S原:ほとんどの人が知らない日本のホラー3番勝負、最後はこれ!
Y木:黒猫の祟り…いまどき?
(あらすじ)
再開発事業に揺れる平穏な町。そこに事業関係者が無残な死体となって発見される。その人間技とは思えない程の凄惨で猟奇的な殺人事件に、町の人々は“神の祟り”だと噂する。そこには知られてはならない町の秘密があった…。
S原:これは、2000年製作やけど、昭和の風味満載やねん。
Y木:演出?
S原:演出はもちろん、俳優の雰囲気もどこことなく古臭い(笑)
Y木:怒られるぞ、おまえ。
S原:よく昔に、テレビの地方局でお昼に夏休みの子供向けに、恐怖ドラマを作ってたやん。こどもが、かき氷とかたべながらドキドキして観る、みたいな。
Y木:あーなんとなくわかる。
S原:昭和って感じの雰囲気。あれやねん。
Y木:要するに怖くないし、古臭いと?
S原:そのとおり。
Y木:どんな話?黒猫が祟ってくるの?
S原:黒猫というよりも、地方のまつわる言い伝えとかかな。
Y木:横溝正史みたいな?田舎の因習とか?
S原:あ、あんな重みはありません(笑)地方の街が舞台やねんけどな。そこでは再開発の話があって地上げ屋(チンピラ)が、土地の買収交渉にきてるねん。その1人が山の中で殺される。犯人は分からない。街では「祟り」だと噂するねん。
Y木:祟りって?
S原:この地方には、山川家が代々、獣の神の力を継承して来たという言い伝えがあるねん。その娘が主人公(中原果南)。弟は車いすで、姉弟の2人で生活してるねん。やがて、主人公の恋人(本宮泰風)がこの街までやってくる。この恋人は民俗学を研究している奴やねん。そこで、次々と起きる殺人事件と、主人公の家(山川家)の過去や祟りを調べていく…という話やな。
Y木:定番やな。
S原:オーソドックスといえばそうなんやけどな。やっぱりちょっとな(苦笑)
Y木:そうなんや。いや、そうやろうな(笑)
S原:全体的に演出が泥臭いうえに、画像もザラザラ、いかにも2時間ドラマ風の演技…まあ劇場映画として公開したわけじゃないし、これはこれで楽しめばええと思うけど、やっぱり怖い場面が下手やから、期待外れと言わざるを得んなあ。
Y木:こんなんに期待するほうがおかしいって。DVDのパッケージみたらわかるやん。それで結局どうなるん?
S原:恋人は、じつは地上げ屋からお金をもらっていました。主人公の弟が飼っていた黒い猫が、どうも殺人をしていたらしいと分かる。代々伝わる獣の神というのは、じつは猫だったのです!
Y木:実は、と言われても…
S原:いろいろあって、主人公の恋人は死にます。最後は、黒猫と対決です。近くに住むさえない男(布川敏和)が助けてくれようとしますが、死にます。弟も死にます。主人公はたったひとりきり生きていくのです…黒猫とともに…
Y木:なんやねん、それ。全然おもろないやん。
S原:こんな映画、おもろいわけないやん。
Y木:おいおい。それで肝心の黒猫は場面は怖くなかったの?
S原:黒猫はでてこないねん。
Y木:え?
Y木:なんか、猫の爪だけでてきたわ。
Y木:なんやねん、それ。
S原:ほんまやねんって!「みゃー!」って叫んで、目の前に黒い空間が広がって、CGの猫の爪が飛び出してくるねん。
Y木:はあー(ため息)
S原:というわけで、みなさん。黒猫をみかけるだけで、恐怖を感じるような人、昔懐かしい昭和ドラマの恐怖演出が好きな人はOKですよ。さあ、黒猫を見かけたらいっしょに「みゃー!」
Y木:なんか今回はやけくそやな。