![宇宙戦争2008 [DVD]](https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51dmP6BC0ZL._AC_SY445_.jpg)
Y木:「宇宙戦争2008」というタイトルの映画を2021年に観る空しさよ…
(あらすじ)
20XX年、地球はカルクー星人の攻撃にさらされていた。UFO編隊の猛威の前に、人類はエイリアンの軍門に降る。カルクー人の要求は800万人の生贄。伝染病に苦しむカルクー人は、血清となる地球人の血液を必要としていた。抽選で選ばれた犠牲者たちは、次々とUFOの母船に収容されてゆく。娘を連れ去られたチェイス博士は奪還を決意。レジスタンスと手を結び、ある計画に着手するが…。
S原:これ、たぶんテレビ映画やと思う。宇宙人が地球を襲ってくる理由が、人間の血液(血清)を採取するためで、宇宙人の名前は「カルクー人」(笑)すごくセンスのある設定やろ。
Y木:カルクー人て…(遠い目)
S原:もちろん、パッケージのような場面はなくて、田舎の方でチマチマ戦っているだけ。さえない大人たちが、なんとなくサバイバルゲームをしている映画やった(笑)
Y木:あーいつものパターンね。
S原:ちょっと面白いのは、カルーク人は病気で地球人の血液で治るから、地球人に血液を差し出せと脅す。地球人たちは800万人をチョイスして宇宙人に差し出す。ちなみにアメリカのノルマは80万人らしい(笑)大統領は「ノルマをこなさないと、怒られちゃうゾ!ガンバ!」と懸命にがんばります。
Y木:島耕作か。
S原:やがて主人公の娘が(採血対象者として)選ばれてしまう。主人公は娘を助けに行く。「娘のため父親が悪戦苦闘するゾ!ファイト!」という米国人が大好きな物話やな。
Y木:どうせ主人公はマッチョで、単身乗り込むんやろ?
S原:全然マッチョじゃないで。今回の主人公はしょぼいオッサンで、レジスタンスというかゲリラたちに助けてもらってた(笑)でも、途中にででくる秘密武器が面白くてな。段ボールで作ったハリボテのでっかい三角形のレーザービーム砲で、これで何でも溶かしてしまうという設定らしい。みんなは、「すげえ武器だぜ!」「これで勝ちだぜ!」「地球人をなめんじゃねえ!」と、盛り上がる。
Y木:あー、そのレーザーでカルーク人を一網打尽!ってわけやな。
S原:いや、そのあとレーザー砲は使わずに普通に拳銃で撃って殺してた。
Y木:頼むから使ってくれよ、レーザー砲。
S原:あと面白いのは、カルーク人の設定でな。地球人と全く外見が一緒やねん。
Y木:B級映画でよくある「擬態」やな。
S原:いや、ほんまにそっくりなだけやったわ。もう「擬態」とか「変身」とか設定も面倒やったんやろな。普通に英語もしゃべって地球人と言い合いしてるし。唯一地球人と違うのはですねえ、カルーク人は眉毛が白い!(笑)
Y木:うわー……
S原:あとは、ほっぺたに丸い銀色の瓶のふたがくっついている(笑)ほっぺたの瓶のふたで、宇宙人かどうか見分けるという。
Y木:高校の学園祭のコスプレでも、もうちょっとマシちゃうの?
S原:まあな。今思えば、「宇宙からのメッセージ」(1977)のガバナス人は失笑されてたけど、この映画を観るとあれはあれでよかったと理解できたわ。
Y木:ガバナス人て…(遠い目)
S原:しかも、ほっぺたの瓶のふたは通信機になってる(笑)さすがに宇宙人は、スマホ要らずで便利な世界に住んでるわ。
Y木:嫌やなあ…ほっぺたにミニ携帯が付いてるなんて。
S原:あと、驚いたのが「ロッキー」(1976)のアポロ(カール・ウェザース)がでてるねん。あのアポロやで?おれたちのブラザー、頼むから仕事を選んでくれよ~。
Y木:誰がブラザーや。どうでもええくせに。
S原:まあ、大したことない映画やったけど、いかにもB級な感じのしょぼいVFXや物語が、ええ味をだしてるねん。あと、これ、実はユニバーサル映画やねん。いつかUSJにも、この映画のアトラクションが出来るんやろうな。白い眉毛で、みんな瓶のふたをほっぺたにつけてパレードしたりな。
Y木:せえへんわ。
S原:というわけで、大したことない映画でしたが、お好きな人はどうぞ~!