
S原:さあ、今回からロボット映画を取り上げますよ。まずはこれ!
Y木:そのまんまのタイトルやん。
(あらすじ)
近未来。科学者のウォルターは、自分そっくりのアンドロイド「バズルヘッド」を作り出す。ウォルターは、自分の脳をスキャンして、パズルヘッドの人工頭脳を完成させ、全く自分と同じ記憶と経験を持たせることに成功する。パズルヘッドは、さまざまな事象を学び取っていく。そんなある日、パズルヘッドは食料の買い出しに出かけた店で、ウォルターが片想いを続けていた、ジュリアに出会います。その時、買い物中に拳銃強盗が現れ、パズルヘッドはその強盗を退散させ、ジュリアはパズルヘッドに好意を寄せるようになり……
S原:これは、変形のフランケンシュタインものやった。
Y木:ほう。
S原:なので、ロボットが合体したり空を飛んだり決めポーズをするのを期待してはいけません。
Y木:子どもか。
S原:というかまず一言、言わしてもらってもええかな?
Y木:どうぞ。
S原:この映画はな。
Y木:はい
S原:辛気臭ええええええ~!
Y木:やかましいわ。
S原:いや~ほんまに遠い親戚の田舎の仏壇みたいな映画やったわ。
Y木:よくわからんって。
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Y木:出来はどうなん?
S原:出来としては普通かな。結構、真面目なトーンで作られてます。ただ、面白いかと言われると「そんなには……」としか言えません。
Y木:真面目なトーンか。暗いの?
S原:暗いです。静かな雰囲気ですすみます。

S原:登場人物はほぼ3人。主人公は自分そっくりのロボ(この映画ではアンドロイド)を作る。姿かたちは自分そっくりで、役者も同じ。あとは、主人公とロボが好きになる女性がでてくる。
Y木:へえ。じゃあ実質は、俳優は2人やん。
S原:そうです。少し演劇っぽくてなかなか凝ってるやろ。そういう工夫は分かるねんけど、どうもなあ。陰気くさいし(笑)
Y木:結局、自分そっくりのロボットが自我を持つというネタやろ。
S原:その通り。主人公は、ロボに人間の心の感情まで教えようとするねん。バッハを機械的に弾くんじゃなくて、もっと情感をこめて弾くように、とか。
Y木:ほう。
S原:ある日、ロボは強盗から女性を助けたことで、女性に感謝されるねん。そのロボが女性に対しても恋心(っぽいもの)を抱く。そこから微妙な三角関係になります。

S原:主人公は、ロボに嫉妬してロボの機能を止めようとする。
Y木:「ロボのくせに生意気だ~!」って?
S原:そうそう。今度は主人公がロボに成りすまして、女性に近づく。ロボはさらに先読みして……
Y木:全然、ジャケットの雰囲気とちゃうやん。相変わらず詐欺が続くよなー。
S原:このパッケージでは、B級SFとかロボが好きな人が観るやん? でも実際にみたら、大真面目で湿気だらけの映画という(苦笑) こういうのってサ……
Y木:は?
S原:誰も得をしない不毛な世界なのサ……(涙を吹く)
Y木:泣くぐらいなら始めから観るなよ。

Y木:もしかして、シリアスなSFとして宣伝したら「隠れた佳作」になったかも?
S原:いやーどうかな。なってないと思う。暗いというのもあるけど、主人公に感情移入しにくいねん。
Y木:自分の作ったロボに、好きな女性を取られる悲哀なんやろ?
S原:いや、そういうのよりも、こいつ最低やねん。
Y木:なにが?

S原:好きな女性に近づく。そこまではええねんけど、強引にチョメチョメするねん。
Y木:ええー! なにそれ。
S原:そんな主人公、絶対にあかんやろ。しかも、それが原因で女性は自殺未遂するねんで?
Y木:最低やん。
S原:ほんまにな。もちろん、そんな状態の女性にロボが寄り添うねんけどな。ここから、またどんでん返しがありますが、ここでは言えません。
Y木:なるほど。結局は、人間の感情とかがテーマなんかな。
S原:たぶんな。テーマははっきりしてて良かったけど、うーん個人的には好きになれないですなー。
Y木:暗くて真面目すぎるから?
S原:それもあるけど、やっぱりロボは合体変形してほしいよなー。
Y木:………(無表情)