あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

酷評されている映画を観てみる!「カットスロートアイランド」(1996)の巻

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Y木:あー!この映画!

S原:バカな映画として、みんなからバカにされているこの映画を語りますよ!

 (あらすじ)

時は17世紀、カリブ海。女海賊モーガン・アダムスは、殺された父が遺したラテン語の地図を手がかりに、財宝を手に入れ、同時に復讐を果たそうと志す。陸に上がり、ラテン語が読めると自称する元詐欺師の奴隷ウィリアムを買ったところで、正体が露見。海賊討伐隊に追跡されるが、モーガンはウィリアムとともに大立ち回りの末、手下の待つモーニング・スター号に戻る。いよいよ、宝探しと復讐の大冒険の幕が上がった!

 

S原:ぼくが、個人的に『3大バカ監督』って呼んでる奴らがおるねんけどな。

Y木:だれ?

S原:ローランド・エメリッヒマイケル・ベイ、そしてレニー・ハーリン

Y木:そりゃスゴイ面子や(笑)

S原:しかも本人達は、自分たちの映画が大好きだというところがなんともまた(笑)

Y木:『自分大好きなタイプ』やな。ウォルター・ヒルトニー・スコットも入れてあげたら?

S原:いや、あいつらは、ハズレも多いけど、たまに面白い映画を撮るから許せる。

Y木:なんで上から目線やねん。それで、この映画はどうやった?

S原:実は今回初めてみたけど前評判通り、面白くはないです(キッパリ)

Y木:やっぱり酷評されても仕方ない出来?

S原:うーん。でも、ボロクソに言われる出来でもないような気がする。

Y木:そうなんや。映画自体はちゃんと出来てるんや?

S原:いやー、ちゃんと出来てはないで。

Y木:じゃあアクションがすごいんや?

S原:いやー、あんまり切れ味がなかったな。

Y木:役者はどうやった?

S原:いやー、役者の良さは出てなかったな。

Y木:ヒロイン(ジーナ・デイビス)が、ええんとちゃうの?

S原:いやー、兵庫県・尼崎の商店街を歩いているおばちゃんみたいやった。

Y木:衣装とかセットが良いんとちゃうの?

S原:いやー、べつに。コミケのコスプレみたいやった。

Y木:キーーーーー!(怒)

S原:なんやねん。

Y木:もー!さっき、「酷評するほどヒドクない」と言ってたやないか。

S原:なんで怒るねん。いやその通りやねんで。酷評するほどはひどい出来とは思わんかった。そうやな、どういえば伝わるのかなあ。なんかこの映画は、とにかく全編「ぬるい」ねん。

Y木:ぬるい?

S原:温泉旅館に行くとするやろ?結構、お金のかかった旅館の玄関やねん。ロビーには、高そうな動物の剥製や屏風が置いてたりする。カーペットもキレイ。浴場もわりと豪華やし、ちょっと凝った部分もある。でも、湯船に浸かると「あれ?」と思うねん。

Y木:なにがアレなん?

S原:なんか微妙に思てた温度とちゃうねん。自分の好みよりすこし温度が低いというか。それで、体でも洗おうかなと洗い場のイスに座ったら、どうも居心地が悪いねん。まあ腹立てることもないかなー、こういうこともあるよなー、と思いながら体を洗う。洗った後に風呂に入ってもやっぱり温度に違和感を感じる。全然ノンビリできない…なんか違う……こういう感じ。分かる?

Y木:分からんわ!

S原:まあ、しょぼい温泉を楽しむ人もいるから、人それぞれやけどな。「ぬるい」感触を楽しめる人なら、この映画はバッチグーやと思うで。ただ問題は、『大金をかけてぬるい映画を使ってしまった』というところやろな。

Y木:あー、たしかギネスに載ってなかった?

S原:そうそう。「最も興行赤字が大きい映画」でギネス認定。

Y木:ダサいなー……

S原:ごっついお金をかけてるのに、全編どことなくB級映画感が漂う……それが監督のセンスかどうかはわからんけど、お金をかけてる分「ふざけんな、こんなショボい映画を作った責任をとれよ!」と責められるという。

Y木:結局、観に行った人は「お金がかかった映画でスゴイ映画ちゃうやろか」「すごいスペクタクルシーンがあるんとちゃうか」と期待してるわけやからな。そりゃ、ショボい映画やと怒るやろ。

S原:うん。上級ロースのトンカツを食べに行ったのに、駄菓子のビッグカツがでてきたら、だれでも怒るもんなー。

Y木:それも、ごっつい高価な皿にのせられて運ばれてきたりしてな。

S原:そうそう。この映画はビッグカツやねん。わざわざ、レストランにビッグカツを食べに行かないってことやな。

Y木:なんとなくわかった。それはええけど、内容について全然話してないけどええの?

S原:まあ他のサイトでみんな紹介してるから、そっちをみてちょうだい。

Y木:適当やなー。宝探しの映画やろ。宝を探す方法とかドキドキワクワクはないの?

S原:地図がカギになってるけど、平凡やった。ここがもう少しピリッとしてると、映画の印象が変わったはず。ほかにも工夫がなくて、伏線も工夫もなく地図を奪い合うだけ。

Y木:目的はお金?

S原:そうです。単純に「お金が欲しいから」。欲望丸出しの主人公です。

Y木:共感出来へんなー。

S原:あと実物大の海賊船の名前は「モーニングスター」。名古屋の喫茶店みたいやろ。

Y木:あー小豆が主食やろうな。「5分に一度、罠がある」という宣伝文句やったけど?

S原:いやべつに。普通やった。でもクライマックスの実物大の船が爆発するところは、すごいよ。一瞬で〇億という金が消える瞬間が見える。そこは凄いよ。

Y木:いまならCGやろな。

S原:うん。最近のCGは凄いから、たぶんこの映画と同じクオリティで再現できると思う。そう考えると、ちょっと可哀そうかもな。

Y木:まーあれちゃう?歴史には名を残したんとちゃう?『話題作でしょーもない映画を撮った男』として。

S原:たしかにな。さあみなさん、意外と未見の人が多いですが、海賊映画が好きな人は楽しめると思いますよ。魅力的でないヒロイン、観た後に顔を忘れてしまうヒーロー、そしてでてくるキャラはすべて自分の欲望だけで行動する奴らばかりというゲンナリする映画ですが、一度味わってくださいませ。「パイレーツ・オブ・カリビアン」を100倍くらい薄めた映画ですが、関西人なら薄味好みなのでイッツオーライト!そろそろレンタルでもなくなってきているので、見つけたらゲットですよ!