あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

マイナーな和製ホラー3番勝負「櫛笛」(2005年)の巻

櫛笛 [レンタル落ち]

Y木:マイナーな日本のホラーか…たくさんありそうやな。

S原:今回は、3本勝負ですよ!

 (あらすじ)

バラバラ死体が発見された町で、理容室を開き新たな人生を始めるはずだった洋子。ある日、駐在からその理容室で過去にバラバラ殺人事件があったことを告げられ、以来不可解な事件が起こり始める。

 

S原:これは映画というかオリジナルビデオやねん。70分しかないねん。

Y木:短いな。

S原:コンパクトにまとまってるかな、と期待したんやけどな。ちょっとな…(苦笑)

Y木:毎回、そんな期待を裏切られてるやん。で、どんな映画?

S原:主人公(女性)は理容師やねん。美容室じゃなくて、昔からあるような散髪屋を1人で経営している。じつは、2年前に娘を殺害されてるねん。

Y木:かわいそうに。

S原:ある日、散髪の出張で病院に行き、ユキという少女と出会う。病院関係者から、ユキの母親も殺害されてることを聞かされる。それと前後して、怪異な現象が身の周りに起きて……という話やな。

Y木:結構、わかりやすいな。

S原:うん。ストーリーは単純やし、登場人物も数人という設定やから、あとはいかに怖い場面を演出するか?やな。

Y木:怖い場面って?

S原:黄色いレインコートを着た子供、ハサミ、櫛、人形、こういうのが怖がらせるための小道具になっている。

Y木:うーん、いかにもな感じが…

S原:全体としてはわりとちゃんとしてるねんけどな。太陽の自然光とセットでの照明と影の使い方も上手いし、理容室の雰囲気もなかなか良いねん。低予算なのはバレバレやけど、工夫をしているのはよくわかる。

Y木:怖いの?

S原:それが……怖くない(笑)やっぱり恐怖を感じさせる演出が良くないねんなあ。あんまり詳しくないけど、いままでの日本のホラー映画(とくにJ-ホラー)の雰囲気を踏襲しているという感じかな。でも、演出に切れ味がない。

Y木:切れ味?

S原:さっきも言ったけど映画全体はまずまずやねん。だけど、肝心の恐怖の演出がありきたりすぎるねん。どこかでみたような感じの演出で、驚きも怖さもないねん。やっぱりホラーを観るのは、「え?」とか「あ!」と驚くような体験をしたわけやん。ちょっと残念やったな。

Y木:ありきたりか。新鮮味がない?

S原:そうそう。なんかどこかで観たことがある感じがするねん。なかなか恐怖演出は難しいよな。

Y木:そうやろな。殺人事件がテーマやろ。犯人はでてくるの?

S原:でてくる。ハサミをもった殺人鬼が犯人。逆光で顔が見えないまま、足を引きずりながら、主人公と少女に近づいてくる…ハサミから血がポタポタと落ちて…やりたいことはわかるけどな(苦笑)

Y木:最後はどうなるの?

S原:ラストシーンはなかなか良いねん。殺人鬼から逃れた主人公と少女が、2人で理容室にいる。主人公は、少女の髪を切っている。娘を失くした女性と、母を亡くした少女が会話もなく、静かに時間が流れていく。ここでおしまい。ぼくはラストシーンが一番好きやな。

Y木:へえ。

S原:あとは映画が終わった後に、おまけ映像がある。

Y木:おまけ?

S原:撮影しているときに怪奇現象がおきてたらしい。

Y木:怪奇現象って?

S原:撮影しているときに、変な声が入っていたらしい。それが収録されています。

Y木:ほー、リアルなんや。どうやった?

S原:何回聞いても、その声は聞こえんかった(苦笑)

Y木:なんやねん、もう。

S原:さあ、みなさん、ひどい出来ではないですが、怖くもないです。ほかにとくに印象に残りません。主演の浅野麻衣子はなかな良いですが、とくにセクシーシーンもありません。ハッキリ言って困ったちゃんの映画です。そんな映画でもよいというあなた!ホラーならなんでも良いというあなた!あなただけですよ、こんなDVDをゲットするのは!ワゴンセールでみつけたら、さあレジへレッツゴー!

Y木:要らんわ、こんなん。