あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

日本産オムニバス映画祭り!「怪奇!アンビリーバブル 連鎖!呪いのチェーンメール」(2007年)「怪奇!アンビリーバブル 霊媒師・門外不出コレクション」(2004年)の巻

怪奇!アンビリーバブル 連鎖!呪いのチェーンメール [DVD]

 怪奇!アンビリーバブル 霊媒師・門外不出コレクション [DVD]

S原:今回のオムニバス映画祭りは、この2本です。以前からレンタル店の隅にひっそりと置かれている実録心霊系(?)のDVDを、ワゴンコーナーで2本ゲットしましたので取り上げます。それにしても、この手のシリーズは大量にありますが、ほとんどの人は観たことがないはず…というか普通はスルーしますよね(笑)正直に言ってわたしもドキドキの初体験でしたが、一体どんなものだったのか?では、スタート!

 

(怪奇!アンビリーバブル 連鎖!呪いのチェーンメールのあらすじ)

一般視聴者から寄せられた恐怖体験をまとめた心霊ドキュメンタリーシリーズ最新作。呪われた投稿心霊写真の数々を紹介し、その裏に潜む驚愕の真実に迫る。直視できない恐ろしい映像の数々が、観る者すべてを震え上がらせること間違いなし。

 

(怪奇!アンビリーバブル 霊媒師・門外不出コレクション)

投稿された心霊写真の紹介と、その裏に潜む呪われた真実に迫る人気心霊ドキュメンタリーシリーズ「怪奇!アンビリーバブル」の最新作。飲食店の客が落としていった1枚の写真。それを預かっていた店主に不幸が訪れる。全3エピソードを収録する。

 

( 怪奇!アンビリーバブル 連鎖!呪いのチェーンメール )

 

①知らない手紙

なぜか(知らない)女性が爪を手紙で送ってきた男性が恐怖を感じて相談する…という話。

→ 昔、(合コンで)男性がなんとなく「ツメがきれいだね」と褒めてしまった女性が送ってきているかも?という設定やけど、どうも人間関係がわかりにくく、恨みなのかストーカー行為なのかサイコなのか、よく呑み込めないまま終了。ここがもっとわかったら、ちょっとは面白くなったかもしれないが、やっぱり面白くないかもしれない。でも本当に爪を送られてきたら、これは気味悪いですよ、あなた。

 

②シ・シャ

ある人が、「写真に写った友人の顔が、歪んでいる」と投稿してきた。その友人は亡くなっている。そして投稿者は、最終バスに乗り遅れて、怖い思いをしながら公衆電話で彼氏に助けに来てもらったが、あとで公衆電話を探しても見つからない…という話。

→ 意外とストーリーに起伏があります。でも怖くないです。一番こわいのは、女性の顔が歪んでいる写真…いや、その歪んでいる顔が怖いんじゃなくて、歪む前のふつうの顔が……なんで、こんなユニークな顔の人を選んだんだよっ。不自然だっつーの。ぼくだけが感じているのかと思ったら、他の人もSNSで突っ込んでた。ここだけは一見の価値あり。主人公が助けを求めた公衆電話を探しに行ったが、すでに撤去されてあるはずのものだった、というオチ。でも前半にでてくるゆがんだ顔の女性との因果関係はわからず。最後は「ふーん、まーあれじゃない?勘違いじゃないの?」と言われておしまい。

 

③呪いのチェーンメール

チェーンメールがきた人を訪ねていく…という話。

→ まず、この画像付きメールが怖くない。このメールを受け取った人も特に気にしてない。そして、転送してる人も転送していない人もいるが、どっちもあんまり覚えていない。何人か亡くなっていることが暗示されるが、それはチェーンメールが原因とはいえない。要するに、チェーンメールを転送しなくても、とくに怪奇現象がおきていることは確認できない…って当たり前の話だっつーの!

まあ調査の結果、怪奇現象は見つからなかったという結果を、きちんと報告するのは真摯な態度ともいえる。でも、まじめだからどうなんだと言われれば、ぼくには言い返せませぬ…

 

( 怪奇!アンビリーバブル 霊媒師・門外不出コレクション )

 

①悲惨!心霊ストーカーに憑りつかれた女

霊媒師の吉田(女性)が、夜な夜な変な男の霊が夜這いしてきて困ってるという女性に会いに行くが…という話。

→ 強力な霊媒師である(らしい)吉田さんが登場します。吉田さんの容姿は、意外と普通です。アパートで女性から話を聞く吉田さんは、霊媒師というよりも「男性関係の愚痴を聞いている近所のおばさん」にしかみえません。

再現フィルムででてくる霊(男性)が、「売れない役者が頑張ってるなあ」という感じです(坊主頭で、80年代のパンクバンド風の霊です)

霊媒師の吉田さんは、「プライベートのこともありますし…これ以上は、もう依頼者(女性)の問題ですねえ…これ以上はちょっとねえ…」と言っておしまい。吉田さんが得意らしい「除霊」もしない。なので、たぶん相談者の女性は、いまでも坊主頭の霊に夜這いされていると思う。気の毒に。

 

②無念!いじめ死少年の霊

霊媒師の吉田が、いじめで亡くなった少年に霊が映るという公園に行ってみるが…という話。

 → 再現フィルムがひどすぎて、内容がよくわからないが、霊媒師の吉田さんは、特に何もしていないにもかかわらず「これ以上(追求するのは)はやめておきましょう」と言って、おしまい。理由は「こっちまで危なくなるから」とのこと。というわけで今回も除霊せず。

 

③恐怖!死へと導く写真

霊媒師の吉田が、それをみた客が次々と自殺するといういわくつきの写真がある飲食店(スナック)に行くが…という話。

→ 今回、取材する霊は、霊媒師の吉田さん曰く「これだけはマズいです」「本当に危険です」と言い放つくらいの強烈な霊らしい。しかし、スタッフが無理矢理に撮影を強行。問題のスナックで話を聞いたり、自殺現場に行ったりして、街を散歩したあげく、吉田さんは立ち止まります。そしてスタッフをにらんで、「これ以上は無理です」「責任がとれません」「本当に知りませんよ」「絶対に公開してはダメですよ」と愚痴っぽく言い放ちます。そして、しばらく沈黙の後「…じゃ、これで」と帰宅します。もちろん除霊せず。取材も途中でぶつ切りでおしまい。

 

(全体として)

今回は、なかなか興味深い体験でしたね。両方とも「この世にはまだ知らない恐怖があなたのすぐそばにある…」的な大げさなナレーションで始まり、心霊写真が延々と写りますが、大半はなにが写っているかわかりません…(笑)

でも、なんというか製作者側の『とにかく予算を低く抑えて、儲けを出そう』という心意気は感じます。撮影は工夫もなく、デジカメでただ写しているだけだし、出演者は素人か売れない役者ばかり(たぶん出演料はゼロ)でも、「これで儲けを出したるでええ!」「とにかく怖く宣伝して、1本でも多くツタヤにおいてもらうでええええ!」という製作者側の怨念のような気配(下心)が漂っています。

 みんなとワイワイと観るのには楽しいかもしれません。除霊しにいったのに、毎回言い訳をして除霊をしない霊媒師の吉田さんは、ちょっと気になります。他のシリーズでは活躍するのでしょうか?だれか教えてください。マストバイとは言えませんが、世の中にはこんな作品があるという体験をしても損はないかも…いや別に観なくてもええかな(笑)