S原:今回はこちら。マニア(だけ)のあいだで、タイトル(だけ)が有名なこのカルト映画!
Y木:「オレだって侵略者だぜ!」か。映画秘宝で紹介されてたな。
(あらすじ)
森の中の一軒家の近くに光の塊が空から落下。横暴な父親が支配する一家で、娘が逃げ出し父親がライフルを持って追う。彼はエイリアンと出くわし発砲。エイリアンの落とした光る玉を持ち帰って仲間に自慢する。エイリアンを生け捕りにする計画が持ち上がり、彼らは山狩りを始める。捕まったエイリアンは一家のガレージに監禁されたが、UFO研究家と名乗る男がエイリアンを解放。怒った父親は、森を捜索してエイリアンを撃ち殺すが...
S原:この映画を正確に話すことが出来るのはかなり困難であると、まずは認めるところから始めないといけないだろう……
Y木:なんやねん、その言い方。
S原:いやー、これは凄まじい映画やったなー。いままで、それなりにZ級映画を観てきたつもりやけど、これは違う方向にぶっとんでいてな。
Y木:なんやようわからんぞ。
S原:要するに。
Y木:要するに?
S原:最高ってことよ!!
Y木:ややこしい言い回しをするな!
S原:ストーリーを話すのはもうナンセンスやねん。まずは山の中に宇宙人がやってきます。
Y木:宇宙人が「オレだって侵略者だぜ!」って言いながら登場するとか?(笑)
S原:いいえ、黙ったまま登場します。だって、侵略者じゃないですから。
Y木:……え?
S原:まずは隕石をみたヤングな男が、おじさんに電話します。(教師と教え子という設定らしい)「先生はUFOに興味があると思ったんすよ」「なので、わざわざ電話したっす」「場所は、僕の地元っす」教師は言います。「よーし、わかった。すぐに行く!」
Y木:ほう。
S原:「6時間後に会おう!」
Y木:なんで6時間もかかるねん! はよ、行けよ!
S原:まあ、いろいろと用意があるんやろうな。着替えとかお弁当とか。そのあとに、宇宙人と遭遇(?)するおじさんのTシャツが何故かボロボロです。
Y木:ボロボロ?
S原:ダメージファッションというには、あまりに斬新です。
Y木:それ、わざとやろ?
S原:わざとかどうかは、この際、問題ではありません。問題は、このTシャツが気になって映画に集中できないことです。以後、本稿ではこのおじさんを「小汚いおじさん」と呼ぶことにします。
Y木:あ、そう。
S原:さっきも言ったように宇宙人は侵略者ではありません。では、Y木さん、問題です。何をしに来たんでしょーか?
Y木:地球人を調査するためとか?
S原:ブブブブーー! は・ず・れ!
Y木:……なんか腹立つな。
S原:正解は「映画を観てもわからない」です。
Y木:おまえなー。
S原:で、宇宙人と出会った小汚いおじさんが銃で撃ちます。宇宙人は、球体をおとします。なんとも不思議な玉です。もしかして、これは8つ存在して、やがて犬の名前がついた8人が集まったりして!?
Y木:それは里見八犬伝やろ。しょーもないボケをするな。
S原:で、それを拾った小汚いおじさんが、「これを売ったらお金になるぜ~!」と思いつきます。「よし、あいつを捕まえて、大儲けするっちゃ!」
Y木:なんで、博多弁やねん。意味のないボケをするな。
S原:まあ、そういう映画やったよ。
Y木:おいちょっと! 出だししか説明してないがな。全然わからんぞ。
S原:ちょっと聞きたいんやけどな。
Y木:は?
S原:ぼくが、この映画について細かく説明・解説・紹介するとするやん?
Y木:ああ。
S原:それを実行したとしてよ?
Y木:うん。
S原:この世が少しでも良くなると思うのかい?
Y木:知るか! もうこのブログをやめろよ! なんか話すことあるやろ? ラストは?
S原:あーラスト? あそこは(少しだけ)面白いで。宇宙人の話はどっかにいっています。おじさん同士が争っています。おばあちゃんがやってきて、片方のおじさん(息子?)の頭をライフル銃で、おもいっきり殴ります。スローモーションでカットを変えて何回も殴られます。おじさんの体がビョーンと崖から飛んでいきます(本当)。崖の下でガクッ!と死にます。おしまいです。すごく後味が悪いです。
Y木:意味わからんけど。
S原:そんなん、観ている方も意味わからんよ。 ただ、おばあちゃんのフルスイング姿が観れるだけってことなのさ。
Y木:はー……(ため息)
S原:他には何があったかな。あーあとは、80年代のシンセバリバリの音楽が流れます。
Y木:うわー。
S原:ジョン・カーペンターに似てなくもないです。
Y木:うわー(笑)
S原:とにかく、全体にぬるま湯のような映画やったわ。変なドラッグをするよりも、お酒を飲みながら、この映画を観た方がよっぽどトリップできるで、マジで。
Y木:悪酔いしそうやなー(苦笑)
S原:というわけで、みなさん。これはもう観てください、としかいいようがありません。ある意味、エド・ウッドよりもエド・ウッドです。こういう映画に対して、あたたかい眼差しをむけるかどうかはアナタ次第! というわけで、わけがわからないカルト映画でした~! でも、好き~!
(VHSビデオパッケージ。味がありすぎて脳内崩壊しそうなセンスがたまりません)