S原:今回は、お猿さんの映画!
Y木:あったなあ! この映画! 猿が襲ってくるやつ!
(あらすじ)
アメリカからイギリスのロンドン理科大学に留学している女学生ジェーン(エリザベス・シュー)は、霊長類学の権威フィリップ教授(テレンス・スタンプ)のもとでひと夏のアルバイトをすることになる。人里離れた教授の屋敷で彼女を待っていたのは、驚くべき知能指数を持つチンパンジー“リンク"だった。洋服を着てまるで人のような振る舞いをみせるリンク。ある日、フィリップ教授が忽然と姿を消してしまう。広い屋敷に取り残されたジェーン。そして彼女を物欲しげに見つめるリンクがいた・・・。
S原:これは凄かった。
Y木:へえ。
S原:もう本物のお猿さんの演技が凄すぎる……
Y木:そうなんや。ホラーやろ。
S原:そうやな。単純やねん。猿が襲ってくるだけやから。最近の映画って、VFXや特殊メイクでなんでも出来るやん。同じ猿でも、新しい「猿の惑星」シリーズなんかすごいもんなあ。
Y木:確かにな。
S原:でも、この映画では本物の猿やからな。あれよりも断然すごいし、ちゃんと「演技」もしています。
Y木:演技か。
S原:もう驚くほど、演技が上手い。もちろん動物トレーナーがいて、編集も上手く組み合わせてるんやろうけど、いやーこういう風に撮れるんやな。感心したわ。
Y木:昔は動物パニックものってあったやろ。
S原:うん、「猛獣大脱走」とかな。あれは珍作やったよな。
Y木:もっと、まともな映画を例にあげろよ(笑) これ、一軒家で猿に襲われる話やったよな。
S原:そうそう。主人公は、女子大生でアルバイトのために、ある教授の一軒家に行きます。田舎というか人里離れた大きな屋敷で、教授もかなり変わってます。霊長類学の権威らしいいんやけど、演じているのが、テレンス・スタンプ。もう怪しさ全開(笑)
Y木:テレンス・スタンプか。そうやろうな。
S原:主人公は、エリザベス・シューね。ハッキリ言って、めっちゃ可愛いです。いまでもキレイし、もっと良い映画にでてほしいわ。「透明人間」とか「ピラニア3-D」とか「デス・ウィッシュ」とか出演してくれて嬉しんやけど、もっと王道にいってくれよ、シューちゃん!
Y木:きもいわ。で、映画はどうなるの?
S原:そこに住み込みでアルバイトをするねんけど、その家にお猿さんが3匹います。簡単な英単語まで使えるほど頭が良いのがリンクね。あとは、暴れん坊の猿のブードゥーと幼い猿のインプがいてます。で、このリンクが人間そっくりやねん。葉巻を吸ったり、執事の服を着たり。で、教授は猿たちをブローカーに売るつもりということが分かります。
Y木:教授は、猿に愛着はないの?
S原:あんまりないみたい。その辺も変人なんやろうな。で、ある日、ブードゥーが死んでしまします。と同時に、教授も行方不明になります。主人公は「どっかに出かけたのかしらん?」と待ちますが、いつまでたっても帰ってきません。
S原:そして、名シーンが流れます。
Y木:名シーン?
S原:主人公がお風呂に入ろうと準備をしています。服を脱ぎます。それを、いつのまにか浴槽のドアに立っていたリンクがじーーーとみつめています。
Y木:うわ、気持ちわる……
S原:主人公が「あっちへ行って!」と怒っても、リンクはじろじろと眺め続ける……そのリンクの目が、粘着っぽくて好色でな。気持ちし怖いし、いやーなかなか素晴らしい場面やった。
Y木:まさか裸の娘を襲ったりはせえへんのやろ?
S原:しません。主人公は気味悪くなって、すぐ服を着ます。この映画を紹介しているほぼ全員が褒めているんやけどな。たしかに、ここは僕も感心したわ。
Y木:へえ。
S原:そんな感じで、だんだんとリンクが気味悪い存在になっていく、というストーリーなんやけどな。面白かったわ。ほかにも工夫している場面があるねん。リンクに車を後ろから押してもらったら、崖から車ごと突き落とされそうになる場面とかサスペンス描写もバッチリです。
Y木:へえ、珍しく普通に面白い映画の紹介なんやな。
S原:もちろん80年代製作の映画やから、すこしテンポが遅いとか割り引いてほしい点はあるねんけどな。
Y木:でもこういう映画って、もういまでは撮れないんちゃうの? 動物愛護とかうるさいやん?
S原:そう思う。それに、ラストはいまは絶対に撮れないかもな。だって最後は、猿を屋敷ごと爆破!やからな。
Y木:えーそういうラストなんか。なんかスゴイな。
S原:まあ、あれしか終わらせ方はないと思うけど、ちょっと可哀そうな気もするから、不思議やな。
Y木:なるほどな。
S原:というわけでみなさん。猿が好きな人、80年代サスペンスが好きな人、エリザベス・シューが好きな人はマストバイです。隠れたメッセージを感じるかどうかは、あなた次第! いやー本当に猿が気持ち悪かったです~!!