S原:今回はこれ。ドイツ映画ですよ!
Y木:ドイツのホラーか。
(あらすじ)
遊びのつもりで48時間後の運命を占った4人の女性に、占い盤は“死”を告げる。所詮はゲームと、その場では誰も信じなかったが…。4人を襲う“予告された死”の恐怖を描く戦慄のオカルト・スリラー。
S原:これ、ええ感じのパッケージやろ?いかにもホラーって感じで。
Y木:そりゃ、顔半分が骸骨やから(苦笑)
S原:はじめは不安感を煽る雰囲気ですすんでいくねん。友達4人であつまっているときに、未来(いまから48時間後)を占う遊びをする。まあドイツ版コックリさんやな。このへんはなかなか良いよ。
Y木:ほう。
S原:それで、「死」「黒い男」の2つのキーワードがでてくるねん。これは、誰かが死ぬのか?黒い男に殺されるのか?とみんな不安になるねん。
Y木:なるほどな。
S原:それで、48時間後に(無事を確認するために)再会しようと約束して別れる。あとは、それぞれの友人たちの恐怖のエピソードがオムニバス風に展開していく。ええ感じやろ?
Y木:いかにもB級ホラーやけど、まあまあやん。
S原:1人目のエピソード。大学時代の先生と偶然再会します。この先生は、黒ずくめの格好をしています。「黒い男」なので、不安を感じますが、なんだかんだあって先生のアトリエ(研究場所?)に行きます。変な前衛芸術みたいなものをみているうちに、やばい雰囲気になります。なぜか女性がトイレに入っている無駄なショットがあります。そして「この先生って、もしかして殺人鬼??」と恐怖を感じます。
Y木:おお、それで殺されると。
S原:いや、殺されません。先生は殺人鬼ではありませんでした。
Y木:なにそれ?
S原:要するに早とちり。これで1つめのエピソードはおしまい。
Y木:え、それだけ?
S原:2つめのエピソード。2人目は、職業が医者(女医)です。病院に急患が運ばれてきます。患者は、ブラジルの原住民で黒人。「黒い男だわ!」と怖さを感じますが、治療はちゃんとします。でも、この黒い患者は死にます。おしまい。
Y木:えー…またそんなんで終わるの?
S原:3人目のエピソード。3人目の女性が夜、家に帰ります。すると、同居人(女性)が部屋に男を連れ込んで、チョメチョメの真っ最中です。男は黒い服を着ています。翌朝、起きてみると、同居人はいません。しかもベッドは血だらけです。きっと「黒い男」が殺したんだわ!と疑います。しかも、この男は白人のくせに胸毛がボーボーで本当に黒い体、これぞ黒い男ですなー。
Y木:強引やな。
S原:結局は、友人が帰ってきます。これまた勘違いでした。
Y木:また勘違い…3つとも同じエピソードかよ。
S原:さあ、4人目です。
Y木:もうええわ。
S原:48時間後になっても、4人目だけ集合場所に来ません。3人は、4人目の友人(ピア)の家を訪ねます。すると、なんということでしょう!ジャーン!ピアが死んでいるではありませんか!
Y木:わかった。黒い男に殺されたんやな。
S原:いえ違います。自殺です。
Y木:なんやねん、それ。
S原:ピアは、別れ話のもつれで恋人を殺してしまったのでした。そして自分も自殺してしまったのです。
Y木:じゃあ友達3人は関係ないやん。
S原:いやいや、ここからがスゴイです。主人公の手紙があります。3人は読みます。「こうするしかなかったのよ」「ごめんね」「あなたたち3人に、はじめに(私を)発見してほしかった」といった内容です。
Y木:…すごい自分勝手とちゃう?
S原:ところが、3人はババ泣きです。すごくしんみりとしたムードになります。木下恵介の映画みたいです。
Y木:うそつけ。
S原:そして、4人の友情を確かめ合っって映画は終わります。「よかったね…」「わたしたちの友情は永遠よ…」「これでいいのよ…」
Y木:よくないわ!恋人を殺してしまってるがな!
S原:いやー、ドイツではこれがハッピーエンドみたいね。
Y木:絶対ちゃうやろ。
S原:あと、ふと思ったんやけどな。
Y木:なに?
S原:これ、主演がエディ・マーフィーやったら、どうなってたんやろ?だってはじめから黒い男やん。
Y木:……おまえ、ほんまに今度エディ・マーフィーに会ったら土下座したほうがええぞ…
S原:さあ、みなさん。ホラーだと思ったらお涙頂戴の松竹映画みたいでしたが、面白いか?と聞かれれば、返答できませぬ。珍品映画がすきなあなたは、マストバイですよ!いやー変な映画やったー!