あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

ほぼ誰も知らない邦画 20連発!「地下の中心で愛を叫ぶ!」(2014年)の巻

地下の中心で愛を叫ぶ! [DVD]

 

S原:あまり知られていないであろう日本映画を紹介するシリーズ、今回はこちらですよ。

Y木:うわー、こんな映画誰が観るんねん……

S原:ひどい言い方やな。そんなに悪くないねんで。

 

(あらすじ)

ライブハウスの終演時間はとっくに過ぎているのに地下アイドルヲタクの相田(鳥羽潤)はお目当ての女子と握手してご機嫌、そこへ次の出番のヴィジュアル系バンドのファンがなだれこみバンギャの紗智(桃瀬美咲)が「てめぇー、きめえんだよ! 」相田にパンチを見舞う。それが二人の出会いだった…。やがて相田と紗智は仕事先で偶然出会い、いつしか惹かれ合っていく。
そんな中、二人が応援する地下アイドルとヴィジュアル系メンバーの熱愛疑惑が発覚、双方のファンは激昂し、地下アイドルヲタクVSバンギャチームの悪質ないやがらせ合戦が繰り広げられる…。

 

Y木:しかし、いまどきこんな映画を作るヤツがおるねんなー。

S原:まあテレビドラマみたいなんやけどな。やっぱりこういうタイプの映画が成功するカギは、主人公たち(出演者たち)が魅力的に撮られているかどうか?やと思うねん。

Y木:そうやろうな。

S原:この作品の2人(鳥羽潤桃瀬美咲)は良かったで。桃瀬美咲は、ホリプロスカウトキャラバンで特別賞をとったらしいから、ホリプロとしても売り出したかったやろうな。

Y木:それで売れたの?

S原:いやー。こんな映画に出演しても売れへんやろ。

Y木:なんやねん、さっき褒めてたやろ。

S原:2人は良かったよ。桃瀬美咲は役柄のわりに化粧が濃いように思うけど、昼間はOL、夜はバンドのオッカケと言う感じもよくでてた。鳥羽潤は桃瀬に殴られたあとの不満げな表情がよかった。でもなんというか…観た人全員が言うと思うけど、やっぱり低予算やねんなー。撮影場所もライブハウス、会社のオフィスくらいしか使っていないし、場面が変わっても登場人物はほとんど毎回同じ服を着ている(笑)そもそも、ファン同士の戦いがエスカレートするっていうストーリーやけど、アイドルのファンは7人くらい。バンドのファンは5人くらいしかおらへんから。

Y木:でも、おまえは、今回は低予算でも面白いかどうかというスタンスで、観てるんやろ?

S原:まあな。映画の出来としてはまあまあやねん。主人公の男女が敵対関係なのに恋愛に落ちてしまう、というのがメインストーリーやけど、いつのまにか恋人関係になってたわ(笑)そうそう、この映画では面白い場面があるねん。主人公2人がデートに行くねんけど、水族館とか公園とか全部チープなCGの背景で会話するだけやねん。CGも小学生の絵のようなレベルをわざと使っていて、低予算を逆手に取っている感じでて面白かった。予算があるはずの「ビバリーヒルズコップ3」の背景に必要のないCGを使ってたのと比べたら、こっちに軍配をあげたい気分やな。

Y木:その2本を比べて論評したのは、世界でおまえだけやと思うで(笑)

S原:サンキュー。予算とか製作費のことを言うと、地下アイドルとかバンドのシーンが1曲丸ごと収録されてるから、宣伝というかタイアップもあったんやろうと想像できるな。

Y木:えーバンドとか、地下アイドルが1曲まるごと歌うシーンがあるの?

S原:70分しかない映画やのに、ちゃんとあります(笑)地下アイドルは涙-NAMIDA-というグループ。、ビジュアル系バンドはBlitzというバンド。ファンには悪いけど、まー売れないだろうなあ…というのが正直な感想かな(笑)この人たちは、たぶん本物やろうから、実際のライブの雰囲気はよく再現されてると思うけど。

Y木:地下アイドルかー。まったく興味のない世界やなあ。

S原:じつは、ぼくは地下アイドルを観に行ったことあるねん。東京出張のときに、酔った勢いでオジサン3人と秋葉原に見に行ったのよ。地下アイドルのグループのCD発売記念ライブやったかな。

Y木:うわー気持ちわるー…

S原:すまんねえ(笑)1000円のCDを購入したらライブが無料で観れるという企画やったんやけど、CDはなぜかアダルトDVDコーナーで売ってるし、会場も会議室みたいな場所やし、椅子はパイプ椅子やし、お客さんは僕らのほかに7人しかいないし、熱心なファンには「おめーら、冷やかしだろー」とチラチラ見られるし、ものすごい気まずかった…ライブは30分で、持ち曲がないからシングルの2曲を2回ずつ唄った(笑)ライブが終わって、すぐに帰ろうしたら、抽選コーナーがはじまってスタッフに無理やり並ばされた。しかも抽選があたって、2ショット写真も撮られた(苦笑)

Y木:むこうも嫌やったやろうなあ…冷やかしに来たオッサンと写真なんて。

S原:もう酔いは完全に冷めてたし、本人たちは真剣やろ?なんか悪いことしたような気がしてなあ…しかもアイドルと握手したら「冷やかしでもなんでも嬉しいです。また来てくださいね。約束ですよ♡」と言って、ジッと眼をみて手を離さないんやで。「さすが地下アイドルは、こうやってファンを増やすんかー」と感心したわ。

Y木:可愛かったの?

S原:いや全然。ふつうの娘たちやった。

Y木:そうやろうな。

S原:まあ、つぎに東京にいったときは、金券でも差し入れしてやろうと思ってるんやけどな。

Y木:ハマってるやないか。

S原:なんか応援してあげないと可哀そうやから…現金のほうがええやろか?

Y木:ほんまにキモイから、やめろって。頼むから。

S原:まあ、あのあとすぐに解散したんけどな。

Y木:なんやねん。

S原:なんで解散しちゃったんだよおお!#ドルーチュ(ハッシュドルーチェ)!

Y木:地下アイドルのグループ名をだすなって!もうええから、映画の話にもどってくれ。

S原:この映画に話を戻すと、これはこれでええような気がするねん。別に完成度とか求めたりするタイプの映画じゃないと思うしな。でも、レンタル店では、ちゃんと製作費がかかっている映画と横に並べられたりするやろ?「タイタニック」の横に並べられると、ちょっとキツイよな。そういう意味では可哀そうかもな。

Y木:いやー、いつもどうでもええわ!とか突っ込んでるけど、今回はほんまにどうでもええなー。

S原:さあ、みなさん映画自体は可もなく不可もなくですが、地下アイドルとかライブハウスにでている売れないバンドとか、その周辺に興味がある人はたぶん楽しめます。青田買いするのが好きな人、知られていない芸能人を観るのが大好きな人、とにかくマイナーな邦画をゲットしておきたい人は、マストバイです!ここに出ている人があとで有名になったら、このDVDが高価で売れるかも、ですよ!

Y木:そんなことはない、絶対に。