あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

(たぶん)一部の人しか知らない日本映画を12本観てみる!「死ガ二人ヲワカツマデ・・・/第二章 南瓜花-nananka- 」(2012)の巻

死ガ二人ヲワカツマデ… 第二章 「南瓜花-nananka-」 [DVD]

S原:今回は、なんとも不思議なこちらの映画!

Y木:第二章?

(あらすじ)

現在の医学では治せない病を抱える人たちが長期療養する、田舎の小さな病院──設備も人員も最新とはいかないまでも、のんびりとした空気を湛えた稲葉病院。ここで徐々に視力を失う病に冒された新田怜羅(藤江れいな)はそれでも、担当医の中里(豊永利行)や看護師、患者たちに支えられ、希望を胸に日々を送っていた。しかし、病院で患者による不可解な自殺事件が相次ぎ、人々を不安におとしいれる。果たして、彼らは本当に自ら命を絶ったのか──?やがて、恐怖にかられる怜羅の身にも……中里は彼女を守り抜くことができるのだろうか。

 

Y木:おまえ、第一章は観たの?

S原:観てない。第一章は「色ノナイ青」という作品で、裏社会で生きる男と少女の話みたい。どうもそれぞれ独立した作品らしいから、まあええかと思って買ったんやけどな。

Y木:これ、キャストのファンが観るタイプの映画やろ。

S原:うん。豊永利行(SET)、藤江れいな(AKB48)、粟根まこと(劇団☆新感線)、中谷さとみ(劇団☆新感線)、保坂エマ(劇団☆新感線)、宮内洋。これだけで、もう観客が限定されていることが分かる。だって、どう考えても普通の高校生のアベックがこれを観に行くとは思えんもんなあ。

Y木:まあ、そういう映画があってもええと思うけど、どうなんやろ。ええ年のおっさんが観るもんではないよな。

S原:おっしゃる通り(笑) 大前提として、面白ければアイドル映画でもZ級でもOKというスタンスで観てるんやけどな。これはなあ。

Y木:安っぽいホラーなんやろ?

S原:いや、ホラーではなかったかな。

Y木:あ、ミステリーか?

S原:いや、ミステリーでもなかったわ。

Y木:ストレートに恋愛もの?

S原:いや、恋愛ものでもなかった。

Y木:怒ーーーー!

S原:なんやねん。

Y木:ちゃんと言えって。

S原:いや、この映画はジャンルで言うのは難しいねんって。まず舞台は地方にある小さな病院です。オープニングは韓流ドラマみたいな、明るい感じでキャストが紹介されます。

Y木:ほう韓流か。

S原:この病院では、長期療養のための施設やねん。昔ながらの古い設備が残っている病院で、そこで働く医師(豊永利行)が主人公。徐々に視力を失っていく患者(藤江れいな)の主治医です。アットホームな雰囲気なんやけど、患者の自殺が続いてしまう。

Y木:展開はホラーやん。

S原:でも、映画が始まってしばらくはコメディ風ドラマやねん。

Y木:なにそれ?

S原:ほんまやねんって。観てもらうしかないけど。あ、DVD欲しい?

Y木:要らん。

S原:ほんまに要らんの?

Y木:要るか! はよ、映画の話の続きを言えって。

S原:この映画はしいて言うなら、医師と患者の心の交流がメインなんやけど、どうもな。あらすじは上の通りで、病院内で自殺者がでる。そんな中、主人公の隣のベッドに女性の患者がいることに気付く。主人公は目が悪いけど、声は聞こえるから、会話をするのよ。その女性が「わたしは未来が見える」とか「患者が自殺しているのは、私が殺したから」と言うので、主人公が驚いていると「冗談よー」と言って主人公を困惑させる。

Y木:その隣のベッドにいる女性は幽霊?

S原:本当にいます。そんな中、医師の豊永利行は、患者である藤江れいなを食事に誘う。藤江れいなは、医師に淡い恋心があって喜ぶのよ。

Y木:ええんか?医師が患者を食事に連れて行くなんて。

S原:本当はあかんやろうな。さすがにノンアルコールを飲んでたけどな。そこで主人公も「絶対に、きみの眼を治す!」と熱く伝えて、このへんは恋愛映画っぽくなる。

Y木:はあ。

S原:一方で、隣にいる不思議な女性患者が、変な幻覚をみたりする場面があって、いよいよホラーになると思って観ていると、今度は豊永利行が転勤(大学病院に行く)というエピソードになります。藤江れいなに対して「きみの眼を治す」と言ってしまっているから、豊永は悩む。ここは医療ドラマになります。

Y木:…はあ。

S原:で、こんどはまた隣のベッドの謎の女性が幻覚を見て「あ!そういうことか!」「はやく、知らせないと!」と、突然なにかの真相(連続自殺の真相?)に気付きます。そのあと、苦しみだして「運命には逆らえないのか…?」「もっと生きたい…!」と苦しんで、そこに甘いBGMが流れてここは難病映画になります。

Y木:……はあ。

S原:で、そのあとは「これは自殺なんかじゃない」「連続殺人だ!」と、豊永利行が叫びます。

Y木:やっと、その話か。

S原:結局、催眠状態(?)で操られていた職員が犯行をしていたようですが、ここはよくわかりません。ゾンビみたいにゆっくりと追いかけてくる職員たち。豊永利行藤江れいなは、ゾンビ(?)から逃げて屋上に行きます。まあ、そういう感じで映画のジャンルも演出も二転三転しながら、話はすすみます。

Y木:まあ、一応最後はホラーになるんやろ?

S原:いいえ。

Y木:もしかして、夢オチ?

S原:それに近いです。SFです。

Y木:SF?

S原:詳しくは言いませんが、SF的なホラーサスペンスになります。そのあとは、患者同士が泣きあう場面になって難病お涙頂戴の映画に変化します。やれやれ、ここでおしまいかと思っているとまだ続きがあります。そのあと藤江れいなは、豊永利行の転勤先(大学病院)に会いに行きます。2人は再会します。そこは昔のトレンディドラマのラストシーンみたいになります。ただし、渡すのは指輪でなくカボチャです。

Y木:カボチャ…? なんやよくわからんな。

S原:そういう映画やったよ。かぼちゃは伏線があるから、まあええねんけどな。映画全体としては、一応理解できるし意味不明ではないけど、もっとスッキリと作ったらいいのになあ。というのは、豊永利行藤江れいなも結構良いねん。ちょっともったいないかな。

Y木:今回はどうなん。おススメしにくい?

S原:ファンならアリです。他の人はわざわざ観なくても、という感じです。というわけで、みなさん。健康には気を付けましょう~! 映画ばっかり観ちゃダメですよ~!

Y木:お・ま・え・が・言・う・な!