S原:さあ、今回は「バイオハザード」に便乗した「バイオハザード3077」!
Y木:3077年の話か?未来すぎて、誰も興味ないやろ。
(あらすじ)
モノマネが得意なおちゃめな主人公・オーロラは、ある日仕事を失ってしまう。そんな彼女のもとに、ある日かつての同僚からアンドロイド護衛のために惑星行きの宇宙船に搭乗してくれという依頼が舞い込んでくる。しかし、その宇宙船に乗っていたのは数体のアンドロイドと、遺伝子操作に失敗したゾンビ化した人間だけだった…。
S原:これは……ほんまにひどい出来やった。しかも、ぼくは2回も観たんやで。
Y木:ヒマなんかい。
S原:ちゃうねんって。1回見ただけでは理解できないねんって(苦笑)ところで、昔のテレビ番組を放映するときに両端に黒い帯があるやん。いまのテレビサイズとは違うから、そうなるんやけど、この映画でもバッチリ両端に黒帯付きやねん。いまどき、こんな映画ってある?2007年の映画やで。
Y木:知らんがな。
S原:この映画はなあ…なんというか観ていると、眼がチカチカするねん。
Y木:画面が変ってこと?
S原:それもあるけど、変な色彩設計というか、すごくアンバランスな色使いでな。赤とかオレンジが主やねんけど、どうも深みもないねんなあ。場面ごとに霧がかかったみたいな白い画面になったり、暗くてよく見えなかったりして、鑑賞後にすごく疲れる。
Y木:要するに低予算でショボいんやろ。だから、こういう映画を観るのをやめろって。
S原:嗚呼、裏切られるのを分かっていてもついつい買ってしまう。そして、家に帰ってパッケージをみながら「これって意外な拾い物かも?」「ひょっとしたら、お得な買い物かも?」とニヤニヤ内容を想像して、実際に観たらガッカリする……これが繰り返される無間地獄よ…前世で良いことをしなかった業(カルマ)やろか?
Y木:知らんわ。はよ映画の内容を話してくれ。
S原:まず、パッケージの赤い髪の女性が主人公。主人公は仕事(OL?)をしています。どうやら、モノマネが得意らしく、職場で同僚に「いつものアレやってよ~」「そうそうモノマネをやってよ~」と頼まれます。調子に乗って、上司のモノマネをしたら、後ろの上司がいてクビになります。これがオープニング。
Y木:なんちゅう人の心をつかまないオープニングや。
S原:そんな主人公に、新しい仕事の依頼が来ます。それは、ある「女性」を目的地(別の星)に宇宙船で連れていくので護衛をしてくれ、との依頼です。その「女性」は、なぜか生卵型のアミアミを頭にのせてるねん。
Y木:なんやねん、生卵って。
S原:宇宙船に乗ります。倉庫に連れていかれます。生卵似の女性は「私はロボットなので、倉庫で十分なのよ」と言いますが、どんな意味があるのかよくわかりません。主人公はヒマです。宇宙船内を散歩していると、なぜか自分そっくりのダッチワイフ(裸♡)を見つけます。
Y木:なんで自分とそっくりなダッチワイフを宇宙船で見つけるねん。
S原:これ、ほんまやねんって。
Y木:百歩譲って、どうせ「クローン」という設定やろ?
S原:説明はありません。そのあと、このダッチワイフの伏線(?)は、なかったことでストーリーはすすみます。
Y木:…ひどいな。
S原:なんとなく話がすすんでいくうちに、宇宙船に警報がなります。「バイオハザードです!危険です!」と説明してくれるわかりやすい警報です。なぜかロボ(レオタードの女性)が、でてきます。主人公に向かって「ニューロゾンビが来るから逃げるのよ」といきなりアドバイスされます。主人公は逃げますが、ニューロゾンビにすぐに出会います。主人公は、ゾンビに向かって叫びます。「ロボット法に従いなさい!」
Y木:ロボット法?相手はゾンビちゃうの?
S原:そして、「なぜ人間を襲うの?」「わたしは地球人なのよー!」と怒ります。そのとき、主人公の目がぴかーと光ります。と同時に、護衛するはずの女性が、ニューロゾンビをやっつけます。
Y木:…意味わからんねんけど?
