
S原:お次はこちら、「ジュラシック・エクスペディション」!
Y木:どうせジャケットのような場面はないんやろ?
S原:はい、ありません!
Y木:………(ため息)
(あらすじ)
宇宙を探索する宇宙船ノヴァ。ある時、未登録の惑星が発見され、居住の可能性と埋蔵資源を探す調査隊が派遣されることになる。リーダーに抜擢されたメイソン中佐が率いるチームがこの惑星に降り立つが、そこは大気こそ呼吸可能だが、恐竜に似た凶暴な生物が生息する危険な惑星だった。体を透明化し、姿を消して忍び寄るモンスター恐竜に襲われていく乗組員たち。果たして彼らは母船が迎えに来るまで生き延びられるのか…

Y木:エクスペディションってどういう意味?
S原:エクスペディション【expedition】 は、登山や探検などを目的とする遠征。また、その遠征隊、という意味らしいです。
Y木:あーじゃあ、ストーリとは合ってるんやな、一応。
S原:これは低予算のSFなんやけど、製作チームのセンスもチープやねん。80年代の亜流エイリアンの雰囲気満々で、あの頃の映画が好きな人は楽しめると思う。
Y木:いや、あの頃の映画が好きな人は、あの頃の映画を観たらええがな。
S原:そう言っては話が終わります。とくに感想が浮かばない薄味すぎる映画の内容を語るミーの身にもなってほしいでござるよ!
Y木:やかましいわ。もっと話す内容のある映画を取り上げろよ。
S原:しかし、これは既視感ありありやったなー。チープなのは沢山観てるから免疫があるねん。だけど、本当にどこかで観たことがある演出やセリフや場面ばかり。まさか2018年発売の映画で、こういうノスタルジーを感じるとは(苦笑)


S原:映画が始まります。ちょっとSFっぽい画像が出た後は、チョメチョメ場面です。それが濃厚で長いくせにエロくない。あなた、よく想像してみてください。
Y木:想像? なにを?
S原:だれも望んでいないチョメチョメを見せられる苦痛を!
Y木:知るか! 想像したくないわ! どうせまた、異星に着いたら恐竜がいたというネタやろ?
S原:そうです。実はこれは、古風とはいえ宇宙船と宇宙空間(惑星)のCGは比較的良い出来やねん。最初の方はストーリーのテンポも良くて、期待したんやけどな。(チョメチョメ場面以外は)
Y木:おまえ、こんな映画によく期待できるよな。
S原:いやはじめだけは、普通の演出やねんって。
Y木:惑星に不時着して、恐竜が出てきたらショボかったというヤツか。
S原:恐竜というか、怪物風エイリアンかな。なぜか透明になるねん。
Y木:はあ、透明。
S原:探検隊は、無人の野原でキョロキョロするだけ。なかなかエコな撮影方法やと感心したで。でも恐竜が襲ってくるときに。必ず姿を現すから、撃たれまくってたけどな(笑)
Y木:頭の悪い恐竜やな。
S原:主人公は男性と、女性型アンドロイド(オーロラ)やと思うねんけど、このアンドロイドが職場に必ず1人はいるタイプの女性やねん。
Y木:どういう表現やねん。
S原:ハイヒールリンゴみたいな感じで、関西で言うとイケズですわ。
Y木:ハイヒールリンゴに怒られるぞ。
S原:一応、凄腕のスナイパーでもあるんやけどな。重い車を平気で持ち上げるし、冷徹で任務至上主義で、さすがアンドロイド!って思ってたら、足を撃たれてやたらと痛がってたわ。
Y木:設定がブレブレやないか。

S原:あと途中で、80年代のミュージックビデオ風の演出になるねん。
Y木:え?
S原:ほんまやねんって。ここは吹き出したわ。80年代シンセのダサいロックがかかって、エイリアンをやっつけるための準備を細かいカットバックで映します。いかにも観客に向かって「さあ、いよいよ戦いだぜ!」「待たせたな!」「みんな応援してくれよな!」って感じの演出ですが、見せ方が下手なので「なんか、バタバタとしてるなあ」と眺めるだけという……
Y木:なんやようわからん。
S原:恐ろしいのは、このミュージックビデオ風演出が、また出てくることやな。今度は恐竜エイリアンと戦っているときに、スローモーションになって低音がピコピコしたBGMが流れる。信じられへんと思うけど、これマジよ? みなさんにここだけ観てほしいわ~。
Y木:そんなもん誰が観るねん。
Y木:最後はどうなるの?
S原:あー最後? 知りたい?
Y木:いや知りたくない。
S原:当ててみなよ、ユー。
Y木:どうでもええけど、どうせエイリアンをやっつけて終わりやろ?
S原:いいえ。
Y木:じゃあ、惑星から逃げて終わり?
S原:いいえ。
Y木:あー大型爆弾でエイリアンもろとも全滅?
S原:いいえ。
Y木:もしかして……途中で……?
S原:イエッサー! 話が途中でブツ切れで終わります。少年ジャンプの打ち切りよりもひどいで。ハイヒールリンゴが暗いところに隠れてジ・エンドよ? そんなことある?
Y木:よくわからん。でも観る価値のない映画ということは分かった。
S原:というわけで、なんにも感想が浮かばない映画でした。もっとひどい映画はあると思いますが、この映画を好きな人はおそらく皆無のような気がします。おススメできません~!
(おまけ:本国の宣伝画像でしょうか。壮大なSFのように思えますね・笑)

