あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

「星空キセキ」(2006)の巻

 

 

S原:今回は、酷評だらけで可哀そうなこの映画!

Y木:いかにもなアニメっぽけど……

 

(あらすじ)

恋と星空に憧れる天文部員こずえ。夏休み、ひとり天体観測の旅に出る。

「誰かに呼ばれている・・・」 そんな不思議な気持ちと、光り輝く隕石のカケラが、こずえの旅を後押ししていた。答えは、きっと星が教えてくれる……。

旅先の天文館で、こずえは寂しい目をした少年と出会う。こずえはその少年に惹かれていくが、彼の生まれ持った使命が、容赦なく二人を隔絶してしまう……

 

 

S原:普段は作品を観る前は、できるだけネットの評判をみないようにしてるんやけどな。これはみてしまった……

Y木:酷評だらけ?

S原:ほとんど褒めてる人はいない。それもあって、かなり覚悟して観たんやけどな。

Y木:どうやったの?

S原:そんなにひどいかなあ、というのが正直な感想やな。

Y木:じゃあ、良かったやん。面白いんやな。

S原:いや、面白くはないよ。

Y木:どないやねん。

S原:ほとんど、2人で作ったみたい。コピペすると、

 

■原案・監督・脚本・キャラクターデザイン・絵コンテ・作画監督色彩設計/松原俊和
■監督・脚本・キャラクターデザイン・絵コンテ・作画監督色彩設計/渡辺明夫

 

Y木:なるほど。自主映画やな。

S原:うん。27分しかないねん。結局、これを商業映画、たとえばジブリとかと比べると駄作としか言いようがないと思う。ただ、自主映画と考えるとなかなか頑張ってたと思うで。

Y木:まー俺らは大学時代に映画作りを目指してたからなあ。そういう奴らに甘くなるわな。

 

星空キセキ | 作品紹介 | コミックス・ウェーブ・フィルム

 

S原:映画としては、かなり舌足らずです。夏休み。天文部に所属する主人公(JK)が、隕石観測を目的にどこかの山奥に行きます。そこで不思議な少年と出会って不思議な体験をする。それだけの話やねん。

Y木:短編やからシンプルでええやろ。

S原:そうなんやけど、作り手としてはもっと深い意味や設定があるみたいやねん。こちらが理解する前にどんどん意味深なセリフや場面がでてくる。このへんが見ていて冷める人が多い原因ちゃうかなあ。

Y木:なるほど、「作家性」が邪魔をしたと?

S原:作家性というか、これは凝ったSF/青春ものやからな。製作者としての思い入れが溢れんばかりに入っています。

Y木:実際、溢れてしまってるんちゃうの?(笑)

S原:そうそう。綺麗な小瓶に合うような容量以上に、いろんなものをぶち込むから、瓶からあふれてテーブルにこぼれてます(笑)

 

 

S原:ただ、本当にいろんな要素があるから、次から次へと違う展開になる。

Y木:わかりにくいぞ。もうちょっと説明してくれ。

S原:まずは、主人公が不思議な少年に出会うガール・ミーツ・ボーイの要素ね。

Y木:うん。

S原:セリフが不自然で、意味深なわりに中身がなく、さらに噛み合っていない会話ね。こういうのもありますねん。

Y木:…うん。

S原:あとは、その少年がなぜか宇宙服を着ている謎ね。しかも、会ったばかりの主人公が「そんなの着てたらキス出来ないじゃない!?」と言う意味不明な展開ね。

Y木:……うん。

 


S原:少年が、全員黒服を着ている男性たち(おそらく政府の機関)に監視されている(守られてる?)んやけど、黒服が主人公に説明するけど、まったく理解できないところね。

Y木:………うん。

S原:隕石が落ちてくるのが、じつは違う現象(?)という場面があるんやけど、いつのまにかどうでもよくなってるところね。

Y木:…………うん。

S原:主人公をおって、山中まで追いかけてくる友人がいるんやけど、そのまま出てこなくなる放置プレイね。

Y木:……………うん。

S原:やたらと早いカット割りに不自然にピカピカした絵ね。

Y木:………………うん。

S原:スーパーマーケットでかかっている感じのBGMね。

Y木:…………………うん。

S原:あとは、えーと。

Y木:もうええ! もう分かった! やっぱりひどい出来やないか!

S原:というわけで、これを完成させた意地と頑張りは認めたいですが、いくらなんでも背伸びしすぎです。もう少しこじんまりした短編になれば、化けてたかも……と思わないでもないですが、アニメヲタクは見向きもしないでしょう。なんだか残念な作品でした~!