S原:今回は、みんなですごろくをしますよ。
Y木:昔の正月かよ。
(あらすじ)
BC4世紀の遺跡から“悪魔の巣窟”と呼ばれる道具が出土する。80年後、米国北部の島でバカンスを楽しんでいた9人の男女は、アントンが偶然見つけた古いボードゲームを始めるが…。
S原:これは悪くなかったで。
Y木:面白かったの?
S原:いや、悪くなかった。
Y木:どっちやねん。
S原:「面白いか?」と言われると返答に窮する一方で、「面白くなかった?」って聞かれると「悪くなかったで」と言わざるを得ない心境です。
Y木:禅問答かよ。
S原:まず良いところは、撮り方とか美術とかは、なかなか雰囲気良かった。結構お金がかかってるように思う。すごろくというかボードゲームも凝った感じで面白い。
Y木:ふーん。
S原:まず最初は1927年のトルコから話は始まります。ある渓谷でパン神殿を発掘します。そこには、ある儀式の方法が書かれているのを発見します。ゲーム(すごろく)もみつけます。メイン州のビーコンズ島へと持ち込んで遊んでみます。するとゲームをした人たちが殺し合いを始めていまいます。生き残った一人は、ゲームを誰にも見つからない場所に隠した後自殺します。
Y木:ほう。
S原:現代に話が変わって、オツムの弱そうなヤングたちがメイン州のビーコンズ島に遊びに来ます。当然、ゲームをみつけます。そして「やってみるっちゃ!」とゲームを始めます。ゲーム自体は単純なボードゲームでコマを進めると、コマが止まったマークと同じカードを引くんやけどな。
Y木:どんなカード?
S原:そこに文字が書かれてるねん。このデザインがなかなか良い。「おまえの本音をみんなに言え」とか「誰にも言っていない秘密を告白しろ」とかそんな感じ。ゲームをしているうちに、だんだん気まずくなるし、ギスギスした雰囲気になる。
Y木:ゲームをやめたらええやん。
S原:そう思うけど、ゲームを止めると死んでしまうということが分かって、止められなくなってしまう。男たちはスケベな奴ばっかりで女性に対する下心があるから、よせばいいのに自分の彼女以外ともチョメチョメしたいと正直に告白します。それを聞いて、彼女は怒ってケンカになったりする。
Y木:そりゃそうやろ。
S原:そのあとにB級ホラーおきまりの、誰も望んでいない女優のヌードがでたりします。
Y木:またかいな。一応、ゲームに支配されて人の心が狂っていく、っていう設定やろ? 人間の深層心理を暴かれるみたいな。
S原:はじめはそうなんやけど、途中からあんまりゲームは関係なくなります。後半はなぜかチェーンソーとかでてきてスプラッター要素もありつつ、ホラーサスペンスになります。
Y木:結局はいつもの感じか。
S原:そうやな。結局、手垢のついた演出や展開になって残念やった。なんでこうなるんやろうな。ゲームで最後まで押し通せばええのに。あとは、最初の場面(過去のシーン)で、これは「呪いのゲーム」だとしっかりと説明してるねん。
Y木:はあ。
S原:なので、ヤングたちがゲームをして呪われて「まてよ…」「まじかよ…」「これは、もしかして恐ろしいゲームかもしれないぞ…」「これは……呪いのゲームなんだ!」と焦った姿をみても、観客は「ああ、もう知ってるけど?」って思うという(笑)
Y木:最初に説明しすぎた、と。
S原:人間の本性を暴く面白さを狙ったんやと思うけど、そんなに上手くいっていないかな。ただ、はじめに言ったように雰囲気は悪くないです。ただ、観たのは一週間くらい前やけど、もうほとんど忘れてます。やっぱり印象に残らないんよなあ。
Y木:B級映画あるあるやな。
S原:さあみなさま。ボードゲームが好きな人はイケるでしょう。意外な拾い物を探している人はスルーしてください。もちろん、タイトルの似たあのシリーズとは無関係。ということで、あまりおススメできませんので、スルーしてくださいませ~。