
S原:今回は、酷評だらけで可哀そうなこの映画!
Y木:いかにもなアニメっぽけど……
(あらすじ)
恋と星空に憧れる天文部員こずえ。夏休み、ひとり天体観測の旅に出る。
「誰かに呼ばれている・・・」 そんな不思議な気持ちと、光り輝く隕石のカケラが、こずえの旅を後押ししていた。答えは、きっと星が教えてくれる……。
旅先の天文館で、こずえは寂しい目をした少年と出会う。こずえはその少年に惹かれていくが、彼の生まれ持った使命が、容赦なく二人を隔絶してしまう……

S原:普段は作品を観る前は、できるだけネットの評判をみないようにしてるんやけどな。これはみてしまった……
Y木:酷評だらけ?
S原:ほとんど褒めてる人はいない。それもあって、かなり覚悟して観たんやけどな。
Y木:どうやったの?
S原:そんなにひどいかなあ、というのが正直な感想やな。
Y木:じゃあ、良かったやん。面白いんやな。
S原:いや、面白くはないよ。
Y木:どないやねん。
S原:ほとんど、2人で作ったみたい。コピペすると、
■原案・監督・脚本・キャラクターデザイン・絵コンテ・作画監督・色彩設計/松原俊和
■監督・脚本・キャラクターデザイン・絵コンテ・作画監督・色彩設計/渡辺明夫
Y木:なるほど。自主映画やな。
S原:うん。27分しかないねん。結局、これを商業映画、たとえばジブリとかと比べると駄作としか言いようがないと思う。ただ、自主映画と考えるとなかなか頑張ってたと思うで。
Y木:まー俺らは大学時代に映画作りを目指してたからなあ。そういう奴らに甘くなるわな。
S原:映画としては、かなり舌足らずです。夏休み。天文部に所属する主人公(JK)が、隕石観測を目的にどこかの山奥に行きます。そこで不思議な少年と出会って不思議な体験をする。それだけの話やねん。
Y木:短編やからシンプルでええやろ。
S原:そうなんやけど、作り手としてはもっと深い意味や設定があるみたいやねん。こちらが理解する前にどんどん意味深なセリフや場面がでてくる。このへんが見ていて冷める人が多い原因ちゃうかなあ。
Y木:なるほど、「作家性」が邪魔をしたと?
S原:作家性というか、これは凝ったSF/青春ものやからな。製作者としての思い入れが溢れんばかりに入っています。
Y木:実際、溢れてしまってるんちゃうの?(笑)
S原:そうそう。綺麗な小瓶に合うような容量以上に、いろんなものをぶち込むから、瓶からあふれてテーブルにこぼれてます(笑)

S原:ただ、本当にいろんな要素があるから、次から次へと違う展開になる。
Y木:わかりにくいぞ。もうちょっと説明してくれ。
S原:まずは、主人公が不思議な少年に出会うガール・ミーツ・ボーイの要素ね。
Y木:うん。
S原:セリフが不自然で、意味深なわりに中身がなく、さらに噛み合っていない会話ね。こういうのもありますねん。
Y木:…うん。
S原:あとは、その少年がなぜか宇宙服を着ている謎ね。しかも、会ったばかりの主人公が「そんなの着てたらキス出来ないじゃない!?」と言う意味不明な展開ね。
Y木:……うん。

S原:少年が、全員黒服を着ている男性たち(おそらく政府の機関)に監視されている(守られてる?)んやけど、黒服が主人公に説明するけど、まったく理解できないところね。
Y木:………うん。
S原:隕石が落ちてくるのが、じつは違う現象(?)という場面があるんやけど、いつのまにかどうでもよくなってるところね。
Y木:…………うん。
S原:主人公をおって、山中まで追いかけてくる友人がいるんやけど、そのまま出てこなくなる放置プレイね。
Y木:……………うん。
S原:やたらと早いカット割りに不自然にピカピカした絵ね。
Y木:………………うん。
S原:スーパーマーケットでかかっている感じのBGMね。
Y木:…………………うん。
S原:あとは、えーと。
Y木:もうええ! もう分かった! やっぱりひどい出来やないか!
S原:というわけで、これを完成させた意地と頑張りは認めたいですが、いくらなんでも背伸びしすぎです。もう少しこじんまりした短編になれば、化けてたかも……と思わないでもないですが、アニメヲタクは見向きもしないでしょう。なんだか残念な作品でした~!