あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

酷評されてる映画を観てみる!「NIN × NIN 忍者ハットリくん THE MOVIE」(2004)の巻

S原:今回は、これですよ、ニン!

Y木:藤子不二雄Aのマンガやな。

(あらすじ)

  忍者ハットリくんこと、服部カンゾウは、父ジンゾウに最後の修行として課せられたのは「主以外には誰にも知られずに、現代の江戸で暮らせ」というものだった。さっそく東京にやってきたカンゾウは、小3のケンイチを主に選ぶ。カンゾウの忍術の数々に驚きながらも、ふたりの間には友情が芽生えていくのだが…

 

S原:われわれ世代には懐かしいやろ。この映画自体も劇場公開されたのが15年以上前やから「ああ、あったなあ。こんな映画…」っていう人が大半やろな。

Y木:これは、酷評されてる映画の括りなんや?

S原:うん。まず有名作なのにレビューが少ない。あっても「ひどい」「最低」かもしくは、「退屈ではないけど」「わりとマシ」、そんなんばっかり。

Y木:そういうおまえもつっこむためにこの映画を観たやろ?

S原:最初は思いっきりバカにして観始めた。でも、ちゃんと最後まで観れるねん。

Y木:ほんまかいな。

S原:本当でござる。これはこれでええと思うで。

Y木:どういうところが、ええの?

S原:この映画は、完全に子供向きで作られてる。要するにテレビドラマの2時間版やな。製作者も出演者もそれを理解して仕事してる。これでいいと思う。同じ香取慎吾主戦でも「座頭市」(2010)よりも断然良いよ。

Y木:あれと比べたらあかんやろ(苦笑)それにしても子供向きか。ドラえもんの映画みたいなもんか?

S原:基本的には同じと思うけど、あれよりもさらに低年齢向けかも。それにアニメでなく実写やから、ちょっと印象が変わるかな。香取慎吾が忍者姿で登場したときは、メチャクチャ違和感あるしな。え?ハロウィンのコスプレ?って(笑)

Y木:コスプレやと観客に思われたらダメでしょ。

S原:不思議なことに観ているうちに慣れる。毎回、すごい薄味のカレーを食べてたら、それがスタンダードになるみたいなもんでござるよ。

Y木:なんか例えが間違ってるような気がする。

S原:このブログで取り上げるのは、ほとんどB級映画ばっかりやけどな。B級映画のくせに、欲張ってちょっとテーマを複雑にしたり、思わせぶりな場面かカットがあったりして鼻白むことがあるやん。

Y木:B級映画のくせに…って。好きで観ているくせにおまえが言うか。

S原:まあな。どこかA級面したりするときってあるやろ?でもこの映画では、まったくない。もうこれは完全にテレビ&子供向けと割り切っていて、いっそ気持ちいい。

Y木:へえ、意外とおもろいんや?

S原:いや、しょーもないよ。

Y木:どないやねん!

S原:こんなん、大人が観て楽めるわけないやん。

Y木:おまえなあ。子供向けはええけど、おまえは大人なんやからな。わざわざ取り上げて、性格悪いぞ。

S原:でもワゴンコーナーで出会ってしまったでござるよ、ニン!

Y木:スルーしろよ。まあええわ。ストーリーはどうなん?

S原:べつに大したことない。①山奥に住んでいる忍者が、都会に修行にくる。②小学生の家に住む。仲良くなる。③悪者が襲ってくる。やっつける。それだけ。

Y木:せめて起承転結にしてくれよ。

S原:でもこういう映画は単純で、それぞれの場面を工夫して面白くしたらええと思うで。

Y木:どんな工夫があるの?

S原:たとえば、忍者が新幹線より速く走るとか、都会に出てきてマヨネーズを食べて感動するとか、寝るときは天井に張り付いて寝るとか。

Y木:地味やなあ…

S原:まあそういう映画やったよ。でもイッツ・オーライトでござるよ。しかも特典映像では、映画館の舞台挨拶もあります。出演者のみなさんも、なかなか場の空気を読むのが上手かった。みんな、ごくろうさま!

Y木:……なんで上から目線?

S原:さあ、みなさん。レンタル店でジブリばっかり子供が借りたいとぐずったときは、これですよ。ジブリよりも面白いのかって?そんなことをわたしに聞いてもらっては困るでござるよ。さあ、みんなで一緒に!ニン!♪