あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

「ルームズ・フォー・ツーリスト」(2004)の巻

ルームズ・フォー・ツーリスト - 映画情報・レビュー・評価・あらすじ | Filmarks映画

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S原:今回はアルゼンチンのホラー!しかも白黒!

Y木:へえ。

(あらすじ)

都会からブエノスアイレスの片田舎にやって来た5人の少女たちが、たまたまバスで乗り合わせる。5彼女たちは乗るべき鉄道を逃して、名も知らぬ街で一夜の宿を借りることになる。紹介された宿の部屋で不穏な空気を感じ、なかなか眠れない彼女達だったが、ちょうどその時、館内に女性の叫び声が響く。ただ1人姿の見えない娘の部屋へ飛び込むが、そこには大量の血痕が……

 

 

映画遁世日記ルームズ・フォー・ツーリスト』(2004) - Habitaciones para turistas – | momoな毎日

 

S原:これはDVDのパッケージが全然良くない。この映画を象徴する良いデザインにすれば、もっと世に広まるはず。大体、カラーじゃないし。

Y木:確かに、これを観るとB級ホラーやと思うよな。

S原:全然違います。これは超個性的な映画です。作家性があるというのか、なかなかユニークやった。

Y木:ほう。やっぱり映像が?

S原:うん。まず白黒の映像が良い。すごく陰影がハッキリしていて、全体的に不安感がある。監督は、アドリアン・ガルシア・ボグリアーノという人で、なんと製作始めたのが19歳の時で、そこから4年かけて完成させたらしい。

Y木:へえ、それはすごいな。

S原:根性と意地やろうな。全編にわたって、監督がやりたいことが明確やねん。B級映画によくある「何をしたいんか分からん」という感じはない。それだけでも、僕としてはOKやねんなあ。

Y木:今回は、当たりみたいやな。

S原:細かいことを言い出せば切りがないけど、あえて「大当たり」と言いたい。それくらい頑張っています。

ルームズ・フォー・ツーリスト | むすめの右フック本日の映画 『ルームズ フォー ツーリスト』: 世界のホラー・ショー with 格闘映画博物館

Y木:ネットの評判はどうなん?

S原:評価は割れているけど、高評価の方が多いかな。知る人ぞ知るカルトホラーと言っていいと思う。よく「悪魔のいけにえ」を引き合いに出している人がいるけど、確かにそうかも…

Y木:えー、あんな異様な映画なん?

S原:いやーあれよりは端正に作ってるし、整合性もとれてます(笑) でも、全編に満ち溢れる不穏な空気が……ぼく、絶対にアルゼンチンの田舎には旅行に行きたくない。

Y木:どうせ行かんやろ。

S原:まあな。ストーリーはもう単純すぎて、話すこともないくらい。一軒家で殺人鬼たちに襲われるだけ。とにかく、この映画の目玉は「暗闇でおびえる女子たち」、これだけやねん。びくびくしている女子が好き人は、もうよだれが垂れるはず。ただ、ちょっと残念なポイントもあるねん。

Y木:ほう。

S原:少し緩急がなくて一本調子なのよ。途中がちょっとだるかったかな。あとは、襲われる女子たちのキャラクターが少し分かりにくい。順番に殺されていくという展開が続くから、そこはスローに感じたかな。

Y木:なるほどな。解説を読むと、スプラッターシーンも売りみたいやな。

S原:うん、これも好きな人には大好物やと思う。この監督はスラッシャーも撮りたかったみたいで、かなり粘着質に描写しています。腕がちぎれたり、眼がつぶれたり、ナイフでお腹をスーッと切ったり、そう内臓がぐちょっと出たり……そういうのがたくさんあります。個人的には、スプラッターにはあんまり興味がないから、僕としては無くてもよかったけど。

 

ルームズ・フォー・ツーリスト | むすめの右フック映画遁世日記

 

Y木:殺人鬼たちに襲われて、一軒家から逃げれるの?

S原:逃げます。最後の方で、主人公が怪我をした女性をおぶって街に行きます。南米特有の自然の多い風景と、女子たちが恐怖でオロオロしている様子が奇妙ですごく良い。炎天下で助けを求めるけど、街の人は無表情に見つめるだけ。ここは不気味やったわ。ぼくはこの場面が一番好きやな。

Y木:町の人は助けてくれるの?

S原:そこからがクライマックスやから、内緒です。これは、機会があれば観てほしいなー。あとは映像特典で、予告編があるねんけど、これがカラー映像やねん。

Y木:へえ。

S原:このカラーの色合いもすごく良い。ちょっと80年代っぽいカラーやねん。いつかカラー版と白黒版の両方を収録したDVDを販売してほしい。

Y木:完全にマニア向けやな。売れへんやろうなー。

S原:ということで、みなさん! どうもキリスト教邪教?)とか信仰心とか田舎町特有の閉鎖空間とか、隠れたメッセージがありそうですが、そのへんの匂わせ加減も悪くないです。かなり変わった映画ですが、映画好きなら観て損はないはず。一度、ご賞味あれ~!