味がなくてソッポをむかれた、あのしょぼい企画なー。
S原:しょぼいって言うんじゃない。でもマイナーな日本映画は、みんな本当に興味がないんやと痛感したで(苦笑)
Y木:また懲りずに、その企画をするんやな。で、この映画は?
S原:いやー、この映画はですねえ……ズバリ!面白くないです!
Y木:そうやろな。
S原:なんちゅうんかな。せっかくのガッツ石松やから、もっとメチャクチャにしないとな。
Y木:メチャクチャって?
S原:そもそも、誰もガッツ石松なんかに演技とか求めてないやろ?
Y木:まあな。
S原:でも、この映画ではちゃんと演技してるねん。セリフもまともやしな。
Y木:それでええやん。
S原:ちゃうねん、ちゃうねん!ガッツ石松が普通の演技をしたら、ただのおもろない映画やんか!
Y木:……ひどいな、おまえ。
S原:映画全体が破壊されるくらいの個性の持ち主やのに、普通の役をさせて普通の演出で撮ってるねんで。一体全体この監督や製作者は何を考えてるんや?
Y木:なにも考えてないんやろ。
S原:そうなんかなー。なんかせっかくに癖のあるラム肉やのに、臭みを全部消して、鳥の胸肉みたいにして料理をだされてもな。そんなんやったら初めから鶏肉を食うっちゅーねん。こっちはラム肉を食べたいねんって!
Y木:ラム肉でも鳥肉でもどっちでもええわ。それで、この映画はストーリーはあるの?
S原:あるよ、一応。ガッツ石松はやもめ暮らしやねん。ペットショップを経営してるねんけど、ある日、母娘と出会う。ガッツはいつしか母親(麻生祐未)に、ほのかな恋心を抱く。商店街では、祭りのためにグラビアアイドルを呼ぶとか伝統の太鼓行事をするとか話し合っている。商店街の娘を助けるために、ガッツ石松はチンピラ相手に大暴れする。母娘はいろいろあって、町を静かに去っていく…こんな話やな。
Y木:なんか、イマイチやな。
S原:イマイチやで。麻生祐未はすごく綺麗やねんで。たぶんガッツ石松の「淡い恋」を描きたかったんやろうけど、そんなん誰が興味ある?
Y木:じゃあ、おまえも観るなよ。
S原:ひょっとしたら、おもろいかもしれんやん!
Y木:おもろないわ!
S原:ああ、せっかくのガッツ石松がなあー。
Y木:なんやねん、べつにファンちゃうやろ。
S原:はあ……空しい……(ため息)
Y木:こっちのセリフや!
S原:というわけでみなさん、ガッツ石松が動いているのを見るだけで大満足という人以外にはおススメできません。ガッツさーん、セリフなんかどうでもいいので、もっと変な映画にでてくださーい。
Y木:怒られるぞ、おまえ。