S原:さあ、ミスター・スポックはでてこないバッタもん映画はこちら!
Y木:商魂たくましいよな、ほんま。
(あらすじ)
宇宙戦闘艦を舞台に繰り広げられる一大スペクタクル巨編。はるか未来。人類は地球同盟を離れて謀反を起こしたクローン軍との戦争を終え、再び宇宙最果ての地を目指す旅を始めた。タナー艦長率いるクルーの中には、和解したクローン軍将校の姿もあった。奇妙な機体トラブル、オデッセイへの攻撃、地球に酷似した惑星からの救難信号…。艦長とオデッセイのクルーは、宇宙空間で起こる様々なトラブルにどう立ち向かっていくのか!?
S原:まず、ナレーションでストーリー説明があります。人類が宇宙に行く1960年代から、未来(2100年頃?)に宇宙に進出してもめ事が起きる話、だいたい5分くらいナレーションが続きます
Y木:長いなあ。
S原:それが終わったら、どこかの空き地でおじさんとおじさんが、ゆっくりとケンカをしてます。
Y木:シュールな出だしやな。
S原:あの「ゼイリブ」(1988)を思い出します。
Y木:もう「ゼイリブ」はええ。ケンカの場面のたびに引き合いに出すのはやめろって。
S原:そのあと、喧嘩をしていた2人は宇宙船の船員です。そのうち、1人はクローン人間だと判明しますが、まあどうでもいいです。そして、本部(?)のショボいセット(基地?)に呼ばれて、「ケンカはやめろ」「地球を目指せ」という命令がでます。なぜ地球を目指すのか理由は分かりませんが、とりあえず2人は犬猿の仲のまま、宇宙船に乗りことになります。ものすごい大きな宇宙船のようにみえますが、乗組員は、7名(そのうち、クローン人間が2名)です。徹底した効率化が人身削減を達成しています。
Y木:うそつけ。制作費がないだけやろ。
S原:やがて、宇宙船の機体の故障がおきます。このまま放置しておくと宇宙船が運航できなくなります。
Y木:おお、一大事やんか。原因は?
S原:ボルトが1本落ちてるだけでした。
Y木:ボルトが1本…
S原:しかも、なぜか首輪で「機械の修理セット」をぶら下げている乗組員のおかげで、ボルトは修理できます。船長は、ニヤリと笑って「しっかりと、ネジは絞めておけよ」と的確なアドバイスをします。
Y木:…いや、たしかにアドバイスは的確なんやけどな。
S原:つぎに敵機からの攻撃があります。どうもクローンのようです。クローンと人類の戦争は終わっているのですが、納得のいかないクローンが攻撃してきたのです。
Y木:どうするの?
S原:主人公の宇宙船に乗っているクローンが「やめるんだ」と説得したら、勝手に自爆します。無駄死にです。
Y木:あー、そうなんや…
S原:つぎに、救命信号(?)のあった惑星に立ち寄ります。そこには変な赤い塔があります。赤い塔は、「自分が崇高な存在であり、人類の行いをフォローしてきた。おまえたちが生きてるのは私のおかげだ」と恩を着せます。突然、そういわれても…と困った顔をする乗組員たち。
Y木:そりゃそうやろ。
S原:そして、赤い塔は女性の乗組員にむかって突然ビーム!なんということでしょう。女性の乗組員の宇宙服が、原始人ルックに変更されます。
Y木:原始人ルック?
S原:フリントストーンみたいなワンピース、というか「ほのぼのレイク」の原始人家族のお母さんの衣装です。突っ込む前に言っておきますが、これは本当です。
Y木:ほのぼのレイク……
S原:それで、宇宙船に戻ったら、何の前触れもなく乗員同士(アジア風男とレゲエ風黒人女性)のキスが始まります。アジア男は、すこし村上春樹に似てます。
Y木:村上春樹…そのエピソード要る?
S原:要りません。そのあと、どこかの惑星が爆発するという話が急にでてきます。なので、船長は「ここにいては爆発に巻き込まるぞ」「超高速で逃げるんだ」と宣言します。宇宙船がビューンと動きます(超高速らしい)。しかしなんということでしょう。衝撃波の影響で、宇宙船の備品が全部落ちまいました。後片付けが大変です。
Y木:後片付けって…
S原:小さな備品が落ちただけなのに、乗員たちはなぜか傷だらけです。そのうちに、アフロ女性とイイ感じになった村上春樹は死にます。
Y木:春樹、死すか…
S原:そのあと、船長は自分の恋人とイチャイチャします。
Y木:仲間が死んだのに、最低な船長やな。
S原:なぜか場面に合っていない音楽が流れたあと、つぎのエピソードになります。宇宙船が故障したので、修理が必要ということになりますが、なかなか直りません。船長もみんなもイライラします。しかしもっと問題がありました。超高速で運行したので、自分たちがどこの宇宙にいるのかわからないのです。困りました。
Y木:いや、宇宙船のコンピューターで把握できるやろ。宇宙の航海図ちゅうのか、それはあるやろ?
S原:宇宙船のコンピューターは『このあたりの星は見たことがないから、わかりません』って答えます。
Y木:見たことないって…そういう問題?
S原:困り果てた乗員たちに、いきなりまた別の宇宙人からのメッセージです。宇宙人「おまえたちは何者だ。立ち去れなければ、船を破壊する!ここは我々の陣地だぞ!」船長「聞いてくれ。知らないままにここにきてしまったんだ」宇宙人「そんなことは知るか。攻撃する!」
Y木:短気な宇宙人やな。それで、どうするの?
S原:乗員が「これは最悪の展開ですよ」と言うと、船長は「さあて、どうするかな」とニヤリ。ここで、この映画は、ジ・エンド。
Y木:え…それでおしまい?
S原:ほんまやんって。ほんまにここでおしまいやねん。
Y木:全然、話が終わってないやん。いままでのストーリーもまったく意味わからんけど。
S原:うん。すべてが中途半端に始まって、なにも進まないまま終わる。途中から、地球に行くという目的もなくなっている。いやー、すごい斬新な演出やで。
Y木:下手なだけやろ。
S原:というわけで、「スター・トレック」ファンならもうこのDVDはゲットしていると思いますが、それ以外のファンも観て損はないとは言い切れないといえなくはないと言っても過言ではないかもしれませんよ。
Y木:変な言い方して、ごまかすな。
S原:さあ、中途半端な映画が観たくなったら、この映画を思い出して下さ~い!あ、そうそうエンドロールの合間のNG集も中途半端な出来で、おススメですよ~!いやー、パート2が楽しみダナ~!
Y木:うそつけ!