![氷の挑発 2 [DVD]](https://m.media-amazon.com/images/I/51ZbklQYliL._SL500_.jpg)
S原:今回は「氷の微笑」ではなく「氷の挑発」!
Y木:しかも、パート2かい。
(あらすじ)
人間ドラマで定評のある女性監督ロベルタ・トーレが始めて手がけたエロティック・サスペンス。「そして、デブノーの森へ」のアナ・ムグラリスが妖しい魅力の美女を演じている。
海辺で発見された若き女性の死体。それは縛られた上に全裸にされ、首にロープが巻きつけられた異様な姿だった。調査にあたった刑事ルカは、その被害者がたんなる女子大生ではなく、“38番倉庫”というクラブで娼婦としての一面を持っていたことを知る。そして自分の恋人も無関係ではないかもしれないと思いはじめ、彼の日常がだんだん壊れ始める…。

S原:これは、氷でも挑発でもなかった……
Y木:また、そんな映画か。
S原:すごいマジな映画やった。本気って書いてマジって呼ぶ感じね。監督とか真剣そのもの。撮影の横で、ふざけて竹本孝之のモノマネしたら怒られるような雰囲気ね。
Y木:だれでも怒られるわ。というか、なんで竹本孝之やねん。
S原:ともかく心理描写に力をいれています。キャラクターの内面重視です。
Y木:へえ。心理サスペンスか。
S原:うーん、サスペンスと呼んでいいのかどうか……あらすじは上の通りです。主人公は刑事やねん。新しい恋人と同棲をはじめたところで、オットセイもご機嫌な日々です。ある穂、夜中に事件があり呼び出されます。若い女性が、首にひもを巻き付けられて全裸で死んでいます。捜査していくと、この女性は昼は学生、夜は娼婦をしていたことがわかります。その場所は38番倉庫という秘密倶楽部(?)で、刑事は調べに行きます。この秘密倶楽部の雰囲気がなかなか良いです。


Y木:「アイズワイドシャット」みたいやな。
S原:あそこまで淫靡ではないけどな。その場所で、自分の恋人に似た女性をみかけます。刑事は「まさかな……」と思いますが、だんだんと「もしかして……」と疑い始めます。
Y木:それで?
S原:疑います。
Y木:それは分かった。それで?
S原:疑い続けます。
Y木:わかったって!
S原:ほんまに、刑事が延々と悩むの! ひたすら恋人を疑うだけの映画なの!
Y木:なんでキレてるねん。
S原:はー。出だしの雰囲気はええねんけどな。だいたい主人公が、恋人を疑いだすのが20分過ぎ。そこからずっと悩んだり、陰鬱な顔したり、考えこんだり……
Y木:ふーん。


S原:それから、また思慮にふけったり、疑惑にさいなまされたり、苦虫をかみつぶした顔をしたり、眉間にしわをよせたり……
Y木:わかったわかった。もうええって。要するに主人公が悩む映画なんやな。
S原:本当にそれだけやった。まあ、いろんな映画があるし、演出もそれぞれやと思う。でもなあ、あんまり頭の中でグルグルと同じ疑惑を感じるのをみせられても、困るで。
Y木:まあな。でも、途中で展開があるんやろ。「実は……」みたいな。
S原:ありません。
Y木:え、でも恋人が秘密倶楽部にいたかもっていうのは?
S原:たぶん刑事の思い込みです。
Y木:なんやねん、それ。
S原:後半は、かなり幻想的(主人公の妄想?)になって、よくわからん部分もあるけど大したことないです。基本的にはただのオッサンが延々と疑って悩むだけ。参ったわ。

Y木:セクシーな場面はどうなん?
S原:秘密倶楽部で裸の女性がでてくるけど、それくらいかな。それも全裸のままウロウロするから、全然エロくないです。あれではちょっとな。裸になればええってわけじゃないからな。
Y木:そんなもんかいな。
S原:もっと恥ずかしそうにしてほしいよな。あっけらかんと裸をみせられて興奮するのはアメリカのオレゴン州の中学生だけやろ?
Y木:どういう偏見やねん。
S原:要するにチラリズムですよ、チラリズム! これがインポータントなのですよ! 「デラべっぴん」のグラビアとか、ちょっと隠してたやん? ちょっと恥ずかしそうにしてたやん? あれよ、あれ!
Y木:まじでキモいわ……
S原:というわけで、みなさん。パッケージとは全く違う暗めのオジサン映画でした。冴えないおじさんが悩んでいる姿が好きな人のみ観てください~!