あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

「沈黙の惑星」(2008)の巻

沈黙の惑星 [DVD]

S原:さあセガール主演のB級映画みたいなタイトルのこちらを紹介しますよ。

Y木:SF大作か。こういうのって、ほんまに大作やったことってないからなあ……

(あらすじ)

西暦3037年。 エイリアンの侵略により滅亡の危機に瀕した人類は、敵の惑星へと飛んだ。しかし、その惑星で明らかになったのは驚愕の真実だった・・・!

謎が謎を呼ぶSFミステリー大作、その謎、アナタは解けるか!?

 

S原:これは、最初から最後までB級と言うかZ級映画やった。

Y木:良かったやん、つっこめる映画なんやろ。

S原:いやー、それがちょっとな。舞台は3037年です。メンダックス星からエイリアンがやってきます。滅亡の危機に瀕した人類が、最後の手段として、エイリアンの故郷(メンダックス星)に行きます。そこでエイリアンを絶滅させるウイルス(デボルガ・ウィルス)を散布することを試みる・・・このストーリーは結構面白そうやろ?

Y木:いーや、全然興味がわかんけど。

S原:惑星に着きます。ところが!なんと、メンダックス星の文明は、はるか昔に絶滅していたのですよ!

Y木:へー……

S原:しかも廃墟の中で、数百年前に墜落した地球の宇宙船を発見します。彼らより以前に、地球人がそこを訪れていたのでしょうか?そもそもこの惑星は、本当にメンダックス星なのでしょうか?メンダックス人が人間に幻覚をみせているのでしょうか?あーもう、気になりますねえ!

Y木:気になりません。

S原:まあ、そういう感じで話は進みます。これは、パッケージをみたら、SF風の風景とかナイスな宇宙船とか期待するやん?

Y木:まあな。どうせショボいんやろ?

S原:うん。製作費が少ないのは仕方がないと思う。なので、どこかで工夫しないといけないんやけどな。製作者たちは一番安直に逃げてます。

Y木:逃げてるって?

S原:これは、ほとんど山で撮影してるねん。それも、たぶんその辺の裏山で。

Y木:それは安上がりやな。

S原:ピクニック気分で撮影してたんやろうな(笑)で、問題なのは後半の展開やねん。なんというか、変に凝ってるというか、こだわりがあるというか。そして、その凝っている部分は観客には不要なものだという。

Y木:どないやねん。

S原:まず、メンダックス星に行って、ウィルスを散布しようとするねんけど、うまくいきません。なぜなら、最初の不時着の衝撃で頭を負傷した大尉が、メンダックス人からの精神攻撃をされてしまうから。

Y木:精神攻撃?

S原:大尉は、自分の部下達がメンダックス人に見えてしまうと言う幻覚を見せられてしまうねん。で、気が触れて大暴れしちゃうので、結局拘束されます。科学者も一緒に行ってるんやけどな。とりあえずは鎮静剤で落ち着かせるねんけど、面倒くさいから、みんながいない時に大尉を石で撲殺するねん。

Y木:ひどい奴やな。

S原:で、偶然で会った少年(人間らしい)に「あいつが犯人だ」「あいつが大尉を殺したんだ」と、無実の罪をなすりつけます。で、隊員たちは少年を縛り上げます。そのあと、不時着する前にみかけた「町」を目指します。ところが、メンダックス人による幻覚攻撃が始まって……こういう展開です。

Y木:なんか……全然面白そうじゃないねんけど(苦笑)

S原:まあ凝ってるつもりかもしれんけど、ダラダラしてるだけやった。で、なんだかんだあって、主人公たちは「自分たちがクローンである」ということを聞かされるねん。自分たちがクローンだと信じられなくて悩む主人公たち。もう面倒やから省略するけど、地球はとっくにメンダックス人に支配されているのよ。そのあと、何回も「クローン人間」たちが、この惑星に来てる……というオチやねん。

Y木:なんで、何回もクローンが惑星に来るの?

S原:じつは、メンダックス人のなかにも「地球を征服したらあかん」という良識派(?)がおるねん。そいつが、クローンを何回も派遣させていた、と。

Y木:ん?わかりにくいな。

S原:たぶん、そういう設定やと思う。間違ってたらごめん。

Y木:最後は?

S原:その良識派メンダックス人が、「私は仲間を裏切った」「帰ったら殺されるだろう」「あとは、おまえたちでなんとかしてくれ」「幸運を祈る」みたいなことを言って、おしまい。

Y木:なげやりな終わり方やなあ。

S原:作ってる方も面倒くさくなったんやろうな。というわけで、この映画はおススメできません。とにかくセンスのない頭で設定を考えた中学生みたいな映画でした。よほどのマニアのみ観てくださいませ~!