S原:今回はカメラネタ!
Y木:「本当にあった呪いのカメラ」って、サブタイトルがダサいなあ……
(あらすじ)
祖父の死去を知った写真家ブランドンは、曽祖父の資産相続人となった。遺体写真家だった曽祖父が住んでいた家に行ったブランドンは、そこで曽祖父が使っていた古い”カメラ”を見つける。ブランドンは早速そのカメラで写真を撮り始めるのだが、そのカメラにはすさまじい呪いが込められていることを知らなかった。写真に写った夫婦やアシスタントは次々と謎の怪死を遂げ、その魔の手は遂にブランドンの息子にも及ぼうとしていた…。
S原:これ、中古店で見つけてパッケージに書かれてある。「カシャ! もう貴方の命はない!!」というのが面白くて買ったんやけどな。
Y木:どうやったの?
S原:出来としては微妙やった。結構お金もかかってるし。おそらく監督(フィリップ・エイドリアン・ブース)がやりたいスプラッター場面も分かるんやけどな。
Y木:ほんまに呪いのカメラなん? そのまま?
S原:そのままです。「釣りキチ三平」って漫画があったやろ。
Y木:あーあったな。
S原:僕はとくに釣りは好きじゃないねんけど、友達が好きで全巻借りて読んだんやけどな。長期連載やから、たまに異色な回があるねん。そのなかで、使った人が死ぬという『呪い浮子(うき)』がでてくるねん。
Y木:明るい釣り漫画やのに。なんかすごいな。
S原:なにか説明のつく理由があるんかと思ったら、そのまま「呪われた浮子」やったしな(笑) この映画はあれと同じです。
Y木:あらすじは、上のまんま?
S原:前半はそうです。主人公に、亡くなった曽祖父の家を相続する書類が届きます。主人公は妻と別居中で、息子がいます。息子は(精神的な原因で)声が出なくなっている。主人公が息子と一緒に曽祖父の家に行き、遺品を探す。そこに古いカメラをみつけます。曽祖父はちょっと有名な写真家やったのよ。それも普通の写真家とちゃうで。「遺体写真家」やで。
Y木:へえ。
S原:「遺体に細工をして、あたかも生きているかのように撮る手法」らしい。
Y木:それは……なかなか気味悪いな。
S原:結局、主人公はそのカメラを気に入って、友人の結婚式で新郎新婦を撮ります。
Y木:そのカメラが呪われてるんやろ? 撮った瞬間に死ぬんか?
S原:いや時間差攻撃やった。そんな感じで、写真を撮られた人がどんどん死んでいく。体から火が出たり、皮が剥がれたり(人間の体が反転した?)、目から血が出たり、お風呂にヒルがでてきたり。
Y木:お風呂にヒル?
S原:たぶん吸血ヒルやと思う。海蛇かな。よくわからんけど、死んでたわ。一方で、曽祖父の伝記を書いたおじさんがでてきて「あのカメラを触ってはいけない」「呪われている」と忠告します。こういう感じで話はすすみます。
Y木:話を聞いていると普通やけどな。
S原:酷い出来ではないねんけどな。どうにも演出に切れ味がない。あとは後半でガラリと雰囲気が変わる。
Y木:ほう。
S原:カメラの中の異世界に入り込むねん。ここからダークファンタジーっぽくなる。今までのリアルなサスペンスホラーからSF風になるのよ。この展開が面白いと感じるか、ガクッとなるか。ぼくは後者やった。
Y木:ふーん。それも狙いやろうな。
S原:うん。主人公の息子とレラという少女が出会ったり、異世界を冒険する感じもある。一応、「ネガの世界」という説明はあって、主人公もその世界へ息子を助けるために入っていく。
S原:ここからはネタバレになるので言えないけど、最後の場面では賛否真っ二つやな。
Y木:へえ。どんでん返し?
S原:のような、そうでないような。個人的には、あまり好きなラストではないけど、あれしかないかな、とも思う。そのへんもどうもスカッとしない。
Y木:今回は、おまえの波長と合わんかったみたいやな。
S原:あーその表現がピッタリかも。ということで、いまいち自分とは合わなかったですが、好きな人もいると思います。観た人、ぜひ感想のコメントくださいませ~!