Y木:なにこれ? スポーツ?
S原:イエース、スポーツ!そしてキルですよ!
(あらすじ)
ラスベガスの秘密クラブで繰り広げられる殺人賭博ショーを描いた残虐ホラー。拉致してきた男女に殺し合いを強制し、観客たちが賭けを行う地下クラブ“スポーツキル”。不運にもターゲットになった者は、目の前に引き出された相手を与えられた命令通りに殺さなければならない。そんな恐ろしい殺人ショーの参加者として選ばれてしまった美しい女性レイチェルは、生き延びるために次々と命令を実行していき……。
S原:これはダメやった。
Y木:ほぼ毎回ダメやん。
S原:いや出来が悪いのもあるけど、上手く言えないけど、この監督(クレイグ・マクマホン)は知能指数の低い奴ちゃうかな。
Y木:おまえが言うな、おまえが。
S原:いやーこれはちょっといただけません。たぶん監督はスプラッターが好きなんやと思う。足が切断されるところとか、お腹にストローを刺して血がドバーッとか、そういう場面に力が入ってます。
Y木:ほう。
S原:でも映画全体がしょぼいから観ていて冷める。気持ち悪くないし怖くないし。
Y木:あらすじは上のまんま?
S原:うん。カイジみたいな感じで、マジックミラーで観客(10人くらい)がいます。そのまえで、殺人ゲームをさせられます。観客はギャンブルとして楽しむわけ。それに主人公の女性が拉致されて無理やり参加させられます。
S原:こういう設定なら、「どんなゲームか」「どうすれば生き残れるか」「主人公はどうするか」がポイントやん。カイジだって、そういう駆け引きとか絶体絶命な状況から主人公が生き延びるのが面白さやろ。
Y木:そうやな。
S原:まずですねえ、この映画での殺人ゲームのルールがよくわかりません。
Y木:スポーツっぽい殺人ゲームちゃうの?
S原:いーえ、スポーツ要素はゼロです。たとえば主人公が部屋にはいると、すでに相手は縛られてるねん。
Y木:なんで?
S原:説明がないからわからんけど「縛られている相手を殺せるかどうか」というゲームみたい。
Y木:なるほど。主人公は良心の呵責と戦うわけか。
S原:結構あっさりと殺してたで。
Y木:なんやねん。
S原:実際にそんなことがあれば、それは大変やと思うけど、これは映画やからな。抵抗できない相手を殺すゲームってイマイチやろ。
Y木:じゃあ、ひたすら主人公が抵抗できない相手を殺しまくるの?
S原:いや途中で主人公は相手を殺すのを断ります。
Y木:あー今度は反対に主人公が殺される側になるんやな。
S原:いや、迷路に入れられてた。その名も「木の棺」。
Y木:はあ。なんで迷路?
S原:罰らしい。
Y木:まわりくどいなあ。
S原:この迷路の場面が長い。映画の半分は迷路という(失笑)。この迷路にもトラップがあるねん。
Y木:へえ、ナイフが飛び出るとか?
S原:いや、「ここは行き止まり」「引き返せ」って紙が置いています。
Y木:小学生のいたずらか。
S原:あと変なマスクをかぶった奴(処刑人?)がでてくるけど、これもよくわからん。というか、殺す側も殺される側もマスクマンって、ルチャリブレのルードかよ!
Y木:……(無視)
S原:あ。ルチャリブレは、メキシコのプロレスで、ルードは悪役レスラーのことね。あ、ちなみに善玉レスラーはリンピオもしくはテクニコって言うねん。ビジャーノⅢは、途中でルードからリンピオに転向したけど、あれのことね。
Y木:誰も知りたくない情報は言わなくてもええんやで。だから嫁さんに「あんたは、同じこと何回も言うから嫌い」って言われるねん。
S原:………
Y木:なんで黙ってるねん。
S原:……グスッ(涙)
Y木:涙ぐむな、キモイわ!
Y木:もうええわ。最後は?
S原:手首を切り落とされた主人公が、両手に刀をくっつけてシャキーン!
Y木:………
S原:シャキーンっていうねん、シャキーンって!
Y木:たしかに知能指数の低い監督みたいやな(苦笑)
S原:ただちょっと気になることがあるねん。
Y木:なにが?
S原:この監督は、こういう映画も撮ってるみたいやねん。
S原:めっちゃ面白そうやろ? こっちはアタリのような気がするねんけどな。買った方がええやろか?
Y木:……(無視)