あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

酷評されている映画を観てみる!「ギャラクシー街道」(2015)の巻

S原:ついに出会いました。今回は、失敗作として名高いこの映画です!

Y木:おお!

 (あらすじ)

時は西暦2265年、地球を結ぶスペース幹線道路・ルート246666を、人は「ギャラクシー街道」と呼んだ。今日も、様々な星から宇宙人たちが「ギャラクシー街道」にやって来る。みんな、それぞれに悩みを抱えた、人間味溢れる異星人だ。街道の中央にひっそりと佇む、小さなハンバーガーショップ、サンドサンドバーガー・コスモ店を舞台に、そこで働く人々と、客たちが織りなす、宇宙人模様。宇宙人だらけの三谷流スペース・ロマンティック・コメディの幕が上がる! ! ! 

 

S原:この映画はめちゃくちゃ評価が低いねん。

Y木:へえ、そうなんや。

S原:公開当時は、ダメ映画として少し話題になったけど、いまや誰も口にしない。「デビルマン」(2004)とか「北京原人who are you?」(1997)とか「キャシャーン」(2004)とかは、ダメ映画マニアに、いまだに可愛がってもらってるやろ?

Y木:監督が望んだ可愛がられ方じゃないけどな(苦笑)

S原:そして誰にも可愛がってもらえないまま、このDVDはワゴンコーナーの片隅で最期を待つ、と……

Y木:そして、おまえに見つけられる、と(笑)

S原:それにしても、大々的にロードショーをして有名な俳優を並べてこんなに評価の低い映画も珍しい。

Y木:そうかー?ボロカスに言われる映画って、いつの時代もあるやん。

S原:それでもフォローする人はおるやん。「カットスロートアイランド」(1996)とか「R100」(2013)でも、好きな人はおるから。でも、いまだかつてこの映画を好きという人に会ったことない。

Y木:別にこの映画を好きでもええがな。それで、結局、おまえはどうやったの?

S原:予想通り面白くなかった。

Y木:面白くないのを確認するために、わざわざDVDを買ったんか。なんてもったいない人生の使い方や。

S原:あーそうね。でも、あんまり褒めるところがないから、逆に良いところを探したくなるのよ。

Y木:へえ、じゃあホメてよ。

S原:……そう言われると困るな。

Y木:なんやねん。パッケージをみると、レトロSF調なんやろ。セットとかそのへんは?

S原:なんか小汚かった。

Y木:じゃあ衣装は?

S原:高校の文化祭のコスプレみたいやった。

Y木:演技は?

S原:不自然なコントみたいやった。

Y木:話は?

S原:ただ単にエピソードの羅列やった。

Y木:ギャグは?

S原:どれもスベッてる。

Y木:ええとこないやないか!

S原:ほんまにこんな映画やねんて!とにかく、何がしたいのかわからんねん。

Y木:でも三谷幸喜ってファンも多いし、評価の高い人なんやろ。もちろん、おれは観たことないけどな(笑)

S原:三谷幸喜くらい観てくれよ。ぼくは「ラジオの時間」(1997)と「ザ・マジックアワー」(2008)が好きなんやけどな。とにかくこの映画は変やねん。でも、フォローするわけじゃないけど、映画を作り続けていると巨匠でもたまに場外大ファールを放ったりするやん。大林の「漂流教室」(1987)とか、コッポラの「ワン・フロム・ザ・ハート」(1982)とか。

Y木:黒澤明の「どですかでん」(1971)とか(笑)

S原:まあ、そういう位置づけと考えればええんかなあ。かなりムリヤリやけど(笑)

Y木:実際に観てないし、ネットの評判も知らんから、そこまでボロカスに言われる理由がわからん。具体的にはどういうところがあかんの?

S原:もうネットでは散々書かれてるから、そっちを見てほしい。みんな的確に叩いてるから(笑)すこしだけ話すと、例えば宇宙人(梶山善)がベロを出して、香取慎吾の顔を舐める。べローンって。香取慎吾は嫌な顔をする。

Y木:それで?

S原:それだけ。

Y木:えー…

S原:ことあるごとに、大竹しのぶは煙草を吸ってイライラする。禁煙の場所だから注意されるけど、つい煙草を吸ってしまうねん。

Y木:それで?

S原:それだけ。

Y木:あー…そう。

S原:あとは、小栗旬がかっこわるいウルトラマンもどきに変身する。だけど役に立たない。

Y木:それで?

S原:それだけ。

Y木:はあー…

S原:あとは、どんなエピソードがあったかな。あーそうそう、香取の元カノがものすごく汚くハンバーガーを食べる。それだけ。

Y木:なんやねん!ほんまに、おもろないやないか!

S原:ほんまやねんって。とにかく全編こんな感じで、ぬるま湯のようなエピソードが続くだけ。

Y木:オフビートなコメディを狙ったんとちゃうの?

S原:そうなんかなー。どっちにせよ覚悟をして観たぼくの予想をはるか上をいっていた。相手のほうが1枚上手やった(笑)

Y木:最後は?

S原:経営難で店を閉めようかと考えている香取慎吾を、綾瀬はるかが励ます。「がんばりましょ!」って。

Y木:それで?

S原:それだけ。

Y木:あーもー!

S原:さあ、みなさん。とにかく理解不能な映画ですが、一応これで完成はしているようです。おそらく数年のうちに三谷幸喜が封印して2度とDVDが再販されることはないでしょうし、フジテレビの力で我々の記憶を消し去ることも考えられます。そんな日が来る前にワゴンでみつけたらマストバイですよ!いやあ、ほんまに脱力した珍品映画やった!