あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

「デッド/エンド」(2003)の巻

デッドエンド [DVD]

S原:今回はこれ。ドイツ映画ですよ!

Y木:ドイツのホラーか。

(あらすじ)

遊びのつもりで48時間後の運命を占った4人の女性に、占い盤は“死”を告げる。所詮はゲームと、その場では誰も信じなかったが…。4人を襲う“予告された死”の恐怖を描く戦慄のオカルト・スリラー。

 

S原:これ、ええ感じのパッケージやろ?いかにもホラーって感じで。

Y木:そりゃ、顔半分が骸骨やから(苦笑)

S原:はじめは不安感を煽る雰囲気ですすんでいくねん。友達4人であつまっているときに、未来(いまから48時間後)を占う遊びをする。まあドイツ版コックリさんやな。このへんはなかなか良いよ。

Y木:ほう。

S原:それで、「死」「黒い男」の2つのキーワードがでてくるねん。これは、誰かが死ぬのか?黒い男に殺されるのか?とみんな不安になるねん。

Y木:なるほどな。

S原:それで、48時間後に(無事を確認するために)再会しようと約束して別れる。あとは、それぞれの友人たちの恐怖のエピソードがオムニバス風に展開していく。ええ感じやろ?

Y木:いかにもB級ホラーやけど、まあまあやん。

S原:1人目のエピソード。大学時代の先生と偶然再会します。この先生は、黒ずくめの格好をしています。「黒い男」なので、不安を感じますが、なんだかんだあって先生のアトリエ(研究場所?)に行きます。変な前衛芸術みたいなものをみているうちに、やばい雰囲気になります。なぜか女性がトイレに入っている無駄なショットがあります。そして「この先生って、もしかして殺人鬼??」と恐怖を感じます。

Y木:おお、それで殺されると。

S原:いや、殺されません。先生は殺人鬼ではありませんでした。
Y木:なにそれ?

S原:要するに早とちり。これで1つめのエピソードはおしまい。

Y木:え、それだけ?

S原:2つめのエピソード。2人目は、職業が医者(女医)です。病院に急患が運ばれてきます。患者は、ブラジルの原住民で黒人。「黒い男だわ!」と怖さを感じますが、治療はちゃんとします。でも、この黒い患者は死にます。おしまい。

Y木:えー…またそんなんで終わるの?

S原:3人目のエピソード。3人目の女性が夜、家に帰ります。すると、同居人(女性)が部屋に男を連れ込んで、チョメチョメの真っ最中です。男は黒い服を着ています。翌朝、起きてみると、同居人はいません。しかもベッドは血だらけです。きっと「黒い男」が殺したんだわ!と疑います。しかも、この男は白人のくせに胸毛がボーボーで本当に黒い体、これぞ黒い男ですなー。

Y木:強引やな。

S原:結局は、友人が帰ってきます。これまた勘違いでした。

Y木:また勘違い…3つとも同じエピソードかよ。

S原:さあ、4人目です。

Y木:もうええわ。

S原:48時間後になっても、4人目だけ集合場所に来ません。3人は、4人目の友人(ピア)の家を訪ねます。すると、なんということでしょう!ジャーン!ピアが死んでいるではありませんか!

Y木:わかった。黒い男に殺されたんやな。

S原:いえ違います。自殺です。

Y木:なんやねん、それ。
S原:ピアは、別れ話のもつれで恋人を殺してしまったのでした。そして自分も自殺してしまったのです。

Y木:じゃあ友達3人は関係ないやん。

S原:いやいや、ここからがスゴイです。主人公の手紙があります。3人は読みます。「こうするしかなかったのよ」「ごめんね」「あなたたち3人に、はじめに(私を)発見してほしかった」といった内容です。

Y木:…すごい自分勝手とちゃう?

S原:ところが、3人はババ泣きです。すごくしんみりとしたムードになります。木下恵介の映画みたいです。

Y木:うそつけ。

S原:そして、4人の友情を確かめ合っって映画は終わります。「よかったね…」「わたしたちの友情は永遠よ…」「これでいいのよ…」

Y木:よくないわ!恋人を殺してしまってるがな!

S原:いやー、ドイツではこれがハッピーエンドみたいね。

Y木:絶対ちゃうやろ。

S原:あと、ふと思ったんやけどな。

Y木:なに?

S原:これ、主演がエディ・マーフィーやったら、どうなってたんやろ?だってはじめから黒い男やん。

Y木:……おまえ、ほんまに今度エディ・マーフィーに会ったら土下座したほうがええぞ…

S原:さあ、みなさん。ホラーだと思ったらお涙頂戴の松竹映画みたいでしたが、面白いか?と聞かれれば、返答できませぬ。珍品映画がすきなあなたは、マストバイですよ!いやー変な映画やったー!