あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

「ドーベルマン刑事」(1996)の巻

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S原:今回は、これ!

Y木:うわ!ドーベルマン刑事

 

(DVD版のあらすじ)

銀座の高級クラブで残虐な殺人事件が発生。捜査を開始した警視庁特別犯罪課の刑事・加納錠治は、事件の背後に見え隠れする巨大麻薬組織の存在に気付く・・・

 

S原:この世には2種類の人間がおると思うねん。

Y木:はあ。

S原:「ドーベルマン刑事」がめちゃくちゃ好きな人と、わりと好きな人。

Y木:嫌い人はおらんのかい。

S原:いやみんな好きやって。だってムチャおもろいもん。これは、我々おじさん世代の思い出の漫画よ?

Y木:分かってるけど、そんなにおもろいかなあ。

S原:え? これが面白くなくて何がおもろいの?

Y木:そこまで言うか。

S原:まあ今読むとさすがに古さは感じるけどな。でも本当に燃えるって。武論尊先生&平松伸二先生のゴールデンコンビやで? 世界3大コンビの一角やで?

Y木:なんやねん、世界3大コンビって。

S原:レノン&マッカートニー、義経&弁慶、そして武論尊平松伸二やがな。

Y木:むちゃくちゃ適当に喋ってるやろ。

S原:まあそれくらいのトップコンビってことやで。

 

 

S原:でも、よく言われるように、いまこの漫画を少年ジャンプに掲載するのは難しいやろな。

Y木:そりゃそうやろ。主人公(加納錠司)が犯人を撃ち殺す場面がな凄かったからな。少年には刺激が強かったわ。脳みそとか飛び出てたもんな(笑)

S原:眼球を撃ち抜いたりな(笑)

Y木:でも「ドーベルマン刑事」ってストーリーというか設定は、ダーティハリーやな。

S原:そうそう。あれに劇画タッチを加えた感じやな。

Y木:それで今回のはどうやったの?

S原:これは1996年のVシネマ。竹内力主演と聞くと「遠慮しとくわ」という人もいるやろうけどな。たぶん漫画とは別のオリジナルストーリーやと思うけど、短いし(80分)飽きずに最後まで観れます。ちょっと薄味ですが全体の出来も悪くないです。でもなあ……かなり不満があるねん。

Y木:不満?

S原:「ド外道があ~~!」っていうセリフがないねん。

Y木:えー!? 決め台詞やん。

 

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S原:ほんまになあ。遠山の金さんは必ず桜吹雪を見せるやん。キャッツアイはレオタードになるやん。コブラは葉巻をくわえてるやん。はあ……なんでこうなるんやろ……(ため息) これじゃまるで、自転車が空を飛ばないE.T.、恐竜と仲良くするジュラシックパークでっせ!

Y木:なんやようわからん。

S原:ストーリーを少し話すと、シャブ中の男が夜に声をかけてきた警察官を殺します。そのまま女子(高校生くらい)を人質を取って、一軒家にたてこもります。犯人は加納に恨みがあり「加納を呼べ~」と怒鳴りまくっています。加納はバイクでかっこよく登場します。警察関係者が見守る中、単身堂々と一軒家に入り、犯人をやっつけます。

Y木:ほう。

S原:加納は、犯人が純度のシャブを服用していたことから、裏にもっと大きな影があるのではないか、と疑う。同じころ、銀座のクラブが強盗に遭い、客とホステスが金品を奪われ全員殺される事件が発生する。そこで生き残ったのが友子(吉野真弓)という女性で、加納は友子に接触する……こんな感じで話は進みます。

Y木:なんか、ありがちというか地味やな。

S原:そうやねん、どうも燃えないのよ。結局、犯人は主人公の特犯課に新しく配属された若い刑事やねんけどな。演出がストレートすぎてすぐに真犯人がわかるし、薬物がらみの事件の割には、意外に話のスケールが小さいというか。なので「外道」ってほどの犯行じゃないって言えばその通りやねんけどな……でも納得いかん。これを観る人は、竹内力ブラックホークを撃ちまくって悪い奴の体が吹っ飛ぶところが観たいわけやん?

Y木:まあな。

S原:どうも漫画の良さというか一番美味しいところを映像化していないのよ。こんなんやったら映像にする必要なし!です。

Y木:そこまで言うか。

S原:漫画版より銃身が短かったり(漫画版とは違う銃かも?)、クールで無口すぎたり、変なオールバックやったり、いかにもVシネマ風やったり、そういう点は許せるのよ。でも決めセリフがないのは絶対ダメ。ほんまに畜生みたいな極悪犯人を、追いつめて最後に「ド外道があ~~!」って撃ち殺す…これ以外に考えられへんって。

Y木:いろいろあるんでしょ。武論尊先生のOKが出なかったとか。

S原:そうなんかなー。だってターミネーターシリーズでシュワちゃんが「I'll be back」っていうから盛り上がるやん。ストーンズだって、毎回「サティスファクション」をするやん。

Y木:まあそうやけど。

S原:「戦国自衛隊」でも、竜雷太が言う「まだ、子供じゃないか……戦国…時代…」って死ぬ場面がないと、「戦国自衛隊」とは言われへんやろ?

Y木:いや、そのセリフはなくても別に…

S原:まあそういうことよ。とにかくワクワク→ガッカリリやわ。

Y木:おまえ、こんなVシネマに期待するんか。ある意味すごいな。あー、そういえば、昔千葉真一で映画化されてたやろ?

S原:うん。以前に劇場公開(1977)されていますが、こちらはぼくは未見です。というか観たい!でもDVDは高値なのよなー。

 

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S原:でもなあ、高いお金をだしてまで観たいかと言われるとなあ……しょせん「ドーベルマン刑事」やし。

Y木:どないやねん。おまえ「ドーベルマン刑事」のこと好きやって言ってたがな。

S原:好きやけど、まあ今回はともかく残念作ってことですよ。これじゃドーベルマンでなくてポメラニアン刑事ですわ。

Y木:3流の漫才師みたいな例えやなあ。しかし、おまえは熱く語ってるけど、興味のない人には、今回はほんまにどうでもええ話やで。

S原:さあみなさん。残念ながら武論尊先生と平松伸二先生の世界観は描かれていません。濃い味ではない竹内力はまあまあ良いですが、やっぱり物足りませんよ。というわけで、竹内力さーん、今度はコロコロで連載していた「ザ・ゴリラ」の主演をしてくださーい!

Y木:するわけないやろ!