S原:レオタード女性軍団と、 生卵女性がよくわからない会話をします(2回観ても理解できなかった)。そのあと、なぜか半裸の熟女と半裸のおじさんのキャットファイト場面が挿入されます。これに意味はありません。先に言いますが、これはほんまです。
Y木:……(無言)
S原:次の場面へ。金色のレオタードの女性が寝そべっています。主人公にむかって説明をします。アルタイルがどうとか、自分の種族が絶滅したとか、この星はもっと自然があったとか、どうでもいい話のあとに、やっとすこしだけ大事な話をします。曰く、主人公は『ブラッドマスク』と呼ばれる、希少な種族である、と。なんと、主人公はモノマネが上手いOLではなく、他人の擬態が出来る伝説の種族なのでした。
Y木:えー、そんな貴重な能力をいままでモノマネに使ってたんか…?
S原:はい。才能の無駄遣いです。そのあとも、生卵女がよくわからない説明を続けているあいだに、コードがビヨーンって伸びて主人公の首に巻き付き、主人公は気を失います。目を覚ました主人公の首に噛み跡がついています(なぜか、3つの穴)それを見た生卵女はニヤリ…なんと、生卵女は「吸血鬼」だったのです。吸血鬼の仲間である黒人も登場します。「おれが、さきに嚙みつきたかったのに!」と怒ります。そのあと、しばらく口喧嘩が続きます。それをぼーっと聞いている主人公。
Y木:口喧嘩…
S原:この黒人はすごく健康的です。毎朝、海岸を走ったあと、朝食は野菜ジュースさ!というタイプです。肌もテカってます。いろいろあって、生卵女と健康黒人(吸血鬼コンビ)が、主人公のモノマネ(擬態)を利用して、要人(大使)を暗殺しようとすることがわかります。「主人公に、擬態をしろ!」「われわれに従え!」と迫りますが、主人公は「そんなことはイヤよ」と断ります。主人公にはそんなことをする理由はありませんので。
Y木:そりゃそうやろ。
S原:吸血鬼は、主人公に噛みついたから自分の仲間になると思ってたのに、ガッカリします。なぜか、主人公には「噛みつき効果」はなかったようです(その理由の説明はなし)。さて、主人公は逃げます。いつのまにか、岩だらけの砂の惑星にいます。しばらく歩きます。そして、オジサンが途中で意味なく登場します。職場にいたら、絶対に仕事を頼みたくないタイプの冴えないおじさんです。冴えないおじさんは、主人公にこの宇宙にナゾや惑星の歴史を語りますが、面倒なので省略します。
Y木:もっと省略してくれてもええで。
S原:このあたりから、主人公は黒いレオタード姿です。ちょっとふっくらしたキャッツアイに変身です。オジサンは、キャッツアイ姿をチラチラみます。レオタードが気になります。おじさんは下心が見え隠れします。内海刑事です。
Y木:だれが内海刑事や。
S原:そのあと変なロボットが出てきて、主人公を襲いますが、1分くらいでどこかにいきます。
Y木:…その場面、要る?
S原:下心満載のエッチなオジサンとは一緒にいたくないので別れます。今度は、栄養不足気味の白人(おじさん)がでてきます。栄養不足おじさんは、生卵女と健康黒人が計画している要人暗殺を阻止しようと説得します。主人公の、擬態能力を生かして大使を殺すふりをする(大使はロボットと事前にすり替えて置く)、そのあいだに、生卵女と健康黒人を捕まえる、というよくわからない作戦を決行します。
Y木:ショボい作戦やなあ…
S原:あっさりと作戦は成功します。生卵女と健康黒人がケンカしているあいだに、主人公が操縦室の変なボタンを適当に押してしまい、宇宙船は墜落します。
Y木:ごめん、全然ついていけないんやけど…
S原:だれもついていけないまま、まだ話がすすみます。墜落した場所は、荒野の惑星。健康黒人と主人公の最後の戦いです。緊張感ないまま、ほのぼのムードで戦います。なんとなく主人公は勝ちます。主人公は、まるで超大作SFのラストのように、かっこよく空を眺めるのであった…おしまい。
Y木:……これ、ちょっとひどすぎやろ?
S原:うん。とにかく意味不明な展開の連続で、ひさびさに映画でトリップしそうになった(笑)
Y木:ダメな映画すぎて、面白いってレベルとちゃうの?
S原:いやー、そうでもないのが残念。やっぱり意味がわからなすぎて観ている人がついていけないやろうな。とにかく、レベルとしては、そのへんのダメな映画とは一線を画している…ような気がする。
Y木:もうどうでもええけどな。
S原:さあ、みなさん。友達に「あのさ、ショボい映画ってあるやん」「あー、低予算というかB級、みたいな?」「そうそう、なんかそういう映画を観たい気分やねん」「あー、OK。じゃあ、これがピッタリだと思うよ」そんな会話のあとに、そっと差し出すDVDが欲しいのなら、ぜひこれを選んでください。なかなかの珍品です。勇気のある人は、ぜひチャレンジを~!