あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) タイトルを今風に言うと「ワゴンセールのなかは、あなたの知らない世界に」

便乗映画特集!トム・ハンクスじゃない「ダ・ヴィンチ・プロジェクト」(2004)の巻

ダ・ヴィンチ・プロジェクト

Y木:うわ、またしょーもなさそうな感じ。

S原:ところが、これは意外と…

(あらすじ)

レオナルド・ダ・ヴィンチの遺した名画「白貂を抱く貴婦人」を巡り、思惑と陰謀が絡み合うクライムミステリー。刑務所を仮出所中の美術品窃盗のプロ・ツマは、仲間と共に綿密な計画を練り、みごと警察の裏をかいて絵を盗み出すことに成功するのだが…。

 

S原:これ、わりとおもろいねん。

Y木:へえ、意外。

S原:タイトルは、「ダ・ヴィンチ・コード」のモロパクリやけど、謎を解明するとかじゃなくて、ダ・ヴィンチの絵を泥棒する話やねん。

Y木:ルパン三世やな。

S原:そうそう。あのノリやな。それに最後までちゃんと出来てる。

Y木: へえ、便乗映画シリーズの中では珍しい。というか、普通の映画は、そういうもんなんやけどな(苦笑)

S原:うん。どうも最近、麻痺してきたなあ。うん。まあパクリ・タイトルは日本の販売会社が勝手につけたんやろうけどな。(原題は「VINCI」)気に入ったのは、この映画はだれも死なへんねん。たぶん、ケガもしないんとちゃうかな。ありきたりの銃撃戦やカーチェイスもないねん。これって最近の映画では珍しいやろ?

Y木:あーそうかもな。

S原:ポーランド映画やねんけどな。お国柄か監督・製作陣のスタンスか知らんけど、この雰囲気は気に入ったわ。それに、ポーランドって親日国らしい。なのでちょっと点数も甘くなる(笑)

Y木:まあ気持ちはわかる。ストーリーは?

S原:主人公が窃盗罪で刑務所にはいるところから、話は始まる。主人公は出所後に、ダ・ヴィンチの名画「白貂を抱く貴婦人」を盗むという大胆な計画をたてる。

Y木:まさにルパン三世やな。

S原:盗んだ絵画の買い取りの交渉をしたり、高跳びに準備のためにパスポートを用意したり、もとの相棒(いまは警察官)を無理やり巻き込んだり、わけありの女性にダ・ヴィンチの贋作を頼んだり、美術館を地下から襲うために爆弾のプロに依頼するなどが前半。このへんは、普通の演出なんやけど、どうもキャラが地味でな。

Y木:俳優が良くないってこと?

S原:主人公は、さえない感じのオジサン。とても頭が切れる泥棒には見えない(笑)まわりも、むさくるしい男ばかり。ただし、贋作を担当する女優(カミーラ・バー)は、紅一点ながらすごく画面映えする容姿で、この人はなかなか良かった。

Y木:ほう。

S原:でも前半はやっぱりイマイチ退屈やったかな。贋作方法とかちょっと面白いところもあるけど、トリビアというか「へえ」という知的な驚きとか工夫があれば、もっと面白くなったはず。

Y木:どうやって盗むの?

S原:狙ったダ・ヴィンチの絵は、日本に貸し出すねんけど、それが返ってくる日を狙う。厳重な体制で、絵を運ぶ。ちゃんと道路を封鎖して撮影してて、ここは結構お金もかけてる。絵を載せている車(救急車)が、警察車両に囲まれながら走行しています。前にバスが立ち往生していて、停止します。その瞬間に、救急車の停止位置の周りだけを上手く爆弾をしかけて、車ごとズドン!と地下道に落とす。主人公たちは、車からうまくダ・ヴィンチを盗むけど、絵のサイズを間違えて(額縁を計算にいれてなくて)マンホールの穴から絵がだせない。

Y木:おーそれで?

S原:そこから、どうなったかは(観客に)直接見せない。窃盗犯が逃げた後、警察がダ・ヴィンチの絵を地下道で見つける。マンホールからだせなくて絵画を放置したのか、それともこれはワナか?

Y木:なるほど。まあミステリーとしては、普通やん。どちらかといえば、単純と言うかありがちというか。

S原:でも、全体のムードは悪くないよ。そのあとも、田舎の実家に戻ってアリバイを作ったり、警察の捜査の裏をかくのも面白いで。あーそうそう。典型的な日本人(田中さん)もでてくるねん。どうも絵画貸出の担当者みたいで、絵が盗まれた責任を感じてます。

Y木:へえ。ポーランド語を話すの?

S原:いや全部、日本語やった。でも変な日本語じゃなくて自然な日本語を喋る。まあ、まわりのポーランド人はだれも日本語が分からないから、ポカーンとしてたけど。

Y木:最後は?

S原:まあいろいろあって、いよいよ盗んだ絵を取引するときに、取引相手が倒れてお金がもらえなくなる。

Y木:なんで?毒殺?

S原:いや、喘息の発作(笑)

Y木:なんやそれ。

S原:しかも主人公たちは「まー、死なないだろ」「このまま、放っておこうぜ」って帰ってしまう(笑)結局、じつは複製は2枚作っていて、それを本物と偽って金持ちの売り付けるとか、軽いどんでん返しが何回かあって、なんだかんだで上手くいく。

Y木:じゃあ主人公は大金持ちになってハッピーエンド?

S原:いや、まだ刑期が残っているから(仮出所後に違反をしたから?)と自ら刑務所に戻っていく。もちろん窃盗したことは警察に隠したまま、やな。

Y木:自分で刑務所に戻るんか?えらい真面目やな。

S原:ラストがええねん。田中さんが、責任をとってハラキリをしようとする。しかも白装束で(笑)そこに、ダ・ヴィンチの本物が、戻ってきたというニュースがながれる。田中さんは「やったー。助かったー」って泣いて喜んで、おしまい。

Y木:変なラストやな…(苦笑)

S原:まあ、最後も日本人ネタでおしまいにするところも、親日国らしくてますます好感を持ったわ。でもポーランドって風景がキレイでな。街もええけど、途中で少しでてくる郊外の風景がすごく良い雰囲気やねん。いつかポーランドに行きたいわ、まじで。

Y木:今回の映画は、意外と楽しめたんやな。よかったやん。

S原:うん。たまには普通の映画も観ないと、脳みそが溶けてしまうもんな(笑)さーみなさま。今回のパクリ映画シリーズの中では上出来のランクです。ルパンなど泥棒映画が好きな人は、ぜひどうぞ!やや薄味ですが、のんびりと楽しめます。そして、このブログを読んでいる人で、ポーランドの人がいたら、この映画が本国でどんな評価だったのか連絡くださーい。

Y木:連絡なんか来るわけないやろ。